2001 セリアーナ side 2
20日公開のはずが、予約の設定を失敗して公開されていませんでした……ナンテコッタ
セリアーナは集まった視線だけじゃなくて、身を乗り出してきたカーンたちが鬱陶しかったのか、振り払うように手を軽く振った。
気付いたリーゼルが苦笑しながら彼らを下がらせて、セリアーナに頭を下げた。
「済まないね。セラ君の様子が気になってしまったようだ。……続きを話して貰えるかい?」
リーゼルの言葉にセリアーナは小さく溜め息を吐くと、「いいわ」と頷いた。
「最近あの娘は魔物との戦闘以外……特に、大勢を相手に指示を出す役割が増えて来たでしょう?」
「そうだね。今は騎士団の幹部格が三人不在だし、その状況を考えたらどうしてもセラ君がそういった役割になってしまうね。それに、その件を抜きにしても、やはりリアーナで騎士団や冒険者相手に指示を出せる者となると……セラ君は外せないよ」
リーゼルの言葉にオーギュストも頷きながら続いた。
「今回は私も出ることが出来ましたが、普段は執務室か下の本部に詰めていますから、どうしても代わりに指揮を執る者も必要です。たとえ各隊長やジグハルト殿がいなくても、まだ領都にはテレサ殿がいますが……」
そう言って、オーギュストはテレサを見た。
「セラ副長が指揮より戦闘を行う方が得意なのは理解していますが、今日のようにテレサ殿が参加出来ない場合ですと、やはりセラ副長に頼らざるを得ません」
「冒険者ギルドも一応は騎士団傘下の組織ですし、少数の隊なら自分が率いることも可能ですが……大規模な任務ですと、どうしても箔が足りませんからね……」
さらにカーンも経て、リーゼルに戻って来る。
「リックすら不在になることは稀だけれど、アレクたちが街を不在にするのはよくあることだしね。そうなると、どうしてもセラ君に回ってしまうね。隊を任せられる人員を増やさなければ……とは考えているが、リアーナという特殊な土地だとなかなか難しい。他所からも人を募っているが……まだ時間はかかるだろうね」
セリアーナは彼らの話した内容に「そうね」と頷いた。
「ただ、それだけだと騎士団内の人手不足で話が終わるのよね」
「……違うのかい?」
リーゼルが三人を代表してそう訊ねると、セリアーナは首を横に振りながら「違うわね」と答えた。
「貴方たちはセラと普段から接していないからわからないかもしれないけれど、あの娘は人と関わるのはあまり得意じゃないのよね」
リーゼルもオーギュストもカーンも、セラと関わるのはほとんどが任務が絡んだ時で、日常の彼女の姿を見る機会はない。
セリアーナは改めてセラの普段の様子を彼らに説明し始めた。
もっとも、補佐や使用人などもいるため当たり障りのない内容になったが……それでも彼らには十分伝わったようで、三人は困惑したような表情を浮かべている。
「……彼女自身が何でも出来るだけに、部下に合わせて動く手間を嫌っているのかと思っていたが、少し違ったようですね」
「これまで僕から彼女に強制するような命令を出したつもりはないが……」
セリアーナは小声で話している彼らを置いたまま、さらに話を続ける。
「騎士団だけじゃなくて、リアーナの幹部格の働きが出来る者が少な過ぎるのよね。これまでも出来るだけセラには無理な仕事は回さないように気を付けていたけれど……そろそろ難しくなってくるわ」
「騎士団だけじゃなくて、外からの客をもてなせるだけの人材も足りていないね……。こればかりは育てようにも難しいことだし……」
リアーナは公爵領ではあるものの、まだまだ設立して数年の若い領地で、その領地を治めるリセリア家も同じだ。
王族と国内の有力伯爵家の長女が結婚した結果ではあるが、現状その両家から引っ張って来た人材くらいしかいない。
「爵位持ちを増やそうにも今年はもう無理ですものね。それに、成り立てではかえって軽んじられていると思われてもおかしくないわ。他所から集めるくらいしかないけれど……ウチもまだ新しい家だし、簡単にはいかないでしょうね」
皆もわかりきっていることではあるが、セリアーナはリアーナの人材不足を改めて口にした。
セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】
恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】+1【赤の剣】【猿の腕】・0枚
セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚
エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚
アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚




