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「んで……?」
それだけじゃないんだろう……とオーギュストに続きを促すと、彼は諦めたように口を開いた。
「彼らは所謂主流派ではない者たちと契約している。商業ギルドだけではなくて、騎士団はもちろん冒険者ギルドとの関係も強めるべきだ……そんな者たちだ。商業ギルド内にも派閥があることは知っているだろう?」
「あくまで商業ギルド内の仕事に専念する派と、もっと色々関わっていこうって派だよね?」
「クラウスは前者だな。もともとそっちが主流派だったんだが、最近非主流派も増えて来ているって話だ。お前らも座れよ」
俺の隣にいたアレクが答えながら皆に座るように促した。
そうしてようやく席に着く。
それと合わせて、室内の空気も和らいだ。
彼らは先に追加の二人の事情は聞いているんだろうが、基本的に関わり合いがない連中同士だし、中々気を抜くことが出来なかったってところかな?
「……それにしては妙に緊張感があったね。そこまでのことなんですか?」
「我々がそちら側の要請を受け入れることを気にする連中がいるということだ。閣下はどうだったか?」
オーギュストの言葉にリーゼルの様子を思い出すが……。
「そう言えば、オレがフィオさんへの取り成しを断ったら、ちょっと悩んでいるような様子だったかな?」
「それだ。セラ副長がどう……というわけではないが、商業ギルド内の力関係に多少は影響が出るだろうからな。どちらが正しい……というわけではないが、騎士団は今回の件では後者を取った」
「だからか……」
あの手紙の内容自体は把握出来ていなくても、承諾を取っているって言っていたしこっちの状況は把握出来ていたんだろう。
リーゼル自身は中立みたいだが……最終的に彼が色々対応する必要が出てくるし、あまり後者が勢いついてしまうのも困ってしまうんだろう。
騎士団の判断も理解出来るし、別にリーゼルと意見が割れたわけじゃないんだろうが……ちょっと意外ではあるな。
「旦那様の思惑とちょっとずれてるみたいですけど、そんなこともあるんですね?」
「承諾は取っていると言ったろう? それに、何も我々は領主の意思に全て従うわけではないさ。そもそも今回の件はそこまで大げさに考えることではない」
こともなげに言い切るオーギュスト。
俺は「そうなの?」と横に座るアレクに視線を向けるが、彼も笑っている。
「この件で苦労するのはクラウスや商業ギルドだ。それも、フィオさんの件を上手いこと手早く宥めたらそれで解決する程度さ。まあ……お前への依頼が不発に終わった以上は、セリアーナ様を経由するくらいしかないだろうし、旦那様が悩んでいるのはそこのことだろう」
アレクの言葉に、オーギュストや補佐の兵も頷いている。
「ウチは基本的に奥様は何でもあるからな。一体どうなるやら……。まあ、それこそ俺たちが考えることじゃない。それよりも任務の話をしようぜ」
「そうだな。改めて訊ねるが……セラ副長、彼らで構わんな?」
「うーん……実力とかは大丈夫と思うけど、結局のところちゃんと連携取れるの? オレのいないところで何かあって、魔物を取り逃がした……とかは困るよ?」
あまり偉そうなことは言いたくないが、この点は譲ることは出来ない。
もし取り逃がそうものなら、この広いリアーナ領に一の森の魔物を放つってことだからな。
「大丈夫だ。彼らは多少ではあるが商隊護衛の際に騎士団とも交流がある。それに……そうならないために奴を配置している」
そう言って、纏め役の兵に視線を向けると、彼はそれに応えるようにグッと力こぶを作って見せた。
……まぁ、何かわからないが自信はあるんだろう。
それなら俺が何か言うことではない。
俺は「わかった」と伝えると、彼らの紹介を頼んだ。
会議室にやってきてからいきなり話が始まってしまったし、評価を聞いたりはしたが、実は肝心の用件である彼らの紹介がまだなんだよな。
セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】
恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】+1【赤の剣】【猿の腕】・0枚
セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚
エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚
アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚




