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さて例によって夜の報告会。
セリアーナ、エレナは、雨で滞っていた領都からの流通の一日も早い再開をと陳情を受けたとか。
再開は街中と違って舗装されているわけじゃ無いし、街道の点検を終えてからになる。
領都からも点検の人間を出しているので道程は半分程度で済むが、それでも合流まで1週間ほどかかり、どこかに異常があれば補修作業を行うので、時間は更にかかる。
かと言って、無視して無理やり再開しても事故が起こる可能性もある。
セリアーナに話を持って来たのは、領主の娘であるからだが、こればかりはどうしようも無いし、リーゼルに丸投げしたとか。
明日以降の予定を見ても多分数日は同じようなのが続くだろうと、若干憂鬱そうだ。
んで、拠点候補地までの道の点検に向かっていたアレクは、特に問題無しと。
魔物も雨から逃れるべく移動していたのかまだ戻って来ておらず、冒険者ギルドの方でもしばらくは魔物は少ないはずらしい。
ただ、もうしばらくするとその戻って来る魔物達を追って強力なのが近くまで来るかもしれないから、その調査に向かうとか。
多分帰り際に支部長が何か言おうとしていたのはそれの事じゃないのかな?
しかし、もう冬なのに森に行かないといけないとは……ご愁傷様だ。
そして俺だ。
「街は何も問題無かったね。水路の水は多かったけれど、どこも溢れたりしていないし、街中でも大きく壊れたりした場所は無かったよ。ちょっと地面の状態が悪くて馬車が詰まったりはしていたけど、それくらいかな?」
「外の水路はどうだったの?」
「街の方と同じく溢れたりはしていなかったね。濁っていたし壁の外には出なかったから最後の方まではわからないけど……」
壁の外にも水路が掘られていて、少し離れた小川に流れる様になっている。
環境を考えるとどうなのかわからないが、その小川は街では使われない様になっているし、大丈夫なのかな?
「結構。浄化施設は街の拡張工事と合わせて造られるから、それまでは外の水路を使うことになるわ。冬は凍結もあるしお前にも何度か監視を頼むことになると思うから」
「はーい」
浄化施設か……。
大きい街には大抵あって、当然王都や領都にもあったが、外から見たことはあるが中に入ったことは無い。
外の水路をもっと広げて、それを曲げて貯水池の様な物を造りそこに建造するそうだ。
フィルターみたいなのを張って、それを一気に超高温で焼き切るらしい。
ちょっとパワフルだけれど、方法は間違ってはいないかな?
「あ、そーだ。今日冒険者ギルドで少し前の事をそれとなく聞いてみたんだけど、俺が会ったことある人でも気づかれなかったよ。街から居なくなったのは知られていたけど、謎の泥棒さんが攫ったって事になってるみたい」
西側はある程度自由に動けているが、教会のある東側にはまだ冒険者ギルド以外には近づかない様に言われている。
別に行きたい所があるわけでは無いが、昔いた時もあまり出歩いたりはしなかったから、どんな物があるのか少し興味があるんだよな。
辺境の街のそのまた裏町。
なんか変なのが置いてそう。
「そう……でも孤児院の人間というわけじゃ無いんでしょう?来なさい」
「ぐっ⁉」
座っているセリアーナのすぐ側まで寄ると、グイっと俺の顎を掴み顔を自分の方へ向けた。
そしてそのままジッと顔を見てくる。
「まだ面影があるからダメね」
「むぅ……」
駄目だったか。
「何か見たいものでもあったのか?」
「なんか変なのがあるかな?って……」
アレクにそう答えると、顎に手をやり何か考えている。
……あるのか?
「変なのか……ある事はあるが……お前向きじゃ無いな。商業地区の裏通りに革細工の店なんかがあったな。変わった物を探しているならそこなんてどうだ?」
「行った事無いね。今度行ってみるよ」
革細工か。
ちょっと面白そうだ。
しかし、東側の変な店……俺向きじゃ無いって事は酒場か娼館とかかな?
孤児院の出身者が居そうだし、そっちに近づくのは止めておこうかな。
セラ・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】・【浮き玉】【影の剣】【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】・3枚
セリアーナ・【範囲識別】・【】・35枚
エレナ・【】・【緑の牙】・3枚
アレク・【】・【赤の盾】【猛き角笛】・8枚




