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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
6章・領都も色々面白い

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昨日リーゼル達はルトルへと出発し、それと合わせて領都に滞在していた冒険者達も一緒に移動を開始した。

と言っても、冒険者全部が移動するわけでも無く、元々領都で活動をしていた者達や、ある程度情報が出揃うのを待つ者達でまだまだ通常時よりも混み合っている。


「やっぱ中層かな……」


個人的には上層に出るオークが一番狩りやすいんだけれど……まだまだこの辺は冒険者が多い。

前回通路の突破は達成したものの、突破自体が初めてだったし、慎重に行き過ぎたって事もあったかもしれないが、オーガの思わぬ知性の前に撤退する事になった。


無理をする気は無いが、今日はもう少し粘ってみたい。

前回は6体だったから、1体増やして7体が目標だ!


決意を新たにしたところで、通路にやって来た。

天井近くを移動するだけだし、ここまでは簡単だ。


「出たな……!」


アイテム各種を発動した状態で通路の3分の1程を進んだところで、オーガの反応があった。

変わらず2体で組んでいる様で、近づく俺に気付き投石の用意をしている。


背中に背負った傘を手に持ち開く。

前回ダンジョンから帰還した後しっかりと確認してみたが、素材が良いだけに傷一つなかった。

使い方はあれで良かったんだろう。


「よしっ!」


一気に加速し、適当に回避運動を取りながら破片を傘で防ぎながら通路を突き進み、後数メートルという所で傘を閉じ、さらに加速し右側に狙いを付けた。


「ふっ!」


初手は正面から蹴りを当て体勢を崩させ、その場で横に4分の3回転しながら首を刎ね、更に左側のもう1体にも同じコンボを決めた。


「来ないな……」


アカメに地面に落ちた頭に潜らせ核を潰している間、奥にいるオーガを観察しているが、他の投石組も含めて、こちらに気付いているようだが動く様子は無い。

前回はこの時点で既に上昇していた事で、何となくボスに意識されてしまっていた気がする。

上に行ったのがまずかったのかもしれないな。


さて、今日のオーガ達。


一番強いのが中央で、その周辺に他より強いのが位置している。

上から見下ろす形でないから数えにくいが、18体いる。

既に2体倒しているから、20体の集団か……。


まぁ、変わらんか。

とりあえず端から行こう。


そう決め、ぐるりと大きく回り込みながら、近づいて行く。


「ぬーん……」


前回は初手で警戒された上に、投石組に時間を取られ過ぎて、陣形を敷かれて攻める事が出来ずに撤退することになった。

今回は気付かれてこそいるが、まだ無警戒だ。


ただ……、単純に数が多い。

陣形云々関係なく、あそこに突っ込むのはちょっと勇気がいる。


広間の3分の1程回り込んだところで移動を止めた。

これ以上行くと投石組の間合いに入ってしまうが、考えてみれば悪い位置じゃない。


まず正面に通常のオーガが3体いる。

その奥に強めの個体が……こいつらの事はチーフと呼ぼう。

チーフが1体。

投石組も視界の端にだが収めることが出来る。


「よし……行ったれ!」


まずは正面からだ!



「ふっ!」


5メートル位の距離まで近づき、そこから急加速し蹴りを繰り出し、回転切り。

そして、アカメが宙に浮いた首に潜り核を潰し、空いたスペースに入る。


このコンボが確実だ。


今ので2体目だが、まだオーガ達に大きな動きは無い。

投石組の1体が石を投げて来ているが、牽制程度で今一やる気を感じない。


行けるか?


「たっ!」


正面3体の残りの1体に先程から繰り返しているコンボを繰り出し、無事1角を崩すことに成功した。

この調子で投石組も……っ⁉


「ぬあっ⁉」


ほんの一瞬だが、奥に目をやり視線を切った瞬間にチーフが接近し腕を伸ばしてきた。

叩きつけようとか薙ぎ払おうとかならともかく、掴みかかって来られたのは初めてで、思わず上に逃れてしまった。


「あ」


上昇した事で、ボスと目が合い、そしてボスは広間全体に響き渡る咆哮を上げた。


これは駄目だ……俺は何でもかんでも上に逃げようとする癖があるかもしれないね。

セラ・【隠れ家】【祈り】【ミラの祝福】・【浮き玉】【影の剣】【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】・3枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・31枚

エレナ・【】・【緑の牙】・2枚

アレク・【】・【赤の盾】【猛き角笛】・5枚

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― 新着の感想 ―
[気になる点] アレクはリーゼルと一緒の出発ではなかったのかな? セラは屋敷に詰めているって話だったけど
[一言] 前回の続き、髪ふさふさエピソードは省略なんですね。ちょっと読みたかった。
[一言] 魔法も使わないと
感想一覧
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