2051
冒険者ギルドと商業ギルドと商会の動きに加えて、各街の様子を伝え終えると、セリアーナは「ご苦労様」と言いながらも溜め息を吐いた。
「ウチの人間たちがルバンにいいように使われている気もするけれど……当の彼らもわかってはいそうよね?」
「そうですね。今まで領都に協力を仰ぐ場合は、前もって人を集めて丁寧に打ち合わせを重ねることがほとんどですからね。そうじゃない場合でも、商業ギルドや冒険者ギルドに人を送りますし……」
そう言ってエレナも溜め息を吐きながら苦笑している。
二人が言うように、本格的な協力が欲しい場合はもっと色々情報を提供してくるだろうし、今回はこっちで話題に出して貰えたらそれでいい……くらいなのかもしれない。
「まあ……今までのことを考えると、ウチから参加する者にはある程度便宜を図るくらいはするでしょう。南門の詰め所の兵たちは話を聞きに来た者に何も話さなかったのよね?」
「うん。もっとも……話を聞かれた兵たちも何も情報は持ってなかったみたいだけどね」
「情報の有無は構わないわ。自分たちでは話を聞き出すことが不可能だとわかったのなら、それを想定した行動をとるでしょう」
そう言うと、使用人たちに一度視線を向けた。
商業ギルドのお偉いさんなら、彼女たちを始めとして屋敷の人間からでも多少は情報を得ることが可能だ。
それが出来ない者だと、少々手間をかけてお偉いさんから聞き出さないといけないし、商業ギルドに加盟していない商会だと、そもそも面会することすら難しいだろう。
そうなると……現実的なところで、ルバンの下に出向いて自分たちで話を聞きに行くとかだろうか?
セリアーナが南門の兵のことを気にしていた理由がわかり、「なるほどねー」と頷いた。
しかし……そうなると。
「でもさ、ルーさんって簡単に会えるものなのかな? ただでさえ忙しそうにしてるけど……」
高位貴族ってわけじゃないが、それでも彼は立派なお貴族様だ。
そして、彼の村を守る兵たちの纏め役で、日頃から空いた時間には兵や冒険者を連れて巡回に出ている。
さらに、雨季明けには彼の村を訪れる船便の数も増えるだろうし、その中にお偉いさんがいたら、船を降りてすぐに領都に向かって出発したりせずに、一晩くらい村に滞在したりもするだろう。
当然、その際にはルバンと会談をしたりするはずだし、急にやって来た商人にわざわざ会ってくれたりするだろうか?
「大丈夫だよ。セリア様が言ったでしょう? 便宜を図るはずだって」
「む……そういうことね」
領都の人間を宣伝代わりに利用するけれど、その見返りとしてアポなしの面会にも対応する……ってことか。
もちろん、ルバンが何か言ったってわけじゃないけれど……これまでの彼の言動を考えると妥当なところだ。
「……なんならオレが伝令としてひとっ飛びしてこようかと思ったけど、その必要はなさそうだね」
いざとなればリーゼルに商業ギルドから質問書でも纏めてもらって、それを持って行こうと考えていた。
俺なら移動の負担は全くないし、アポなしで向こうに行っても面会は可能だろう。
果たして俺がそこまでやる必要があるのか……って気もするが、これから領内全体が忙しくなるんだし、向こうにもうちの商人たちにもどっちにも手間をかけさせるのは避けておきたい。
それなら……と考えたんだが。
「そうだね。ルバン卿を知る者ならそれは予測出来るだろうし大丈夫だよ。逆に、まずは彼に連絡をとって……と考える者は彼のことを理解出来ていないと判断されるだろうね」
エレナがそう言うと、セリアーナも「そうよ」と続いた。
「この件に関しては私たちが今出来ることはないわね。お前の調査に同行させるでしょう? それで十分よ」
どっち側の人間にしたって、必要があればセリアーナなりリーゼルなりにどうにかして話を持って来るだろう。
セリアーナが言うように俺たちが考えることはないってわけだ。
俺は「そうだね」と頷いた。
セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】
恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】+1【赤の剣】【猿の腕】・0枚
セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚
エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚
アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚




