2057
地下通路を通って冒険者ギルドの地下に到着した時は、ダンジョンに入る前の打ち合わせをしている冒険者たちが多数いたが、特に普段と変わりのない様子だった。
相変わらず大手のグループが占めていて、その問題の解消は必要かと思うが……それは俺がどうにか出来ることでもないし、冒険者ギルドと騎士団とリーゼルたちとで協議して、上手いこと解決してもらおう。
それはさておいて、彼らと軽く挨拶を交わして一階に向かったんだが……。
「セラ副長っ!? それに、騎士団の……」
一階の廊下を忙しそうに小走りで移動していた女性職員が、地下から上がってきた俺たちに気付いてこちらにやって来た。
随分忙しそうだが、それは彼女だけじゃなくて他の者たちもだ。
これはもしかして……と、伝令の彼と一度顔を見合わせて、彼女に理由を訊ねることにした。
「忙しそうだね?」
「ええ……まだはっきり断定は出来ないんですが、雨足が弱まって来たんじゃないかって外から戻って来た方が仰っていて……。今確認に出てもらっているんですが、私たちはそうだった場合に必要な各所への連絡の用意をしているんです」
「ふぬ……まぁ、色んなところに連絡するんだろうけれど、特に休暇中の冒険者とかが大変だろうね。でも、そんなことまでやるんだね?」
「ええ……休暇中は家から一歩も出ずに過ごすか、外に出るとしてもダンジョンに潜り続けるかで、外の様子は碌にわからない生活ですからね。幸い、待機中の冒険者は領都内に残ってくれていますから、連絡自体は難しいことではないんですよ……」
そう言いつつも、彼女は困り顔のままだ。
前世と違ってメールとかで一斉に連絡出来る手段がない以上は、個別に連絡をするしかない。
戦士団のように纏まっている組織ならそちらに任せることも出来るが……大半がそうじゃないしな。
冒険者ギルドがそこまでのサポートをする冒険者……となると、それほど数がいるってことはないと思うが、職員の数だって限りがあるし大仕事だ。
大変だな……と、溜め息を吐いている彼女を見ていると、「そういえば……」といった様子で顔を上げた。
「それで……セラ副長は今日は何か御用でしょうか?」
俺一人で来るとかならともかく、騎士団の人間を伴って地下からやって来たら、何の用だろう……って思っても不思議じゃない。
ただ。
「あ、今日はオレはおまけだよ。コッチが用があるの」
俺は彼女の勘違いを指摘しながら隣の彼を指すと、すぐに彼が口を開いた。
「先程騎士団でも雨足が弱まったことを観測した。それを受けて今後の予定をこちらに伝えるために、私が団長から遣わされたのだ。カーン支部長はいるな?」
冒険者ギルドの職員だけあって、一目で彼が一番隊だとわかったんだろう。
緊張した表情で慌てて姿勢を正すと、すぐに答えた。
「はっ……はい! 支部長は自室で仕事をされているはずです」
「結構。セラ副長、行きましょう」
「そうだね。んじゃ、お仕事頑張ってねー」
彼女に手を振りながら、俺たちはカーンの部屋に向かって移動を始めた。
忙しそうにしている所を呼び止めてしまった上に、短時間とはいえ話し込んでしまったし悪いことをしたな。
◇
俺たちはホールを抜けて受付の奥に入ったところで、職員の一人に「オーギュストからの伝言だよ」と声をかけて同行をさせることにした。
そのまま止められることなくカーンの部屋の前に付くと、まずは彼が中に入っていく。
「支部長、騎士団から伝令がお越しです」
「おう、入ってもらえ!」
ドアは閉まっているので少々声はくぐもっているが、カーンのデカい声はドア越しでもしっかりと聞こえている。
俺たちはドアを開けると勝手に中に入っていった。
「……なんだ? セラまでいるのか」
部屋に入って来た俺たちを見て、カーンは訝しげな表情を浮かべていた。
セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】
恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】+1【赤の剣】【猿の腕】・0枚
セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚
エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚
アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚




