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「春頃に薬草採集のついでにお前さんに新人達の面倒を見てもらっただろう?」
「面倒見たって程じゃ無いけれど……」
【祈り】撒いてレーダー役を務めていたが、面倒見るというよりは即席パーティーって感じだった。
「十分だよ。そいつらの中で死者は出ていないからな。ただ、他所で経験積んだ奴等がな……大型を狙ってどんどん奥に行っているんだ。実際それで稼ぎを上げている奴等もいるが、春から既に10人以上死んでいる。そして、ここに来てまだその大型が戻って来ていないだろう?馬鹿が死ぬ分には構わないんだが……この分だとまだまだ増えそうなんだ」
「あー……結婚とか新領地とか色々お祝い事が重なってるからね……死者はあんま出て欲しくないか」
領民を守るってのは領主の役目の一つだ。
その死者の中に領民が含まれているかどうかはわからないが、結婚したばかりなのに領内で死者が出まくるのは……。
セリアーナが不機嫌になるか大笑いするか……どっちだ?
「五分五分だね……」
それだけで伝わるのか頷いている。
ちなみに俺の予想は、大笑いした後不機嫌になる、だ。
「だろ?これがダンジョンならいくらでも介入できるが、外じゃな……」
困ったような顔で頭をかいている。
まーなー……冒険者に魔物を追うなとは言えないし、気を付けろって言っても、そもそもそれを聞くような奴なら死ぬような事態にはならない。
「オレはどうしたらいいの?」
わざわざ呼んだって事は愚痴るだけじゃなく、何かやって欲しいことがあるんだろう。
「お前なら領主様か奥様か、どちらかに話を聞かせられるだろう?で、後でその様子を教えてくれ。そうすりゃ冒険者に注意をする口実が出来る」
「そりゃどっちにも話は出来るけれど……それだけでいいの?」
「それで十分だ。領主夫妻も冒険者の死亡者数が増えている事を気にされているってな。今のままでいいのなら何も言わないだろうしな」
判断は丸投げにするのか……。
まぁ御機嫌伺に近いしそんなんでいいんだろう。
ただ……。
「アレクに言わなくていいの?」
最近忙しそうだけれど、冒険者絡みならアレクの出番だと思う……。
「あいつは隊長だからな……そこまで持って行くと事が大袈裟になる。話を聞かせる分には構わないが、領主夫妻に伝えるのはお前がやってくれ。それにあいつは今領内の戦士団の編成に動いてもらっている。領都内の事は俺達の仕事だ」
俺達ってのは俺も入っているのか……。
「そか、わかった。まぁオレなら雑談で済ませられるかな……?」
ここは副長サマが一肌脱ごうじゃないか。
◇
支部長との話を終えて冒険者ギルドから出るべくホールを通ると相変わらず賑やかなままだ。
「よー、セラ副長」
そこを通り抜けていると、声をかけられた。
見送りに支部長も来ているのに、声をかけて来るとは中々の猛者。
「シャーっ!」
両腕からアカメ達を出し威嚇をすると、相手も降参といった具合に両手を上げる。
名前は知らないが、ここで何度か顔を見た事のあるおっさんだ。
「少し話があるんだが、いいか?」
「ぬ?いいけど……」
このパターンは初めてだな。
「セラ、あんた歳はいくつだ?」
「今年で11だよ?」
聞かれたので答えたが……なんだこの質問?
「……そうか」
そう呟き何やら考え込んでいる。
何だろうと支部長の方を見るが彼も思い当たる様子は無い様で首を振っている。
数秒ほど固まっていたが、考えが纏まったのか顔を上げた。
「俺のガキが今12なんだが、冒険者になりたいらしいんだ。外で狩りをやらせるのはどう思う?」
それは何とも……。
「人の家の事に口出しはしないけれど……死ぬんじゃないかな?」
「だよなー……」
額に手を当てまいったなーといった様子だ。
ついさっき大人の冒険者も死にまくっていると聞いたばかりだ。
子供にねだられでもしたのかも知れないが、ちょいと危険過ぎるな。
「お前この街の生まれだよな?それで子供が冒険者になりたいって言っているのか?」
「ああ……だから、まあ……何とかならんかなって」
支部長とおっさんが何か分かり合ったのか神妙な顔をしている。
かと思ったら、こちらを向き口を開いた。
「なあ、もう一つ頼まれてくれないか?」
セラ・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】・【浮き玉】【影の剣】【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】・【琥珀の剣】13枚
セリアーナ・【範囲識別】・【】・35枚
エレナ・【】・【緑の牙】・5枚
アレク・【】・【赤の盾】【猛き角笛】・12枚




