表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
8章・再び王都でアレコレと。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

219/2095

217

「……本当に行くの?」


「アレクシオは城に出向いておるからな。私しかおらんだろう。それとも日を延ばすか?」


俺の言葉に胸を張って言い返すじーさん。


屋敷の玄関ホールにはじーさんと、それを見送ろうと並ぶオリアナさんと、使用人達。

麻の上下にその上から魔獣の革で作られた防具を纏い、短槍を手に持ち腰には剣を差している。

普段もあまり華美な服装はしていないが、それでも一目で貴族とわかる格好だが、これだといっぱしの老戦士だ。


「…………」


最初は俺も延期しようと思っていたのだが、ノリノリでアレクの代理を申し出てきたのはじーさんだ。


三国志の黄忠だったかな?

老いてなお盛んの語源は。

確か70歳かそこらで敵将を討ったとか。


それを思えば、じーさんは60いくつか。

相手も浅瀬のモンスターだ。

庭で一緒に剣を振ってる時の姿を思い返すと、どうあってもやられるとは思えない。


オリアナさんを見ると、彼女も頷いている。

大丈夫なんだろう。


「わかったけど……潜ってから1時間で戻るからね?」


「それで構わん。なに、私も久しぶりだからな。無理をする気は無い」


「そか……んじゃ、行きましょー」



「ふんっ!」


突進してくるイノシシを寸前で闘牛士の如く躱し、すかさず短槍を突き出し後ろ足を抉った。

バランスを崩し倒れたイノシシは、突進の勢いそのままにこちらに転がって来ている。


じーさんは既に別の個体に向き合っている。

こっちは俺が処理しろって事か。


「やれ」


シロジタを頭部に潜り込ませ核を潰した。


「ぉぅ……やっぱ楽だね」


核を潰せば消える死体。

処理に手こずっていた外でのことを思うと、ダンジョンが人気なのもよく分かる。

街から通えて、処理が楽であまり強くなく、何より魔物しか出ない。


外は外で、素材が欲しい時なんかはいいんだろうけれど、俺はダンジョンの方が好きだな。


「おっと……!」


背後から接近するコウモリに気付き、左手を振るう。

ガシャンと砕ける音と共に破片が突き刺さり落下していく。


シロジタが止めを刺しに向かうが、まだ残りがいる。

【影の剣】を振り回し、全て地面にたたき落とした。


一撃で決めようと思わなければ、もうコウモリも楽なもんだ。


「ちょっ⁉」


じーさんの方に向き直ると、2体のイノシシが倒れ、3体目の相手をしている。

ただ、まだ2体は生きているし、起き上がろうとしている。


「先にあっちだ!」


コウモリは後回しにし、まずはイノシシを倒そう。



「じーさん、はしゃぎ過ぎじゃね?」


潜り始めてそろそろ1時間という所で、帰還すべく引き返すことにした。

その道すがら、先程までの戦闘についてあれこれ話していたのだが、じーさん……。


この一言に尽きる。


「わっはっは!すまんすまん。お前が予想以上に動けるもんで、ついつい昔を思い出してしまったわ。【祈り】か?アレも良かった!」


本人は暴れられたからか終始ご機嫌だ。


魔物を見つけては合図も無しに突撃していき、戦闘を始めていた。

止めはこちらに回してくれるし、別に構わないんだけれど、【琥珀の剣】はあまり試せなかったのが少々残念。

もっと上層の奥まで行くと妖魔種なんかも出て来るそうだけれど、浅い所じゃ魔獣が中心だからあまり向いていない。


シロジタの訓練にはなったかな?


「しかし……お前の恩恵品はあまり魔物との戦闘向きとは思っていなかったが、中々うまく使いこなしているな。2匹のヘビもだ。以前滞在していた時は上層で手こずっていると言っていたが、今ならもう問題無いのではないか?」


魔物しか目に映っていなかったと思ったが、よく見ているじゃないか。


「どうだろう……。ここは奥に行けば行くほど一度に戦う数が増えていくし……オレは弱い魔物相手を一体ずつ仕留めるのが向いているから……」


魔法やらアイテムで小細工を駆使してなんとか誤魔化しているが、リーチが短いため一対一の接近戦しか出来ない。

【緋蜂の針】と【影の剣】の突進、回転のコンボも結構運だよりな所があるし……我ながら課題は多いな。


「なるほどな……お前自身がまだまだ成長が足りんか」


「そーいうこと」


今の体のサイズ、筋力じゃ出来る事が少なすぎる。

しばらくは今のスタイルで行くかな。

セラ・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】・【浮き玉】【影の剣】【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】・【琥珀の剣】4枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・35枚

エレナ・【】・【緑の牙】・4枚

アレク・【】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 後漢書馬援伝です 老いては益々壮んなるべし Wikipediaの老黄忠の説明は誤解を招いています
[一言] 筋トレせねば
[一言] 孫のまえで張り切っちゃう祖父的な…… うっかりギックリ腰になるところを「祈り」でフォロー
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ