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はぁ。異世界転生ですか・・・。  作者: まるくす
第2章『学校生活』
27/30

第25話「親睦」

 俺とソフィアは宿屋に着いた。

 ちなみにこの宿屋は、年季が入っているように見えるが改修しているらしく、そこそこきれいであった。

 

 俺はシャルがまだ待っているだろう部屋の前に立って、そのままノックする。



「あー、シャル?起きてるかい?」


 俺がそう言うと、扉が半開きになってシャルがひょっこり顔を出した。

 シャルと目が合う。

 

 俺とシャルは身長がさほど変わらないが、シャルは上目遣いになっていた。

 そしてその顔からは、なんとも申し訳なく、俺に対してどう接していいか分らなそうな気持ちが(うかが)えた。

 不謹慎だが、顔の出し方とその表情でシャルがいっそう可愛く見える。



 しかし、シャルは俺がそんな呑気な感想を抱いているとは知らず、重々しい雰囲気で俺の顔を直視できないのか、下を向いて呟いた。


「あ、クリス・・。あの、その、私、ごめんね・・。」


 俺はそのシャルの様子を見て、思考を真面目に切り替えた。

 そして、シャルに余計な思いを抱かせないように軽く微笑んで言った。

 

「大丈夫だよ、今朝のことは俺も気にしてないから。それよりさ、こっちこそ強引に気絶させちゃったけどシャルは大丈夫かい?」


 俺としては、次からシャルがあんな行動を自重してくれればそれでいいのだ。

 シャルは元々、物わかりのいい子だ。

 それに、この様子から反省の色も見えるしな。

 そう考えると、気がかりなのは俺が使った《静寂ノ雷(電気ショック)》の影響ぐらいだろう。



「うん・・。大丈夫だよ。」


 しかし、シャルはそう言いつつも元気がない。

 昨日の様子と比べると、違いは一目瞭然だ。

 はやり自分のしたことを気にしてるのだろうか。 



 うーん。

 しかしまぁ、今朝の一件は広い目で見ると俺にも責任の一端がある。

 それにシャルがこのまま自責し続けるのも良くないのだ。

 それは俺が身をもって知っている。

 というか、もしこの状態でソフィアが同行するなんて言ったら、シャルが家出してしまうかもしれないな。

 まぁ旅の一種をしているわけだから、家出もなにもないんだけど。


 だがとりあえずここは、シャルの落ち込みをどうにかしてあげなければ。

 どちらにせよシャルをこのままにしておくのはダメだろう。

 

 そう思って俺は行動に移した。



「シャル、顔を上げてよ。」

「うん・・。」


 俺は未だ下を向いているシャルにそう言う。

 そして、シャルは俺の言うとおりに顔を上げてくれた。


 俺はそれを見計らって、シャルを強く抱きしめる。

 シャルは俺が抱きしめると、動きが完全に止まってしまった。



 昔はよくシャルも俺に抱きついてきたが、さすがに10歳になってくると精々腕までしか抱きついてこなくなったのだ。

 それに、寝るときも抱きつくというよりかは寄り添うという感じになっていた。

 つまり昔ほどボディータッチが少なくなっていたのだ。

 だが、それでも普通の人たちよりは今でも全然多いとは思うけど・・。

 

 まぁ要するに俺が何を言いたいのかというと、

 シャルはシャルなりに今まで自重していたんじゃないか。ということだ。

 最近の言動から推測すると、シャルは俺とくっつきたいが俺の気持ちを考えて我慢してきたのだろう。

 

 俺はシャルが性欲を解消してないからあんな行動に出た。

 そう今朝は考えていたが、今思うと違うと分かる。

 別にムラムラする気持ちだけであんなことをしたのではない。

 シャルは本当は我慢強かったのだ。

 たまたまその限界が今日きたというだけで。


 だから俺はシャルに抱きつくことで、その欲求不満を少しでも減らそうと思ってこの行動に出た。

 これなら別に性干渉でもないしね。

 俺の体ぐらい、許容できる範囲ならば自由にしてもいいのだ。 



「ふぇぇぇぇぇ、あ、あ、あの。ク、クリス?」


 そしてシャルはやがて俺に抱きつかれたことを理解すると、可愛い声を出した。


 ちなみに顔は真っ赤だった。

 シャルはいつも自分から攻めるくせに、俺から攻められると、うぶな反応をする。


 まったく。

 なんて男心をくすぐる子なんだろうか。 

 こんな反応されて困る男なんて多分いないぞ。



「よしよし、ごめんな。シャルの気持ちに気づいてあげられなくて。俺に抱きつくぐらいなら、人前じゃなければいくらでもしていいんだぞ?我慢しなくていいからね。」

「うん・・。分かったよ、ありがとうクリス。」


 俺はそう爽やかな笑顔で言った。

 シャルも涙を流して、抱き返してくれる。


 よし。

 とりあえず、これでシャルの気持ちもリセットされるかな。

 というか、俺はシャルの思いを今の時期では拒否してるから、これぐらいしてあげなければいけなかったのだ。 


 仮にだが、俺に好きな子ができたとしよう。

 そして性関係を望んだが拒否され続ける。だけど恋人的関係は維持しよう。

 そう言われてもなかなか納得できないだろうな。

 俺とシャルは厳密に言うとまだ恋人ではないが、つまりはそういうことなのだ。


 俺は優しい表情になりながらシャルの頭を撫でた。



 しかしまぁ、にしてもこれは10歳の子供が言うセリフじゃないよな。

 完全にラブラブカップルのセリフだわ。

 自分で言ってて、かなり恥ずかしいもん。

 こんなこと誰かに聞かれようものなら、恥ずかしさで頭がヤバイぞ。

 

 だけど、その恥ずかしい言葉のおかげでシャルの様子も元に戻ったんだ。

 結果オーライといったところかな。



 よし。

 ではそろそろシャルにソフィアを紹介しよう。

 今のこのシャルの様子なら大丈夫そうだろう。

 俺はそのためにこの恥ずかしい言葉を言ったんだしな。

 

 あれ、でもそういえばソフィアって今どこにいるんだっけ。



 ・・・。 

 

 えーっとだな。

 落ち着けよ、クリス。

 俺はたしかソフィアと一緒にこの部屋の前に来たはずだから・・・




「あの、すみません。私はいつまで二人のラブラブっぷりを見せられればいいんでしょうか。」


 俺がソフィアの存在を思い出すのと、その可愛い声が後ろから聞こえるのは同時だった。

 まぁその可愛い声には多少の怒りが混じっていたが。



「ねぇクリス。この人だれ?」


 シャルも俺の耳元でそう言う。

 そしてシャルの声にも同様に、俺との桃色の雰囲気を邪魔されたことに対する怒りが混じっていた。



 アカン。

 これ修羅場や。

 しかもこれ、予想してたパターンで結構ヤバイかもしれない・・。




---




 俺はシャルに、冒険者ギルドでの出来事を話した。

 そしてソフィアが俺たちに同行することも伝えた。

 なお、意外なことにシャルはその間、黙って最後まで話を聞いてくれた。

  


「はあ。どうやら私は恋人の一行に混ざる、お邪魔虫。というわけですか。」


 ソフィアは俺がシャルに説明を終えると、俺たちが抱き合っている体勢を見てそう言った。

 そして俺に聞いてないよという視線を送る。

 その目は、元々のソフィアの目つきもあるがジト目になっていた。

 

 しかしソフィアは一つ誤解しているな。

 それを正さねば。



「あー、いや、ちょっとまって。俺とシャルは別に恋人じゃないよ?幼なじみみたいなもんだから。」

「え!?」


 しかし俺がそう言うと、シャルが驚いた。

 

 いやまぁ、シャルよ。

 君には好きだとは言われたが、まだ『付き合ってください』とは言ってもらってないぞ。

 それにたしか正確には、俺も『シャルが好きだ』と言おうとしたが、それを言う途中で君が止めちゃったじゃないか。

 屁理屈になるかもしれないが、そういうことだ。

 15歳になって気持ちが変わらないようならば、俺に告白してほしいよ。

 


「あ、そうなんですか。じゃあ一体どういう関係なんです?ただの幼なじみには見えないんですが。」


 ソフィアが細かく聞いてくる。


 まぁ男女が密着してて恋人じゃないって言われても、そりゃ納得できないわな。

 そしてそれが、これから行動を共にしていく人たちならなおさら、か。



「んー。えっと説明に困るんだけど、兄妹、かな。俺たちは5歳ぐらいからずっと一緒に暮らしてたんだよ。だからまぁ、多少のボディータッチはあるけど気にしないでくれたら幸いだよ。」


 俺はそう苦笑いしながらソフィアに説明した。

 すると、ソフィアもやれやれといった感じで「わかりました。」と言ってくれた。

 もっとも、シャルを見るとその頬を膨らまして俺を見ていたが。




---




 俺たちは今更だが、宿屋の廊下で立ち話というのもなんなので、部屋に入った。

 部屋自体は、さっき1週間分のお金を払って更新しておいたのでチェックアウト等は問題ない。 


 俺たち三人は、部屋に入るとテーブルを囲み合うようにして椅子に座った。

 そしてそれからしばらくの間、俺たちはそれぞれ話し合った。

 

 しかし、やがてこれまでの経緯や事情を改めてお互いにほぼ確認し終わった頃、シャルが口を開いた。



「それで、クリスは優しいからソフィが同行することにOKしちゃったってこと?」

「あぁ、それで大体あってるよ。」


 シャルがそう若干呆れ気味で、俺にさきほどの話の内容を再度確認する。


 しかしそれだけなのだ。

 シャルはもっと反発するかと思ったが、あっさりソフィアのことを容認した。

 それも、ソフィアのことをソフィと愛称で呼んでいる。


 シャルが容認しているのに変な話だが、俺は何故シャルが反発しないのか気になってシャルに聞いた。


 するとシャルは、「え、だってクリスが決めたことでしょ?それにソフィは変なことしないと思うよ。だってソフィ、いい子だもん。」と笑って言っていた。



 あー、なんていうかね。

 別にいいんだよ、うん。

 シャルとソフィアがお互いに認めてくれればそれでいいんだ。

 ホントそれだけでいいんだ。

 だけどなんだろうね、俺のこの気持ちは。

 修羅場になるとか、いろいろ心配した俺の焦燥感を返して欲しいよ。



 だが俺がそう考えている間にも、シャルとソフィアは仲良さげに話している。


 そういえばシャルは、同年代の女の子とはあんまり喋っている様子を見たことがない。

 まぁシーモア自治地区では、ずっと俺にべったりだったから当たり前と言えばそうなんだけど。

 そして逆に言うと、俺も同年代の子供とは全然喋っていない。

 俺が会話していたのは家族とアーロンさんと、精々店先の店員さんぐらいだろうか。

 

 ・・・なんか悲しくなってきた。

 学校に着いたら友達を作ろう・・。

 もうボッチ生活はいやだぞ。



「えっとそれでね。クリスったら昔、火竜(レッドドラゴン)を魔法数発で倒しちゃったんだよ。」

「へぇー、それは興味深いですね。冒険者ギルドでも見たことない魔法を使ってましたし。」

「でしょ!えへへ、クリスは強いんだからね。」


 テーブルの向こうでシャルが俺のことをソフィアに話しているのが聞こえる。

 そしてシャルの顔は、何故か自分のことのように誇らしい表情をしていた。

 しかしまぁ普通、そんな誇らしげに言うのは自分のことじゃないのか。

 俺のことを自慢してどうするんだよ。

 

 俺は思わず笑ってしまった。


 すると、シャルが俺の反応に気付いた。



「ほら、クリスも一緒に話そうよ。もっとソフィと仲良くなって。」


 シャルはそう笑いながら言って、俺を会話に入れようとする。


 やばい。

 シャルちゃんマジいい子やわ。

 もう何度目になるか分かんないけど、改めて思うよ。

 なんかソフィアと会わせるの怖いとか思っててごめんね。

 シャルの俺への気持ちが強すぎるから、ソフィアと会わせると嫉妬しちゃうかもとか考えてた俺はバカでした。



 しかし、俺がそう心の中でシャルに謝っていると、ソフィアから話しかけてくれた。


「あの、クリスさん。シャルから聞きました。ほとんどの属性魔法が使えるんですね。よければいろいろと話しませんか?実は私、こう見えて魔法使いなんですよ。」


 ソフィアはそう言って微笑んだ。


 そういえば、俺はソフィアが笑ったのを初めて見た気がする。

 ちなみに俺の中のソフィアは、眠そうな顔のまま淡々と喋っていたイメージが強い。

 だが、今のソフィアは相変わらず眠そうな顔をしているが、その笑顔はとても可愛かった。



 まぁ要するに正直に言おう、俺はソフィアに見とれていた。


 しかし、俺のそんな様子を見たシャルが椅子から立ち上がり、俺の後ろから俺の肩に手をついて、耳元でソフィアに聞こえない声で(ささや)く。


「むぅ。クリス、ソフィに見とれている。」

「ん?何のことかな、シャル。」


 シャルが頬を膨らませて、少し怒り気味で言う。

 そして俺も誤魔化しきれてないと思うが、一応否定する。


 

「はぁ、もうクリスったら・・。」


 だがやはりシャルにはそんな誤魔化しは通用せず、俺の態度に呆れてしまった。


 といってもまぁ、別に可愛いのはソフィアだけじゃないのだ。

 そのことはシャルにも知っといて欲しい。


 そう思って、俺はシャルを褒める。


「ほら、シャルも可愛いよ。」

「え・・・。私も、可愛い・・?」


 シャルは俺のその言葉を聞くと、背筋を伸ばした。


 今のシャルの雰囲気は先ほどの怒り気味とは全く違うのが分かる。

 そして、その顔は嬉しいけれど必死に表情を保っていることが覗えた。

 なんとも微笑ましくて可愛い様子だ。


 俺はその可愛さをさらに増させるために、さらに押しの一声を言う。


「そうそう。シャルがあまりにも可愛いから見とれちゃうよ。」  

「・・・!!!えへへ、私、クリスに可愛いって言われちゃった。」


 シャルは俺のその一言を聞くと、とうとう表情を保てなくなって、にやけた。

 

 まぁ可愛いけどさぁ。

 自分で言っといて何だが、さすがにチョロ過ぎないか・・・。

 シャルはあれだ。

 もう少し可愛いと言われる耐性をつけなければな。

 元々可愛いんだから、これから先もどんどん言われてくと思うし。


 よし。

 これからは日頃からシャルを可愛いと言っていこう。

 さすがにないとは思うが、このままだと可愛いかわいいと言い続けられて変な男に連れてかれても困るしな。

 

 そう思って、まだにやけているシャルの頭を撫でる。


 だがそうしていると、また多少怒りが混じった可愛い声に呼びかけられた。



「あの、すみません。私はこの状況になるとどうすればいいんですかね。」


 そう言われて前を振り向くとジト目をしているソフィアがいた。


 さすがに2回目となると、けっこうお怒りだ。

 その様子も可愛いんだが、やっぱり怒ってるだけあって怖い。

 というかシャル。

 これは君も怒られているんだよ。

 いいかげんにやけ顔を止めなさい・・。

  



---



 

 結局、俺とシャルはソフィアに怒られつつも、その後三人で魔法について話していた。

 しかし、そうしているうちにもう夕方になっていた。

 なので俺たち三人は夕食を食べに、一度宿屋から出る。

 ちなみに目的地は中央街ではなく、港付近の飲食街だ。

 

 

 そして、しばらく歩くと飲食街に着いた。

 シャルは早速、テンションを上げて良さげな店を探し始めた。

 まぁソフィアも平常を装ってはいるみたいだが、何となくウキウキしているのが分かる。

 ソフィアは10歳にしては口調や態度が大人だが、それでもまだ10歳なのだろう。

 

 しかしそう考えていると、二人がそれぞれ違うところを指さして俺に言った。


「あ、見てクリス。あそこのお店とか良さそうだよ。」

「いえ、クリスさん。あちらの方が美味しそうです。」


 ん。シャルとソフィアの意見が分かれたな。

 そして何故か最終決定権は俺にあるらしい。

 すると俺はこの場合どうすればいいんだろうか・・。


 ちなみにシャルが選んだのは、昔にシーモア自治地区で食べたような海鮮丼が食べられる店だ。

 あのときの味をシャルは忘れられないのだろうか。

 なお、シャルに対してソフィアが選んだのは肉料理の店だった。

 意外とソフィアは俺やシャルのように小柄だが、ガッツリ食べたい系女子らしい。

 

 んー。

 俺的には二人が食べたいものをそれぞれ食べればいいと思う。

 だがシャルは俺と食べたいだろうし、ソフィアも俺のことをどう思っているのかは分からないが、どうやら一緒に食べたいらしい。

 ・・・まぁ多分財布役だろうが。


 まぁしかし、いずれにせよ俺たちは三人なので、俺がどっちかと一緒に行くと残る一人がボッチで食べに行かねばいけなくなってしまうのだ。

 とはいうものの、俺としてもどちらかをボッチにさせてしまうのは嫌だ。



 なので俺がどうしようかと悩んでいると、突然右腕をシャルに引っ張られた。


「ねぇクリス。こっちに行こうよ!」


 シャルは首を軽く(かし)げて俺にそう言う。

 天然系美少女のシャルがそれをすると、俺の心がキュンとしてしまう・・。


 そしてソフィアもそれを見てシャルに対抗しようとしているのか、俺の左腕を引っ張る。


「クリスさん。こっちです。」


 ソフィアはそう言って頬を膨らませている。

 クール系美少女のソフィアがそれをするとギャップ萌えするよ・・。


 二人は上目遣いで俺に訴えかけている。

 右と左からの私を選んでアピールがすごい。



 というかやばいぞ。

 二人とも可愛すぎる。

 こんなの決められないよ・・。 



 そしてやがて、そんなプレッシャーに耐えられなくなった小者の俺は無難に行動を移すことにした。


 

「あー、まぁ二人ともそんなにその店がいいならさ。もう両方行くかい・・?」


 俺がそう言うと、シャルとソフィアはお互いに顔を見合わせた。 

 どうやら二人は俺の案に同意したらしい。


「うん。じゃあそうしようか。」

「ええ。そうですね。それが一番です。」

「お、おう。」


 なんというか、二人とも俺が提案してから飲み込みが早い気もするけど、気のせいだよね。

 別に二人で元々そうしようとか、そんなの決めてなかったよね・・・?


 俺の考えすぎだとは思うが、特にシャルに関しては前科があるから怖いんだよ・・・。


 まったく。

 シャルの船での一件以来、どうも人間不信になってしまったようじゃないか。

 だがまぁ、それもシャルの食べに行こうと言わんばかりの笑顔を見ると、何も言えないんだけどな。

 ソフィアもなんだかんだで、どうやら人と一緒に行動するのが嬉しそうだ。

 彼女もなにやら過去を隠している気がする。

 マルクさんに出身地を聞かれたときも、言えませんって言ってたし。


 だけどここでそれを考えるのはよそう。

 今はこの時間を楽しめばいいのだ。



 そう思い、結局俺は魚料理と肉料理の両方を食べることになったのだった。



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