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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
6章・領都も色々面白い

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右腕を振りかぶり突っ込んできた先頭の左側をすり抜け、ついでにその背中に蹴りを入れ、右端の1体に狙いを付けた。

中央と左端のオーガもそれを察知し、こちらに来ようとしているが、俺の方が速い。


「ていっ!」


上から叩きつけようとする腕を、低い位置から後ろに回り込む様に躱し、膝裏を強く蹴りよろけさせる。

片足だけれど、所謂膝カックンの様になり、体勢を崩し後ろに倒れたところを、すかさず核を貫き仕留める。


「ふぅ……っおわっ⁉」


まず1体を倒したと思ったら、一息つく間もなく最後尾にいた1体が石を投げて来た。

端っこにではあるが、視界に入れてあるから避けること自体は難しくないが、これはちょっと気が抜けない。

さっき蹴りを入れた先頭も、起き上がっている。


一旦上に逃れ仕切りなおすが、俺から目を離さずヤル気充分の様だ。


【緋蜂の針】はダメージこそしっかり入るようだが、一発蹴った位じゃ倒せない。

硬い皮膚にその下の厚い筋肉で、衝撃を防ぎ切ったのがわかった。

頭でも狙えば別かもしれないが……それは難しそうだ。


【影の剣】は通用しているし、今の様に足を狙って、体勢を崩してから核を狙うってのが確実だと思う。

直接核を狙うってのも出来なくは無いだろうけど……、腕を振り回されるとちょっと危ない気がする。


残り4体。

広間の奥に目をやると、こちらを見てはいるがまだ戦闘に加わってくる気配は無い。

数が減って状況が変わればまた違うかもしれないが、今のうちに倒せるのは倒してしまおう。


さっきは、最後尾の1体が投石で牽制し、先頭の1体が正面に立ち、そして中の3体が取り囲もうとしてきた。

まぁ、最後尾からの投石を避け正面に立ったオーガを蹴倒してから、回り込もうとして来た中から端の1体を倒すことでその目論見を潰したが、今まで戦ってきた魔物とはだいぶ違う。


他の魔物も時間差や、囲んできたりはしていたが……やりおる。


ノリだけで突撃しないように気を付けねば!


「っ⁉」


俺が浮いたまま動かないのが気に入らなかったのか、先頭の1体を除き3体で投石を仕掛けてきた。


【妖精の瞳】で見ているが、力に大差は無い。

どれから狙っても一緒だろうし、お次は最後尾から狙っていこう。



「ほっ!」


必殺技っぽいポーズで放った蹴りがオーガの胸に刺さり、仰け反ったところに追撃で核を貫く。


今のが投石組の最後の1体だ。


10分位かかっただろうか?

5体を相手取ったとはいえ、中々手こずらされた。

もっとも、1対1なら今の様に蹴って刺してと、2発で倒せる程度だが……。


問題は奥の方にいる残りのオーガ達が、遠巻きにずっと戦闘の様子を観察している事だ。

今まで俺が戦ってきた魔物は、襲ってくるか逃げるかだったが、様子見してくるのは初めてだ。

いつ参戦してくるか気を張っていたのだが、結局投石組を倒しきっても何もしてこなかったし……、何ともやりにくい。


さておき、仕切りなおそうと再び天井付近まで高度を上げ下のオーガ達を見下ろすと、多少布陣が変わっているのがわかった。


「魔物が陣形なんか敷くなよ……」


少し時間をかけ過ぎたのかもしれない。

しっかり待ち構えられている。


俺から一番離れた場所に大柄の個体、恐らくこの集団のボスが位置取り、Vの字を逆さにした様な陣形を取っている。

鶴翼だっけ?

あんな感じだ。


まぁ、獲物を囲い込みやすいからあの形を取っているのかもしれないが……、いざああも構えられると近寄りがたい。


アカメもさっきの5体のうち1体を倒していたし通用はするんだろうけど、流石に1人プラス1匹であそこに突っ込むのはアホ過ぎる。


中層でのオーガについて調べてはいる。

通路の突破の仕方と戦い方の資料があったんだが、大人数で、それも時間をかけず速攻で討伐する事を前提とした戦い方で、1人で時間をかけて戦うってのは無かったからな……。

陣形を敷くなんて想定外だ。


ちょっとオーガさんを甘く見ていたかもしれない。


「……帰るか」


聖貨は1枚ゲットしてあるし、無駄にチャレンジする必要は無い。

撤収撤収。

セラ・【隠れ家】【祈り】【ミラの祝福】・【浮き玉】【影の剣】【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】・3枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・30枚

エレナ・【】・【緑の牙】・2枚

アレク・【】・【赤の盾】【猛き角笛】・5枚

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― 新着の感想 ―
[一言] かなり強敵なオーガたちだけど、閃光さんたちがブッパして一撃なんだろうなー
[一言] 無茶はするが無理はしない
[一言] 無駄に知識をつけたオーガを他人に押し付けている。 ……あれ?対個人戦用の知識は他のパーティーには関係ないな。むしろ有利に戦えそうだな。 無駄な知識をつけたオーガを他人に献上している。だなww…
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