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北米植民地についてー2

 北米大陸の原住民社会の多くが崩壊した影響は多大なものがありました。

 その最大の影響と言えるのが、結果的に社会が崩壊した原住民の多くが日本人と同化する方向に流れてしまったことです。


 史実でも北米大陸の原住民社会は、スペイン人等の来訪に伴う疫病の流行により少なくとも人口が半減するという打撃を結果的には受けましたが、そうはいっても北米大陸の植民地化をスペインは重要視しなかったために、イングランド等が北米大陸の植民地化を進めるまでに、北米大陸の原住民社会はそれなりに立ち直る時間が与えられました。

 しかし、この世界では史実のスペインが行った中南米大陸への植民活動を遥かに上回る植民活動が日本人によって行われたのです。

 そのために、疫病の流行によって原住民社会が崩壊して、寄る辺なき身になった原住民の多くが日本人と一緒に暮らすようになり、結果的に日本人と同化する路を歩んでしまいました。


 このことが日本人が北米大陸の中東部を植民地化する際に、大規模な原住民の抵抗が起きなかった最大の原因になります。

 それこそ原住民側にしてみれば、疫病が大流行して家族等の社会体制が保てなくなったところに、日本人が押し寄せてきたのです。

 基本的にですが、人間は一人では生きていけないという現実があります。

 そうしたことから、社会が崩壊したことから、移住してきた日本人を頼る原住民が多発し、それこそ現地の状況を少しでも知りたい日本人側も彼らを受け入れたことから、北米植民地は順調に拡大しました。


 その一方で、北米植民地は余りにも順調に拡大し過ぎました。

 そのために原住民の人口減少も相まって恒常的な人手不足にあえぐことに、日本の北米植民地はなったのです。

 そこに入り込んだのが、欧州やアフリカの年季奉公人でした。


 奴隷制度は「皇軍来訪」によって、日本では禁止されましたが。

 そうはいっても、これまでの日本の現実から年季奉公人は存続していました。

 そして、南北米大陸ではスペイン人等によって、奴隷制度が存在していたのです。

 又、日本対スペイン戦争において、アフリカ大陸から運ばれてきた奴隷が日本軍によって解放される事態等が起きたのです。

 奴隷制度は禁止するとしても、元奴隷をどう処遇するのが相当か。

 色々と議論が交わされましたが、結果的に彼らを年季奉公人として処遇する事態が多発しました。


 そして、奴隷商人達はこれまでの経緯から、南北米大陸への奴隷商人から年季奉公人斡旋商人へと転職する例が多発しました。

 更に欧州ではスペインやポルトガルの植民地喪失等によって大規模なデフレ不況が起こり、生活に困窮した人々が南北米大陸に年季奉公人として赴く事態が多発することになりました。

(更に言えば、皇軍がこの世界にもたらした汽船が、この年季奉公人輸送に大活躍しました)


 このために日本の北米植民地では結果的にですが、1570年代前半に欧州やアフリカからの年季奉公人の存在なしでは回らない社会が成立してしまいました。

(それこそ米国南北戦争勃発時、南部が奴隷制即禁止では経済が回らなくなっていたようなものです)


 こうした北米の社会情勢が、日本本国が外国人の年季奉公人を禁止するということに、過敏なまでに北米植民地が反応する事態を引き起こし、日本本国からの独立戦争を引き起こすことになりました。

(もっとも、北米植民地の開発で日本本国からの支援が乏しかったことや、上里家の姉妹、美子と和子の確執等があったというのも、北米植民地が独立戦争を起こした原因ではあります。

 ですが、日本における外国人の年季奉公人禁止問題が北米植民地にとっては、最大の問題だったのは間違いのない事実だったのです)

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