2031
セリアーナたちの施療が終わってからも、しばらくの間はテレサも含む四人で話をしていたんだが、昼食を終えるとテレサは退席した。
折角なんだしゆっくりしていけばいいのにと思ったんだが、ジグハルトが早めに街に戻って来れるように、色々調整する必要があるらしい。
テレサに休んでもらおうとか考えていたのに、何だかんだで結局仕事を増やしてしまった気がするが……時間のある時に彼女にもしっかり施療をするってことで勘弁してもらおう。
さて、テレサは仕事に向かって行ってしまったが、セリアーナとフィオーラは今日はもう部屋でゆっくりしていた。
先程は運動がどうのとか話していたが、テレサが言ったように明日からにするつもりらしく、そのメニューについて話している。
戦闘訓練じゃなくて体を動かすことが目的だし、普段とは違った運動になるからな。
まぁ……フィオーラはともかく、セリアーナだって本職ってわけじゃないから後でエレナなりテレサなりの監修が入るんだろうが、思ったよりもやる気はあるようだ。
あのマッサージが余程痛かったんだろうか?
あくまで二日酔いの解消がメインだったから今日はやらなかったが、足ツボもやっていたら大変なことになっていたかもな。
今はセリアーナは俺を膝に抱えて施療を受けているし、フィオーラもソファーに座ってのんびりお茶を飲んでいるが……機会を見つけて足ツボもやろうかな。
運動のメニューを考える彼女たちを他所に、マッサージのメニューを考えていたんだが、ふとフィオーラが思いついたように別の話題を振って来た。
「そう言えば今日はエレナは来ないのかしら? 向こうはそこまで仕事は溜まっていないはずでしょう?」
昨日はアレクが帰還したこともあってエレナは自宅に戻っていた。
ただ、今日はどうするんだろうな?
ずっと街を離れていたし、アレクも自宅で片付ける用事くらいはあるんだろうが、一応彼が街にいない間はエレナが代理として動いていたから、ジグハルトほどは仕事は溜まっていないと思うんだよな。
セリアーナはフィオーラの疑問に答える前に、一度使用人たちに視線を向けた。
彼女たちのことを気にするってことは……加護でアレクたちの家をチェックしたんだろう。
セリアーナが答えるまで少々間があった。
「少なくとも、貴族や商会との面会は数日前にエレナが全部終わらせたはずよ。今日も来客があるようならアレク個人に用があるんでしょうね」
仕事というよりはプライベートのお客さんってことかな?
それなら別にエレナが一緒じゃなければ話が出来ない……なんてことはないだろうが、彼女たちにも仕事以外の付き合いは大事だ。
セリアーナもフィオーラもそのことがわかっているんだろう。
俺に呼びに行かせるようなことは命じなかった。
◇
今日はエレナはそのままにしておいて、俺たちも部屋でただダラダラ過ごす日にしよう……と何となく決まり、適当に二人の施療をしたり本を読んだりと気ままに過ごしていた。
昨日は多かったセリアーナへの面会の申請も散々断りまくったからなのか、今日は朝から誰も来ることはなく、邪魔をされるようなこともなかったんだが。
本を読んでいたセリアーナが「あら?」と本から顔を上げた。
そして、セリアーナがドアの方に視線だけ向けると、すぐにドアがノックされた。
誰か来たようだが……想定外の人間だったのかな?
首を傾げていると、対応していた使用人が「失礼します」と俺の前にやって来た。
「オレのお客さん?」
「はい。アレクシオ様からの使いです。こちらを」
そう言って伝言が記された紙を渡してきた。
「何々……? 話すことがあるから来て欲しい……と。簡潔だね」
今俺が読み上げた通りのことしか書かれていないが、それをそのままセリアーナに渡すと、小さく「ふう」と溜め息を吐いて俺を膝から降ろした。
セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】
恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】+1【赤の剣】【猿の腕】・0枚
セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚
エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚
アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚




