2034
ウチの騎士団本部は、領内各地と定期的に報告をしあっている。
ルバンのところは外からのお客さんがよく利用する拠点でもあるし、領都に駐留する騎士団の予定を伝えるのも納得だ。
もっとも、俺が一の森の北側を兵と連携して見て回るって決めたのはつい最近だし、彼の方も随分急に決まったんだろう。
とりあえず。
「オレの方は別にいいけど……一の森に実際に入るのはオレだけだよ?」
兵も同行するが、彼らは森には入らない。
俺が森の中で戦闘した際に、外に出た魔物がこちら側に逃げないように仕留めたり、その戦闘の余波で外を荒らしてしまった際に均す役割だ。
彼が参加すること自体は構わないが、ちゃんと一の森の調査の訓練になるのかどうか……。
「どうだ?」
アレクが彼に訊ねると、彼は「構いません」と答えた。
「普段我々は魔境に近づくことがないので、領都の兵がどのように動いているかを経験するだけでも十分です」
「まあ……ルバンのところは街道の警備と、西の草原の警戒が主な役割だし、わざわざ川を越えて一の森には入らないよな。……そういうことらしいぞ?」
アレクは彼の言葉に笑いながら頷くとこちらを見た。
「ふぬ……魔境の探索経験は多くないみたいなのがちょっと心配だけど、ルーさんが選んだわけだしちゃんと戦えるだろうから大丈夫かな?」
一の森の魔物だと、こちら側の魔物とそこまで外見に差はないのに、結構強さには差があったりする。
気を抜くと一撃でやられてしまう……なんてこともあるんだが、彼のポジションだと一の森に入って直接戦闘をすることもないだろうし、ルバンが送り出すくらいなら新人みたいなミスはしないだろう。
確実に戦闘が起きるわけじゃないし、そもそも自分の部下でもないのに気にし過ぎかな?
アレクは肩を竦めると、笑いながら口を開いた。
「俺は参加出来ないが、隊の連中がいるし問題ないだろう。そもそも、ヘマをしてもコイツとルバンの責任だ。お前は気にしないで自分の任務に専念していいぞ」
アレクの言葉に同意するように彼も頷いている。
「あくまでいずれ行う調査のために慣れることが目的なので、二番隊の指示に従いますし、足を引っ張らないようにします。私のことはいない者として扱ってください」
「そこまで言う気はないけど……まぁ、それならいいよ。んで、どうするの? まだ出発まで日があるけど」
「そうだな。まずはお前に話を通すことを優先したから……コレからオーギュストに会いに本部に向かうかな。その後は兵たちと顔合わせだ。そういえばお前、宿はどうするんだ? ウチでも構わないが……」
アレクは今日のこれから片付ける予定を挙げていくが、彼の宿泊先がまだ決まっていないらしい。
距離だけを考えたら領都とルバンの村は一日で往復可能な位置だし、頑張れば今日中に戻ることが出来るかもしれないが……。
「ありがとうございます。ですが、宿はこちらに訪れる前に既に手配しています」
俺は彼のその言葉に「だよね」と頷いた。
どうやらルバンのところの冒険者が、ここのダンジョンを利用する時に定宿にしている所に部屋を取っていたそうだ。
全部片付くのが何時になるかわからないしな。
つい最近騒がせた南の街道周辺を日が落ちてから、一人で帰らせるのは流石に危険すぎる。
「もし時間に余裕があれば、村から領都に遠征している者たちと会って話をするつもりです。場合によってはその者たちに私共の調査を手伝ってもらいたいのですが……」
「ああ、お前のところの人間だしな。依頼を放棄させたりしなければ好きにしたらいいさ」
「ありがとうございます」
「よし……セラ、呼びつけて悪かったな。まだ一応屋敷の人間には今日のことは話さないでもらえるか?」
話はここで終わりのようだが……なかなか難しい注文を付けてくるな。
「……セリア様にも?」
「もし聞かれても、俺からまだ控えて欲しいと言われたと言ってくれ。なに……旦那様にも話が行くだろうし、夜にはわかるさ」
セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】
恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】+1【赤の剣】【猿の腕】・0枚
セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚
エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚
アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚




