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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
7章・いざルトル

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「あら、おかえりなさい」


「ただいまー。これお嬢様の部屋に出してよ。皆の分もあるからね」


買い物を終えた後屋敷に戻ったのだが、まず向かう先はセリアーナの部屋ではなく、使用人の控室だ。

買ってきたケーキを渡し、部屋に出して貰うよう頼んだ。


領都でもそうだったが、このあたりだと大規模な畜産は難しいようで、クリーム等の入手は難しい。

その分新鮮な果物なんかは入手しやすいが……お菓子はちょっとした贅沢品。

薬草採集で稼いだ分で、皆の分も買ってある。


「いつも悪いわね。お客様がいらっしゃっているからお茶と一緒に持って行くわね」


「よろしくねー」


そう言い、手を振り部屋を後にする。


ここで働く女性は、この街のいいお家の人間がほとんどだ。

彼女たち経由で俺の事を広める事も大事だ。


何かの役に立つかもしれないし、こそこそ根回しは続けている。

しかし客か……誰じゃろな?



「よう」


セリアーナの部屋のドアを叩く前に、アレクがドアを開けてきた。

自動ドアかって位のタイミングだが、セリアーナを含む中の誰かが俺の接近を察したんだろう。


「や。久しぶりだね」


彼はこの街に来てからすぐに点在するあちこちの開拓村を訪れて、そこを拠点にする冒険者達に指示を出したり連絡を受けたりしていた。

一見雑用っぽいが、何だかんだでリーゼル側の冒険者達とも顔を繋げているし、彼の将来の役に立つんだろう。


「んで、アレクが居るって事はお客さんは……」


部屋に入るとセリアーナとエレナの2人と、その対面に座る男女一組。


「おう」


「元気そうね」


ジグハルトとフィオーラだ。


「久しぶりだね。特にジグさんは」


この街に来た初日にあったフィオーラはともかく、ジグハルトはずっと出ずっぱりだった。

領都で別れて以来か。


「ああ……お嬢様が来た時に俺も戻って挨拶位はしようかと思っていたんだがな……」


「その男は私への挨拶より、魔物と遊ぶ方が大事なようよ」


言っている内容に反してセリアーナはそれ程怒っている感じはしない。

そんなもんだろうと思っているのかもしれないな。


「それよりも、セラ。寝室に着替えは置いてあるのでしょう?着替えて来なさい」


「はーい」


返り血なんかは浴びていないが、森の中を動いていたしな。

寝室ってわざわざ言ったって事は【隠れ家】はまだ2人には言わないのか。

体に草っぽい臭いが移っている気がするから、シャワーを浴びたいが……まぁいいか。



「お待たせ」


着替えはメイド服ではなく王都で作らせた甚平だ。

流石に子供だけあって、1年も経てば少しは成長する。

上下とも袖は七分丈だったのが、半袖になった。


ちょっと使用人との距離も縮まって来た気がするし、こっちでも新しく作ろうかな?


「首尾はどうだったの?」


空いていた席に着くとセリアーナが訊ねてきた。

一応彼女の指示でやっているから、成果は毎度報告してある。


「うん?袋一杯分取って来たよ」


「そう。ご苦労だったわね。」


「でも、結構厳しいね。今までは何度か魔物が近づいて来たことがあっても無視していたんだけど……今日は戦ってみたんだよね」


「お前、魔物は相手にしないとか言っていなかった?」


セリアーナだけでなく、アレクやジグハルトもこの話題に興味があるようで、身を乗り出している。


「たまたま2体のゴブリンを見つけて、向こうもこっちに気付いていたからね。その後オオカミの援軍があったのは想定外だったけど……。まぁ、それはそれとして薬草採集は問題無いし、森の浅瀬の魔物程度ならそっちも問題無いよ。ただ死体の処理がね。近くに他の冒険者がいたからお願いしたんだけど……オレが1人でやるのは無理だわ」


「浅瀬は狩りをしている冒険者は少ないのか?」


「うん。前の事は知らないけれど、今は皆もっと奥を目指しているからね。わざわざ浅瀬で戦っていかないみたいだよ」


俺の装備なら傘を除いて整備の必要は無いけれど、どんな強力な武具でも魔物と直接殴り合いをすれば傷んでいく。

今この街にいるクラスの冒険者なら、浅瀬の魔物なんかを真面目に相手していたらはっきり言って割に合わないだろう。

手伝ってくれた彼等だって、損失無しだから引き受けてくれたんであって、倒してくれとかだったらどうだったかはわからない。


「考えている事はあるけれど……その間をどうするかね」


話を聞いたセリアーナがそう呟いた。

そこら辺の事を考えてはいる様だけれど、結局は人手の問題だしな……。


どうするんだろう?


「お茶をお持ちしました」


会話がひと段落した頃、買って来たお菓子とお茶をメイドさんが持って来た。

うん……まぁ、制度作ったり人動かすのは俺のやる事じゃないし、考える事は任せておやつタイムだ!

セラ・【隠れ家】【祈り】【ミラの祝福】・【浮き玉】【影の剣】【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】・10枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・35枚

エレナ・【】・【緑の牙】・3枚

アレク・【】・【赤の盾】【猛き角笛】・5枚

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― 新着の感想 ―
[一言] またこのタイミングでジグハルトか! 楽しみで妙にワクワクしてます!
[一言] 10枚揃ったとたんに現れるジグハルト(笑)
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