21『ストーミング・アイズ』で強いビルド・弱いビルド
・間違いなく強いビルド
◎常人アタッカー(ジョーアタ)
意志のうち【常人】のヘイトはとても上がりづらいため、火力を出しても相手に攻撃ターゲットにされることが少ない。そのため、攻撃を主体に活躍するジョブを習得したいときは、意志を【常人】にすることが限りなく正解に近いとされる。ただし、パーティーではなくソロで活動する場合はこの限りではない。
◎双盾バランス型編成(たてたて/ダブシ)
ふたつ以上の盾を装備して、ステータスのうちでも「防御」を参照した技を主体に戦うビルド。ひたすら固い防具を装備するだけでいくらでもダメージが上がっていくため、ほとんど何も考えなくても済む。重い防具は「筋力」が高くないと装備できないため、ステータス傾向がばらけたり、その他の命中や抵抗力がおろそかになったりといった弱点が生じることがある。
◎ゴリラ賢者(塔ゴリ)
それなり以上の物理ステータスを誇る【賢者】の意志と〈格闘家〉の組み合わせ。装備できる防具が軒並み弱い〈格闘家〉だが、「賢識」を上げることで魔術や状態異常への抵抗力が増していく。そして【賢者】は賢識がもっとも上がりやすいため、どこにも隙のないコンボが自然に完成する。問題があるとすれば、リアル格闘スキルがそこそこ必要になることか。
◎ドブカス戦法
NPCから偏見の目で見られがちな〈呪術師〉のビルドの中でも、倫理上最悪のやり方。ゲーム内でやっていることなので、好感度以上の問題はない。
独自システム「呪詛/呪怨」を中心にした〈呪術師〉には、パーティーメンバーの中で「呪怨」を移動させるスキルが存在する。この呪怨は、一定条件のもとで「怨霊」に進化し、所持者に抵抗不能の被害をもたらす。これら怨霊を大量にストックして敵対者にぶつけ、呪殺することを「ドブカス戦法」と呼称している。呪怨への耐性は存在しないため、現状では最強の攻撃手段とされている。
この「怨霊をストックする」までの過程に問題があり、呪われた品物を集めて込められた呪詛を抜き取るだけならまだしも、純粋な霊魂を穢して怨霊に変える、死者の魂をいくつも混ぜ合わせて自我を消失させるなど、危険極まりない方法も考案されている。ドブカス呼ばわりされるのも致し方なし。
◎【使徒】×〈治療師〉(しとひら)
職能に応じた強制クエストが毎日発布される【使徒】で、もっとも簡単に強くなる方法。短時間のバフやちょっとした治療を必要とするNPCは山ほどおり、毎日こなしてもクエストの対象が尽きることはない。それはそれで心配、として心を痛めるプレイヤーも多いが、毎日モンスターを狩ったりいつまでも同じアイテムを納品するよりはマシか。
・罠だったビルド
■無限リリープ
クールタイムを極限まで短縮した移動系剣技で、ポップした敵を連続で瞬殺して最速で稼ぐ方法。サービス開始当初は最強のスタイルとされていた。当然のことではあるが、一撃で倒せるモンスターが無限湧きするマップなどあるわけがなく、徐々に廃れていった。
このスタイルは、〈剣士〉のパッシブスキル〈刃に懸ける〉のテキストに「武器のスキルレベルが上がると、武器適性が上昇する」と書かれていたため考案された。「この文言は装備しているものすべて=時計にも反映されるのでは?」という疑惑により、いずれは時計の特技〈セット・スタンダード〉(≒時止め)にも対応できる可能性がある、という流言も拡散され、より広まった。残念ながら〈刃に懸ける〉の効果は剣系統武器のみ、二段階上昇にとどまる(これでもすさまじく強い)と判明して、本格的にブームは終わった。
■【愚者】×〈剣士〉(バ剣/馬券)
むやみに敏捷・器用が上がる【愚者】と、やや打たれ弱いためなにがしかの回避能力が欲しい〈剣士〉を合わせたビルド。敏捷・器用を参照する剣技によってそれなりに火力は出るものの、打たれ弱さが狙われやすさと負の相乗効果を発揮してしまい、「そんなに避けられないのに狙われやすくて落ちやすい・別に火力も出ない剣士」という微妙の極みが完成してしまった。「馬券」のあだ名は「当たる方が少ない、当てられるやつはたぶん別の理由で強い」から来たもの。
■ゴーレム量産戦法(赤ゴ/育児)
生産職でも強くなれる方法として、〈錬金術師〉や〈傀儡師〉で木製のゴーレムや人形を量産して戦わせるとよいのでは、として考案された。材料費がかかりすぎるうえに初期戦力としてはやや心もとなく、レベルアップする前に死亡してしまう事態が相次ぎ、机上の空論として潰えた。
……はずが、サブキャラとして金属製ゴーレム(主に灼銅や血鋼)を三体ほど操るところから始めると、木製ゴーレムや人形により強い攻撃を行わせるなど、役割分担も加味して徐々にプラス方向に持っていけることが判明した。別名の「赤ゴ」は、固くて頑丈な木材や、攻防両方に優れたゴーレムを作るのに向いた金属がだいたい赤いことから来ている。「育児」は「赤ゴ=赤子」もしくは「子供が育つ前に無理させるものじゃない」「親がしっかりしてないと子供が死ぬ」から来ているらしい。それは確かにそうだが、人の心……
・無理ゲー
×六つ道具
いくつもの武器を同時に装備状態にできる〈道化師〉のフルパワー状態。つねにいくつもの武器をお手玉しながら、手元で使っていない武器のことも考えなければならないため、ふつうの人間にはどうやっても使いこなせない。ある配信者の辻映りさんが方法を解説した動画があるが、まったく参考にならないと評判。だが再生数は良好。
×タクト物理運用(俺タク/折れタ)
召喚に使う「指揮棒」カテゴリの武器を頑丈な素材で作り、刺突・打撃に使った運用。別のジョブと武器で刺突・打撃の特技を習得しなければならないうえ、「指揮棒」カテゴリを装備可能なジョブは基礎ステータスが壊滅的に低いため、塵芥レベルの火力しか出ない。もともとの耐久値も低いため簡単に折れるタクトを指して、「俺タク/折れタ」という、結果を端的に示した名前が付いた。そこそこ高額な「指揮棒」カテゴリ武器をただ折るだけで終わり、ジョブの方向性も迷子になって、ほんとうにただひたすら損しかしないので、真似をしてはいけない。
■厳禁・禁忌
【使徒】×モンスタージョブ
グノーシア正教会が固く禁じている組み合わせ。見つけ次第、化け物じみた強さの処刑人が山ほど襲いかかってくるため、キャラ削除をしなければならなくなる。貴重な「魂の魔石」を失うだけで何ひとつ得をしないので、やる意味はない。処刑人に勝っても何か得することはない。
「■■】を封■」(?)
(紙片の保存状態が劣悪で判読できない。文字のある場所のみ記す)
向■■側の【■■】を意■■■■封/
■■■を呼■/
いつも、見ているのです。抗ってはなりません。
目と目を合わせて/




