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「アカメが魔物を倒した?」
例によって夜の報告会。
アレクの相変わらず続けている勧誘の報告が終わり、俺の番となりアカメの事を話した。
じーさんに聞こうと思っていたが、タイミングが合わずに結局夜のこの場でとなったが、まぁ、問題無いだろう。
「うん。直接見たわけじゃ無いけど、多分アカメがやったんだと思うんだ」
「アカメを見せてくれるか?」
アレクに見える様に手のひらに呼び出す。
「……見た目に変化は無いな。確か核を潰す時に目が光るんだよな?」
「うん。それそれ」
契約後もアレクとは何度かダンジョンに潜っているから、彼はそれを見た事がある。
「「潜り蛇」ってのは警戒心が高く、すぐ逃げる事から倒す事こそ難しい。魔力に干渉して魔法の妨害をしてくることもあるそうだが、攻撃能力自体はほとんど無いはずだ……。あくまで倒すことが難しいだけで、強敵というわけじゃない」
アカメをジロジロ見ながら「潜り蛇」の特性を語るアレク。
俺もそれは契約する時に教えてもらっている。
あまりわかっている事は少ないが、魔王種等の強力な魔物に住み着くと一気に厄介さが跳ね上がるものの、基本的に単体だと害の無い魔物だ。
「指示は聞くんだよな?」
「うん。ほら」
両手を広げ、左右を行き来させてみせる。
「ふむ……。ダンジョンの魔物は核があるから、それを潰しさえすれば力が無くても一撃で倒せる。それを理解したんだろう」
「危険は無いのね?」
「ええ、大丈夫でしょう。従魔は主の狩りを手伝う事もありますし、問題無いと思います」
「そう。ならいいわ。何か異変があれば言いなさい。いいわね?」
「はーい」
自分の話が終わったのがわかったのか、また服の中に潜るアカメ。
うん、賢い子だ。
俺の報告はそれで終わり、セリアーナの番だ。
といっても、大したことは無く、明日の予定を話しそれで終わり。
後は適当にお喋りだ。
「セラ、お母様に【ミラの祝福】を使ったそうね」
「うん。朝ダンジョンから帰った時に部屋に呼ばれて頼まれたんだ。まずかったかな?」
「いいえ。問題無いわ。いつも通りなら後4日かけるのかしら?」
「そのつもりだよ」
今日両腕を終えたから、頭部に胴体、片脚ずつで4日だ。
「お前は家の中での金銭のやり取りが好きじゃ無いようだけど、ちゃんと報酬は貰うのよ?」
「はーい。何にしよう?」
「折角王都に居るのだから、ゼルキスでは手に入らないものにしておきなさい」
うーむ……難しいな。
「あ、そういえばさ……」
「何?」
「旦那様達っていつ頃までいるの?」
アイゼンは来年の学院生活を終えるまで、王都に残るわけだけど、親父さん達は元々セリアーナの婚約発表の為に王都に来ている。
普段はゼルキスなんて国の端にいるから、王都にいる間に普段会えない人に会っておこうってのはわかるけれど、何だかんだでもう3週間近くになる。
それでも帰るって話は聞かないし、いいんだろうか?
「冬の2月までいるわ。私達と一緒に戻るのよ」
「へー……」
3ヶ月近く領地を空ける事になるけど大丈夫なのかな?
「大丈夫よ」
疑問が顔に出ていたのか、セリアーナが答える。
よくこういう事があるけど、俺って顔に出やすいんだろうか……?
「この期間領地を空ける事は前々からわかっていたことだし、ちゃんと準備をしているわ。叔父様方や代官達もいるんですもの。むしろわざわざ王都にまで出てきて、何の収穫も得ずに短期間で戻る方が問題だわ」
「ほぅ……あ、オレ達も冬の2月に戻るんだね?」
「そうよ。第2週に出発するわ。お前もそれまでの間に王都での用を済ませておくのよ?」
「はーい」
あと2ヶ月ちょっとか。
なにすっかなー?
セラ・【隠れ家】【祈り】【ミラの祝福】・【浮き玉】【影の剣】【緋蜂の針】【妖精の瞳】・17枚
セリアーナ・【範囲識別】・【】・29枚
エレナ・【】・【緑の牙】・2枚
アレク・【】・【赤の盾】・4枚




