表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
人類滅亡の最後の鍵は今ここに  作者: ひまなひと(カニ3隊)


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

5/23

5話

 そして、二週間が経過する。それまでは森には入らず、周りの小動物を殺すことで小銭を稼いでいく。その日はやってきた。森から1匹のゴブリンが現れ、ニタッと笑みを浮かべるのだった。それはまるで獲物を見つけた時の目だ。


 今まで殺してきた小動物は、自分達から見て下位的な存在、言い換えると捕食対象だったということだ。捕食者から、捕食対象として見られることへの恐怖から足がすくむ。ガタガタと歯を鳴らしながら恐怖で震えるものもいるくらいだ。そんな、中アルが立ち向かうのだった。


「俺を放置して、先に家に帰れ!」


 ここは俺に任せて先に行けの亜種がここで現れるのだった。ゴブリンが森に出てくる状況、それはキング種の出現と同じ意味だ。そのことは知っていたようで、それを伝えるために行かなくてはならない。誰かがしんがりを務める必要がある。そして、門番のところにたどり着くのだった。


 あとは任せたと言った後には、森の中からさらに複数体のゴブリンが出現する。それがアルを襲うのだった。何体か殺すほど善戦するものの、スタミナ切れだ。誰かが武器を流通させていたのか、装備は初心者とはかけ離れている。


「もう、門番のところについた頃だな・・・。俺もそろそろ退却するか」


 下がろうと引き腰になっていた時だ。ゴブリンが急な攻撃を仕掛けてくるのだった。今までは、適当に武器の能力を使わずに振り回すだけの攻撃だったのが、本気の振込みによる袈裟けさ斬りだ。アルの持っていた武器は折られ、その体に大きな傷がつけられるのだった。そこから大量の血が噴出し、スプリンクラーのように広がる。力や魂が抜けるように地面に倒れ込むのだった。これがちょうど残りの3人が門番に着いた頃の出来事だった。


 キルは新たなスキルを手に入れたのだった。それは感覚的で一瞬でわかるものだった。手に入れたスキル、それは生者感知だ。通常であればアンデットが持っており、生き物全てを感知すると言うものだ。目元を覆い、鼻水を啜る。そして肩を震わせるのだった。


「早く助けに行かないと、アルがアルが!」

「何があったのかお兄さんに聞かせてみな?」

「森から、森からゴブリンが!」


 微笑ましいものを見ていた兵士の目つきがキリッとしたものに変わる。


「一旦、お家に帰りな、お兄さんが連れてくるからね!」


 そう言いながら走り出すのだった。無気力な少年少女は、その悔しさから新たな力を得るために、魔物撲滅を掲げ奮闘する。そんな物語になるはずだった。

ファーストダウン

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ