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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
5章・王都で色々ザックザク

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「行くわよ」


「はーい」


部屋を出て行くセリアーナと荷物を持つエレナ。

そしてスタスタ歩く2人をやや小走りで追いかける俺。


王都の屋敷でここ1週間お馴染みの朝の光景だ。


「今日は遅れなかったわね」


「ふん!」


揶揄うように言ってくるセリアーナに胸を張って答える。

いつも浮いていたから気づかなかったが、この屋敷の階段って、1段あたり結構な高さがあるんだ。

急いでいるからといって、ポンポン下りると躓いてこけそうになってしまう。

だから手すりに手をついて降りていたのだが、流石にコツをつかんだようで、今朝は無事駆け下りる事に成功した。


まぁ、胸張る様なことかは疑問だが、一つ成長したという事にしておこう。


「おはようございます。セリアーナ様」


玄関を出ると既に護衛である親衛隊隊員が待機し、門前には馬車が見える。

今日はヴィーラさんとは違うもう一人の方。

エイラ・サリオンさんだ。

ヴィーラさんの後輩と言っていたから30歳位だろう。

金髪のポニーテールと鋭い目つきが特徴の女性だ。


「ええ。おはよう」


挨拶をしている2人の隣を抜け、まずは俺が馬車に乗り込む。

俺が馬車の内部を確認し安全を確保してから、セリアーナが乗り込み、その間エレナと親衛隊の隊員が背中を守る。

普段は御者が中を確認するが、今は俺がいる為この順番だ。

降りる時はその逆。


中々の徹底具合だが、万が一襲撃でもされたら、セリアーナにとっても王家にとっても失態になるし、そこは譲れないそうだ。

かといってギチギチに守りを固めても、臆病ととられかねないしで、難しいらしい。

そんな訳で、丁度ダンジョン探索を休止中の俺もいないよりマシだって事で、学院へ同行している。


どうにもね……アレクに質問に行くのは怖いようで、俺にばかり寄ってきて困っていたんだ。


開拓に参加するだけなら特に資格など必要ないが、やはり領主と繋がりがあると箔が付く。

冒険者にとってのゴールの一つ、地元の顔役になれる絶好の機会だし、専属になれる可能性も出てくる。

やらかした「ラギュオラの牙」がその位置にいると聞いたんだろう。

がっつく気持ちもわからなくはない。


わからなくはないが、俺に言われても知らんとしか言えないから、しばらく俺はこっちと行動する予定だ。



貴族学院は市井の学び舎と違い、所謂お勉強をする場所ではない。

ここに通う生徒はそういった事は既に家庭教師に教わっている。

ここで教わる事は、貴族としての立ち居振る舞いや、他国のマナー、常識等が中心だ。


学院は春の1月から冬の1月まで。

今は秋の2月で、残りは2ヶ月そこらだ。

もう終盤といっていい。


この時期に教わる事は、各国の婚約儀式や結婚マナーだ。

貴族にとってお家存続に成り上がり、果ては外交にと、とても重要な事でしっかり時間を使って学ぶそうだ。


そしてその重要なうちの一つ、婚約を盛大に行った者が既に1人いる。

我らがお嬢様だ。


大抵どこの国でも、作法は細かい部分に違いはあっても、大体はその国の王家に倣っている。

セリアーナは王家に嫁ぐわけでは無いが、王族と婚約をした。

メサリアにおける正統なマナーを教わったことになる。


普段は王族、もしくはそこに近しい者が行うそうだが、リーゼルは違うクラスだしこのクラスはセリアーナが行っている。


所々「オホホ」とか交えながら。


「なんつーか……俗っぽいよね」


「お嬢様は注目されるのを厭わないからね」


思わず漏らした言葉にやや苦笑しながらエレナが答える。


同じ部屋の後ろに俺達従者の席もあり、皆真剣な顔でセリアーナの話を聞いている。


この学院に通えるのは男爵以上の子供のみだが、これなら卒業生を名乗る事は出来ないが、同等の知識を得る事は出来る。

いわば聴講生の様なものかもしれないな。


従者といっても一生付き従うわけじゃないし、ここで得た知識をもとに家庭教師なんかも出来そうだ。

商会主等の裕福な平民相手に需要はあるだろう。


そしてこのノリノリで講義しているセリアーナの話も伝えられるのかな……?

まぁ、楽しそうだからいいか。

セラ・【隠れ家】【祈り】【ミラの祝福】・【浮き玉】【影の剣】【緋蜂の針】【妖精の瞳】・16枚

セリアーナ・【範囲識別】・【】・28枚

エレナ・【】・【緑の牙】・2枚

アレク・【】・【赤の盾】・4枚

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― 新着の感想 ―
[一言] 最近ガチャ回してないなーと思いつつ、貯めに貯めて、連続もいいですね。 でもやっぱり回して、新アイテムや、新スキルがでるのが楽しみです。
[一言] 結構面白くてこの作品好きだからこれからも更新頑張って下さい∩^ω^∩
感想一覧
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