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香月よう子さまと連歌
ある日の昼 ふとこぼれた溜め息
「若い娘っていいわね」と
妬ましげにつぶやいた私に
「歳を経るのもそんなに
悪いことじゃないわよ」と
私と同じ歳の彼女が言った
アイスティーのストローを
もの憂げに掻き混ぜていた
私の指が一瞬、動きを止め
ふと溜め息がこぼれる ある日の昼
ある日の昼 ふとこぼれた溜め息
優美な指がアイスティーを
憂いと色香を掻き混ぜている
赤い唇を艶めかしく動かし
私と同じ歳の彼女が呟いた
「若い娘っていいわね」と
「歳を経るのもそんなに
悪いことじゃないわよ」と
声へ羨望を乗せないよう私は言う
隣の芝生はかくも青い
ある日の昼 ふとこぼれた溜め息




