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【完結】最強転生者のゆかいなスローライフ生活 ~最強なので戦いに巻き込まれるけれど、意地でモフモフとハーレム付きのスローライフにしがみつく!~  作者: 茉莉多 真遊人
第2部2章 ハーレムの女の子が一気に増える 

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2-19. 追われてしまったので物語が始まった(2/4)

約1,500字でお届けします。

楽しんでもらえますと幸いです。

 朝。ムツキは仔猫や仔犬、仔ウサギと仲良く寝ており、いつもの起床時間よりも遅い。しかし、彼はいまだにぐっすりと眠りこけている。久々の快眠といったところである。


「もふもふ……いいよね……。ふわふわだあ……」


 ムツキの寝言からして、楽しいおモフの夢を見ているようだった。そんな中、やけに大きな足音が階段からムツキの部屋へと近付いてくる。


「大変ニャ! ご主人、起きてほしいニャ! ケガをしている獣人と半獣人がいるニャ!」


 ケットがひどく慌てた様子で扉を開けて叫ぶ。ムツキはその音と声に飛び起きた。


「……っ! なんだって!」


 ムツキは着替えずに部屋を出る。ケットがその後を追う。


「ちょっと傷が深いニャ。魔力も足りニャいニャ。ご主人にお願いしたいニャ」


「分かった!」


 ムツキとケットが降りると、既にリビングのソファがどかされて、ベッドのマットレスが2つ運び込まれていた。ベッドのシーツには血が滲んでいる。


「ムッちゃん! 急いで!」


「旦那様!」


 リゥパとナジュミネが慣れない治癒魔法で必死に対応していた。


「ありがとう、2人とも」


「ぐっ……かはっ……あんたが偏屈魔王か……」


 白狐のコイハはそう呟く。彼女も黒狸のメイリも肌着姿で寝転がされていた。コイハは獣人で全身が白銀の体毛に覆われているが、人型らしいプロポーションをしており、身長も高い。メイリは半獣人で体毛が人族に近く肌も見える部分が多いが、手先、足先、耳、尻尾が動物に近い。人型のプロポーションは変わらず、身長は低い。


 なお、何がとは言わないが、一番大きいのがメイリで、ナジュミネ、コイハ、リゥパの順で大きい。何がとは言わないが。


「大丈夫か? というか、久々に聞いたな……その単語……。まあ、そうらしい」


 ムツキは傷の具合を見る。治癒魔法を使う場合、傷を治すイメージを持つ必要があり、患部をよく見なければならない。


「ぐうっ……頼む。俺よりメイリからやってくれ。こいつ、傷は深いし、魔力もギリギリまで使い切って、本当にヤバいんだ!」


 コイハ自身、あまり変わらない大きな傷を負っているが、彼女はメイリを優先してほしいと懇願する。


「まあ、確かにな。だが、安心してくれ。ここでみすみす2人を亡くすことはしない。【ヒーリング】」


 ムツキはメイリの傷口に右手を近づけて、治癒魔法を唱える。


「うっ……温かい……」


 メイリは意識がはっきりしないものの、【ヒーリング】による温かさを感じて、言葉を小さくこぼす。


「メイリ! 意識が戻ったか……はぁ……はぁ……」


「それじゃ、これも追加だ」


 ムツキは右手で【ヒーリング】を掛けつつ、左手をメイリの胸の辺りに近付けて魔力の供給を行う。


「……なにっ! まさか、治癒魔法を掛けながら、別に魔力を直接供給しているのか? 半獣人とはいえ、ほぼ1人分の魔力を供給できるのか?」


「そうだ。緊急なんだから、ごり押しに決まっているだろ。俺の魔力量を舐めてもらっちゃ困る。君の分ももちろんあるから心配するな」


 ムツキはコイハに向かって、笑みを浮かべる。


「はぁ……はぁ……魔力溜め込みすぎだろ……いったいぜんたい、どんな身体をしてりゃ、人族なのにそうなれるんだ?」


「俺は特殊なんだ。ただの人族とは考え方も違う。モフモフは必ず守る!」


 急にモフモフのワードを使ったので、ムツキ以外の全員が目を点にしている。


「……は?」


 コイハは目を見開き、ムツキの言葉の意味を考える。しかし、彼女には訳が分からなかった。


「ご主人、いきニャり、明後日の方向に話を持っていったら、訳が分からニャいニャ……この白狐も困惑しているニャ」


 ケットはムツキをそう嗜めるが、ムツキは首を横に振った。


「いや、モフモフは重要だろ」


「ダメニャ……目の前の獣人と半獣人に興奮してるニャ……」


「ムッちゃん……」

「旦那様……」


「ごめん……でも、大事だろ……」


 思わずリゥパもナジュミネも呆れた様子でムツキを見やる。今はまだ呑気なことを言っている状況ではないが、彼は至って真面目に答えているようだった。あまりにも真剣な彼のまなざしと言葉に、どこかで皆の度が超えてしまったのか、変な笑いまで起きてしまった。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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