2052
ルバンの使いが領都にやって来てから数日が経った。
俺が街を見て回っていた二日目があちらこちらの組織が最も動いていた日で、それ以降は割と大人しかったそうだ。
もちろん、各ギルドには相変わらず商人たちが行ったり来たりはしていたそうだが、街中を大量の馬車が移動したり……なんてことはなかったらしい。
街中での情報収集はもうある程度落ち着いたし、後は商業ギルド関係だろうが……職人たちもいくら大人数で手掛けているからって数日で完了出来る量じゃないだろうし、そこら辺が片付くまではこのままかもな。
しかし、落ち着いているのはあくまで街中のことで、他だと慌ただしい場所もあった。
例えば、騎士団本部だ。
ただでさえ雨季明けの領内の見回りの通常任務に加えて、一の森や領地北部の調査で忙しいのに、さらにルバンの村の件も追加されたからな。
兵の任務の調整に必要になる道具の確保。
領都周辺だけじゃなくて領地全体に関わることだけに、魔導研究所や商業ギルドや冒険者ギルドとの連携も必要なため、地下通路を忙しそうに兵たちが走り回っていた。
そんな中、俺はのんびり地下通路を騎士団本部に向かって飛んでいる。
「セラ副長? 今日はこちらに御用ですか?」
地下通路の騎士団本部の入口側にやって来ると、俺に気付いた警備の兵が声をかけて来た。
いつもは通路の壁に槍を立てかけて、無手で直立しているんだが……今日は何かのファイルのような物を手にしている。
さらに、すぐ隣に簡素な机と椅子も置かれているし……受付代わりか?
とりあえず「そうだよ」と頷きながら、騎士団本部の様子を彼らに訊ねた。
「ここに来るまでの間だけでも、本部の人たちが忙しそうに走り回ってたけど……どんな感じ?」
「自分たちは今日はここの担当なので、直接関わりはしないのですが……忙しいそうですよ。こちら側だけじゃなくて、街の方にも出なければいけませんからね」
商業ギルドと冒険者ギルドのことだな?
まぁ……当たり前だが領都から外に出る者なんて、騎士団以外だと商人か冒険者だし、どうしたって商業ギルドと冒険者ギルドとも連携が必要だろう。
「街自体は先日に比べるともう静まってるみたいだけど、こっちはまだまだ大変みたいだね。……ところで、コレは?」
俺が机と椅子を指すと、兵たちが笑いながら答えた。
「受付です。普段ですと一階で記名をしてもらっているんですが……今日は忙しいようなので、地下通路から来る者はこちらで引き受けています。反対側もそうですよ」
「なるほどー……」
彼らがそこで受け付けも引き受けていたのは見たらわかったが、向こう側もそうだとは思わなかった。
こちら側は基本的に屋敷の者か魔導研究所の者しか使わないし、ある意味身分の保証はされているわけだ。
だが、向こう側はそうじゃない。
もちろん、商業ギルドだって冒険者ギルドだって地下通路を使える者は限られているし、怪しい者はいないんだが、それでも簡単に内部に入らせるようなことは出来ない……ってことで、しっかりと身元確認とかをしていたんだけどな。
これは俺が思っているよりも忙しいのかもしれない。
「団長かアレクか……どっちか暇な方に話をしに来たんだけど、難しそうかな?」
「リック隊長も含めて忙しいはずですよ。ですがセラ副長なら時間を割いてもらえるはずです。雨季明けの任務の件ですよね?」
「うん。いくつか確認しておきたいこととかあるからね。まぁ……大丈夫そうなら入らせてもらうよ」
今日俺が騎士団本部にやって来たのは、一の森の調査で同行する者たちについて確認するためだ。
装備に関しては兵たちも冒険者たちも心配していないが……彼ら用の回復薬の数だったり、運搬についてちゃんと話しておかないとな。
俺の言葉に彼らは「もちろんです」と言うと、中に入れるように扉を開けた。
セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】
恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】+1【赤の剣】【猿の腕】・0枚
セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚
エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚
アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚




