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ファイルを読み終えた俺は、ファイルを返却するために騎士団本部に向かうことにした。
読み終えたら直接持ってこい……とは言われたものの、別に今日中に持って行く必要はないのかもしれないが……まぁ、早めに片付けておきたいし大した手間でもない。
それに、もしかしたら俺に話があるかもしれないしな。
ってことで、地下通路を使って騎士団本部にいるオーギュストの下に向かった。
「……おや? まだ皆いたんだ」
オーギュストの部屋に入ると、エレナと共に来た際に会ったメンバーがまだここに残っていた。
一ヵ所に集まっていた方が情報の整理もしやすいし都合がいいんだろうが……各々忙しいだろうにな。
部屋に入ってきた俺を見て、席から立ち上がってこちらに来るテレサに、俺の言葉を聞いて苦笑しているオーギュストとアレク。
そして、ムッとしたような表情のリックと、俺のことは気にせず仕事を片付けている補佐たち。
とりあえず昼間訪れた時よりも忙しそうなのは確かだな。
「今日は皆も夜までここに詰める予定だ。セラ副長はどうした? 先程送った資料を読み終えたのか?」
「そうそう。別に急いで持って来なくてもよかったのかもしれないけど……念のためね」
「ふむ……テレサ殿が言ったとおりだな。セラ副長、君に話があった。こちらへ」
オーギュストは満足そうに頷くと、自分の机の前を指した。
やっぱり呼び出しも兼ねていたのか。
「はいはい。それで、どうかしたの?」
机の上にファイルを置きながらオーギュストに呼び出した用件を訊ねると、彼はファイルを開きながら話を始めた。
「まず……この人員で構わないか? 騎士団と冒険者……どちらも君の調査に同行して問題無い者が選ばれたはずだが……」
「うん。どっちもしっかりした腕の人たちだね。むしろ大した出番も無さそうなのにいいのかなってくらいだよ」
「騎士団と冒険者との共同任務の一環でもある。そこは気にしなくていい。とりあえず……冒険者ギルドにも連絡しておこう」
オーギュストはそう言ってファイルを閉じると、改めてこちらを見た。
「雨季明けの一の森の調査だが、日取りは決めてあるか?」
「日取り……? 雨が上がってから数日後……ってくらいだけど、何かあるの?」
「君たちが報告に来てからしばらくして、東門から伝令が来た。訓練場のさらに南側に魔物の群れが現れて、それを討伐したとのことだ」
「魔物の群れ?」
俺が首を傾げていると、オーギュストは「ああ」とゆっくり頷いた。
「君たちが遭遇したのは小型の妖魔種だったか? 今回遭遇したのはオオカミ種の群れだ。一の森から草原に出て来てすぐのところで発見したため、訓練場の監視櫓からしばらく監視していたらしい。だが魔物の群れが領都に近づいてきたため討伐に踏み切ったそうだ」
「増援は?」
「無い。だが、一の森の中には踏み入るわけにもいかず、あくまで外から見た限りだ」
「まぁ……そんなもんだよね。それで……そのことを伝えるためにオレを呼んだの?」
また魔物が街の様子を探りに出て来たっての警戒すべきことだが、アレクもリックも街にいる今、わざわざ俺を呼びだすほどのことではない。
オーギュストに「どういうこと?」と続きを促した。
「今年は既に一の森の魔物は大量に仕留めたし、森から大量の魔物が出てくる……なんてことはないはずだ。だが、それが悪く作用したのか、浅瀬の魔物は森の外に目を向けてしまっているのかもしれない」
「……半端に魔物がいない空間が出来たから、奥の魔物が浅瀬に流れてくるかもしれないもんね。街の防衛を強めたいの?」
そうなると、俺に調査に出るな……って言いたいんだろうか?
でも、その割には同行する者たちをしっかり選んでいるしな。
よくわからんな……と首を傾げながら、オーギュストの言葉を待った。
セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】
恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】+1【赤の剣】【猿の腕】・0枚
セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚
エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚
アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚




