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【完結】最強転生者のゆかいなスローライフ生活 ~最強なので戦いに巻き込まれるけれど、意地でモフモフとハーレム付きのスローライフにしがみつく!~  作者: 茉莉多 真遊人
第5部3章 ムツキと分かち合える仲間たち

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353/360

5-Ex8. この世界は永遠より今が大事で(2/2)

約2,000字でお届けします。

楽しんでもらえますと幸いです。

 怒りを湛えながらも可愛らしさも忘れずにじっと見つめてくるユウの様子を見て、レブテメスプが小さな声で笑う。


「はっはっは☆ ロリロリした感じがやっぱいいね☆ 真面目な話……増え続ける魔力、普通に考えれば、おかしい話ですけどね」


「おかしい?」


 掛けてもいないメガネの縁を上げるかのように、レブテメスプは眉間あたりで人差し指をクイクイっと動かす。


 ユウは彼の仕草よりもその言葉に対して首を傾げて問う。その彼女の問いに、彼は首を縦に振っていた。


「ええ、もちろん、おかしいですよ。循環させているとはいえ、使ったエネルギー以上に何故かどんどん増えるのでしょう? まるで外に魔力源があって、そこから絶えず供給されているように、ね」


「そこは……私も分かんない……でも、いいの」


 ユウは何となく理解したような雰囲気を出して静かに微笑む。彼女はそのままの雰囲気で、膝を曲げて抱えるように三角座りをして、その膝の上に頭をちょこんと乗せている。


 レブテメスプはその静かな可愛らしさに息を呑んでから、やがて、言葉を思い出したかのように口を彼女の仕草のようにゆっくりと優しく開く。


「……いいんだ?」


「うん、いいの。いずれにしても、永遠なんてないんだから」


「……世界を創った神の言葉として聞くには重すぎるね☆」


「いいじゃない? 永遠に楽しいことなんてないよ。でも、限りがあれば、限りがあると分かるなら、私はその最期まで責任持って楽しむつもりだから」


 ユウはその言葉の重さと裏腹に、まるでその言葉の意味に気付いていないかのようにカラっとした快活な様子で笑う。


 レブテメスプもつられて笑う。しかし、彼の笑いは彼女の笑いと少し異なり、多少の無理を見せる不出来な笑みだった。


「なら、最期まで伴に行くさ☆」


「あら? 親離れできないのかな?」


「キールに言われたからね。親の介護は子どもの務めらしいからさ☆」


「本当に鼻につく言い方するよね!? もう!」


 ユウはからかったつもりが、逆にからかわれてしまい、先ほどよりも頬をぷくっと膨らませて、両腕を上下に小刻みにぶんぶんと振って怒りを表現していた。


「はっはっは☆ ところで、毒蛇はどうなると思う?」


「……うーん。最初はすごーく苦労すると思うけど、一度コツを掴めば大丈夫だと思う」


 ユウはその問いに一瞬固まるが、すぐさま悩ましい顔をして、またさらに元の笑顔に戻る。


「コツ?」


「そう、やってみないとそれは分からないけど。ニドなら案外、最終的に適当になっちゃった私よりも良い世界を創れるかもね」


 レブテメスプは腕組をして難しい顔をする。


「もしくは、完璧さを求めて、途中で諦めて投げ出すか、かな?」


「それはないと思うよ」


「へえ?」


「だって、ニドは責任感が強くて仲間思いだから」


 レブテメスプがユウの目を見つめると、彼女の瞳が神らしく全てを見透かしているかのような色合いに染まっており、彼は自信に満ち溢れたその瞳に引き込まれそうになる。


 レブテメスプは視線を彼女から外す。


「……ねえ、ユースアウィス」


「ん?」


「もしかして、毒蛇の企みを分かっていたんじゃ?」


 レブテメスプは視線を外したまま問う。目で会話をしてはいけないと直感的に悟ったかのように、言葉だけを拾うかのように、彼は見ずに聞くことに徹した。


「うーん……どうだろう?」


「そうじゃないと、辻褄が合わないことが多い」


「ふーん?」


「だけど、そうだったとすると、逆に辻褄が合わないことも出てくる」


「ふーん?」


「そう、どっちだとしても矛盾しているのさ。本当に何も考えていないなら分からないでもないけど、ユースアウィスの言っていることとしていることは……っ!」


 レブテメスプが何かを言いかけようとしたとき、四つん這いになったユウが急に彼の視界にバッと大きく現れたあと、笑顔のままに、その小さな手の親指と人差し指を使って彼の口を閉じさせるようにつまむ。


「すべてを解き明かすことが良いこととは限らない……そう思わない?」


「……んっ……ぷあっ……それは分かりやすく、脅しかな?」


「さっき言わなかった? 私は最期まで責任持って楽しむつもりだからって」


 ユウの笑みが幼い姿に相応しくない妖艶さも湛えたものへと変わり、何かを味わっているかのように彼女の舌がチロリと彼女の下唇をわずかに這う。


「やっぱり、とんだ悪女だね☆ ムツキがかわいそうだ」


「ムツキにそんなこと言わないでよ? 嫌われたくないの。本心からそう思っているから」


「しょうがないな……ユースアウィスとムツキなら、ユースアウィスに義理立てしないといけないからね☆」


「ありがと……んぐぐっ……」


 そのとき、レブテメスプはお返しとばかりに彼女の口を指でつまんで閉じる。


「ただし、キールが泣くようなことを今度もしたら、さすがのユースアウィスでも承知しませんよ」


「……ぷはっ……はーい」


「まったく」


 レブテメスプはユウの元気な返事に呆れたような顔で返した。

最後までお読みいただきありがとうございました。


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