2026
風呂にはまずはセリアーナが。
そして、次にフィオーラの順で入った。
まぁ……風呂といっても、どちらも汗を流すために軽くシャワーを浴びただけだったので、普段の入浴時間に比べたらずっと短い。
二人ともササッと済ませると、部屋で軽い朝食を取っている。
俺はテレサの施療を再開して、彼女の後ろから二人の様子を眺めているが、シャワーを浴びてスッキリしたのか起きて来た時よりもさらに顔色は良くなっているのがわかった。
この分だと何もしなくても昼頃には体調は全快しているだろうが……折角だし、二人の食事が終わったら予定通り施療を始めるつもりだ。
だがその前に。
「二人の今日の予定は? その分だと何もなさそうだけれど……」
一応確認しておかないとな。
「私もフィオーラも今日は予定は入れていないわ」
セリアーナはそう言うと、溜め息を吐きながら自嘲気味に首を横に振った。
「だから昨晩は普段よりも飲んだのだけれど……失敗だったわね」
そのセリアーナを、フィオーラは苦笑しながら宥めている。
「私に付き合ってくれたものね。もし具合が悪いようなら薬を用意するわよ?」
昨晩何を話していたのかは知らないが……なんか二人が仲良くなっているな?
一緒に酔っぱらって恰好悪い姿を見せたからだろうか?
「いいえ、その必要はないわ。まだ少しだるさは残っているけれど……それもじき消えるでしょう。それで、セラ? 私たちに何か用なのかしら?」
「二日酔いみたいだったしね。久々に施療でもしてスッキリしてもらおうと思ったんだ。……もう体調は問題なさそうだけど、やるでしょう?」
「お願いするわ。向こうでかしら?」
セリアーナは即答すると、寝室に顔を向けた。
「いや、こっちでこんな感じで軽くやろうかなって思ってるよ。一々着替えたりするのも面倒でしょう?」
二人は俺の言葉に「そうね」と頷く。
「食事が済んでしばらくしたら始めるから、まぁ……ゆっくり食べてよ」
流石に食べてすぐだと二日酔い関係無しに何か影響があるかもしれないし、一休みしてからだな。
セリアーナとフィオーラは「そうさせてもらうわ」と言うと、止めていた食事を再開した。
◇
俺が行う施療にはいくつかのパターンがあるが、リラックスも兼ねた本格的な場合だと、相手にベッドで横になってもらいながら行うことが多い。
理由は俺が全身を目に収めた状態で行えるからだ。
狙った箇所に施せるから、依頼で行う場合はより確実性を求めてそうしていた。
もちろんもう慣れたもんだし、そもそも失敗したところで何か悪影響があるわけでもないから、先程まで行っていたテレサのように、会話がしやすいこともあって知り合いが相手の場合だと座ったまま行っている。
今回の二人もそうだ。
ってことで、食事を終えて一休みを終えたセリアーナの施療を、ソファーに座った状態で開始した。
セリアーナとフィオーラのどちらからでもよかったんだが、どんな話をしていたのかはわからないが、フィオーラが酒に付き合わせたこともあって遠慮しているのか、先にセリアーナから……となった。
ちなみに俺のポジションは、テレサの時と一緒で背後に回り込んでいる。
普段は膝の上に座って、そのまま全身に向けて発動しているんだが、今日は少し間を置いたとはいえ食後だし、一応……二日酔いの状態でもあるからだ。
お腹への負担は避けないといけない。
「んじゃ、始めるよー」
「ええ、お願いするわ……顔からなのね?」
「そうだよー」
俺がまずはセリアーナの頭に手を当てたことが気になったらしい。
二日酔いとかの場合だと内臓がある腹部から始めることが普通だからな。
もっとも、大した理由ではない。
「思ったよりも具合はいいみたいだしね。通常の全身に施すのと同じような手順でいいでしょ」
セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】
恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】+1【赤の剣】【猿の腕】・0枚
セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚
エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚
アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚




