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「……誰も護衛は連れてないけど、偉そうだってのは一目でわかるね」
地下から騎士団本部の一階にやって来た俺は、廊下からホールの様子を眺めてそう呟いた。
ホールで待機しているおっさんや廊下を案内されているおっさんの姿が目に入ったが、誰も護衛を連れていない。
立場を考えたら、護衛を複数付けていてもおかしくないんだろうが……地下通路を使う上に、訪れる先が騎士団本部だ。
武器を持った人間を簡単に中に入れるわけにもいかないし、そもそも騎士団本部に訪れるのに護衛を連れてくる……ってのも大分失礼な話だよな。
先日の冒険者ギルドにも、商会の主らしき偉いおっさんたちが押しかけていたが……今日は騎士団本部だし、商業ギルドの中でも上の方の人たちが集まっていそうだ。
今日は地下通路を通って集まっているそうだし、先日の冒険者ギルドの時と違って、流石に玄関前に馬車が溜まっている……なんてことはないだろうが、もし地上から集まっていたら凄いことになっていただろうな……。
「ともあれ……ちょっとー!」
ここで眺めていても仕方がないってことで、一先ずオーギュストの部屋に向かうと、警備の兵に声をかけた。
「お疲れ様です。団長に御用ですか?」
「うん。ちょっと話を聞きに来たんだけど……」
ここに来た目的を伝えると、彼は申し訳なさそうな声で廊下の先を指した。
「申し訳ありません。団長は今向こうの会議室で、隊長たちと会議を行っています。セラ副長も参加されますか?」
一人が俺に会議に参加するかと訊ねると、もう一人が続いてオーギュストの部屋を指す。
「セラ副長でしたら団長室で待機していても構わないと思いますが……」
俺は彼らの言葉に「そうだね……」と考え込む。
恐らく会議の内容はアレクからの北の拠点周辺の報告だったり、ルバンの件だったり……もしかしたら俺に同行する人員選びとかもしているかもしれないが、概ね内容は予想出来る。
俺が参加してもしなくても結果には大して影響はないだろうし、会議を中断させてしまうだけな気もするが……主がいない部屋で勝手に休んでおくってのもなんだかな……って感じがする。
別に中で仕事をしている文官もいるだろうし、部屋に俺一人っきりっになるってことはないだろうが……いつ戻って来るかもわからない状況だと落ち着かないしな。
「…………会議の方に参加するよ。どこの部屋?」
そう伝えると、「私が案内しますよ」と一人が手を挙げて歩き始めた。
「ありがとー」
「いえ、構いませんよ。今日は人手が足りないので案内出来る者がいませんからね……」
しばらく廊下を歩くと、いくつか並ぶドアの前で足を止めた。
「こちらです。失礼します。セラ副長をお連れしました!」
彼はドアをノックしながら中に向かって声をかけた。
いつもだと、必要無いとはいえ一応ドアの前に警備兼伝令役の兵が立っているんだが……今日は余程忙しいんだろう。
オーギュストたち幹部級が集まって会議をしているのに、会議室のドアの前には誰もいなかった。
まぁ、この場で何かが起きるなんてことはないんだろうけどな。
ともあれ。
「セラ副長、どうぞ」
「うん、ありがとう」
ドアが開けられたので考え事はこの辺にして中に入ることにした。
◇
会議室にはオーギュストたち三人の他に、彼らの補佐役も何人か集まっている。
会議の進行役はオーギュストの補佐だし、これだけのメンツが集まっているってことは結構真面目な内容みたいだな。
……これは多少落ちつけなくても、オーギュストの部屋で待機しておいた方がよかったか?
俺は少々後悔しつつも、会議室の皆に向かって挨拶をする。
そして、そのままアレクの後ろに移動した。
「む? わざわざ来たのに君の話はいいのか?」
「うん。ちょっと聞いておきたいことがあったから来ただけだし、会議が終わってからでいいよ」
オーギュストにそう言うと、俺は会議を進めるよう促した。
セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】
恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】+1【赤の剣】【猿の腕】・0枚
セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚
エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚
アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚




