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王妃様とエリーシャ。
2人でひとしきりアカメ達を観察し、満足したようで解放され、ようやく服を着る事が出来た。
その後必要ないと言っているのに、髪を無造作にグルグル巻いたからと手入れをされた。
流石は王妃付きだ。
アレコレ指示を出してくる外野の言うとおりに手際よく髪を結いあげた。
やはりここでも鏡を見せてもらえなかったが、まぁきっと変な髪形では無いんだろう。
「さて……あなたが普段受け取っている報酬、金貨5枚ね?それは当然として、褒美は何がいいかしら?何でも言いなさい」
「ぬ?」
まぁ、他の人も追加で何かを持ってくることが多かったが……今回のは俺とセリアーナどっちにもプラスになるし、受け取る気は無いしそう伝えていたはずなんだけど……。
「裏も何も無いわ。お前が欲しい物があれば何かお願いしなさい。この国の王妃殿下よ。大抵の事ならかなえて下さるわ」
どうしよう……とセリアーナの方を見ると肩を竦めそう言って来た。
王妃様のアドリブか。
「ふぬぬ……」
なんだってこう……偉い人はアバウトな事をやって来るんだろう。
もっとわかりやすくしてくれたらいいのに。
大抵の事と言っても何でもってわけじゃないだろうし……今思い浮かんだ物は王妃様が使っていたのと同じ布団位だけれど、値段はそれなりにするだろうけれど、普通に買えそうだし、そんなものを強請る訳にもいかないよな……。
「あ!」
ヒントを求めて部屋をキョロキョロと探っていると、モチーフはわからないが、壁にかかった絵が目についた。
これだ!
「ミラ様の絵か彫刻が欲しいです!」
【ミラの祝福】を披露して、ミラの美術品を所望する。
お洒落じゃないか。
「……ミラの?」
首を傾げている。
……外したかな?
「その娘は王都やゼルキス領都でミラをモチーフにした作品を買い集めているのです。もっとも若手の作品ばかりですが……。どうでしょう?勉強の為に本物を頂けませんか?」
どうしたもんかと思っていたら、セリアーナから助け舟が出された。
「……そういうことね……わかりました。確か宝物庫に小物がいくつかあったはずです。その中から私が選びますが、良いですね?」
宝物庫……?
「あの……そこまでしてもらわなくても……」
ちょっと大事になっている気がする。
今から変えちゃ駄目だろうか。
「王家専属の絵師はいますが、一から依頼しても仕上がりは先になりますよ?あなただけ王都に残るのならともかく、ルトルに一緒に帰るのでしょう?急がせても一月、二月程度では終わりませんよ。宝物庫から出すのにも手続きはいりますが、それでも式を終えた頃には終わります」
「セラ、今後ルトルの芸術家たちの勉強にもなるわ。素直にお言葉に甘えなさい」
セリアーナがそう言うって事は貰っても大丈夫なのか……な?
「わかりました。それでは、ありがたく頂戴します!」
そう言うと満足気に頷いている。
……小物とか言っていたけど、城の宝物庫に収蔵されるような代物なんだよな……?
良いのかな?
◇
夕食後、ミネアさんの所から迎えが来る前のお喋りタイム。
今日の話題は、昼はいなかったエレナに聞かせる為に王妃様のとこでの話だ。
「ねー、今更だけどさ、昼間のアレってもらって大丈夫なの?」
王妃様の部屋から戻って来て、何やかんやとセリアーナの用事が重なり聞けなかった事を聞くことにした。
「お前が自分で選んだんでしょう?」
「まぁ、そうだけど……。想定外だったというか……」
公式な顔合わせっていう一大イベントを達成したし、それだけで十分だったんだよな。
「物品よりも、紹介状や口利きを頼む事が多いかな?」
「なるほど……そりゃ王族なら自分じゃちょっと無理目の所にも話を通してくれそうだね」
「もっともそういった事は滅多に無いでしょうけどね。お前の事を気に入ったんでしょう。もう少しわがままを通せるかもしれないわよ?」
「お腹痛くなるからいいよ……」
お貴族様の相手は少しは慣れてきたけれど、王族はアカン。
セラ・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】・【浮き玉】【影の剣】【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】・【琥珀の剣】5枚
セリアーナ・【範囲識別】・【】・35枚
エレナ・【】・【緑の牙】・4枚
アレク・【】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚




