4-14. 自分のしわざと気付かれたから派手に登場した (2/3)
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楽しんでもらえますと幸いです。
レブテメスプは半球のカプセル型UFOの中でドサッと座り込み、両足を組んで雑にUFOの外へと投げ出している。
「はぁ……まったく……扱いが雑なのは良くないよ? オレ様はゲストよ?」
「呼んでニャいからゲストじゃニャいニャ」
深い溜め息とともにレブテメスプが文句を呟くが、ケットがすかさずツッコミを入れる。途端に、レブテメスプが両眼を隠すように顔を手で覆って、大笑いをする。
「はっはっは……名前は呼ばれたけど、たしかにお招きはもらってないね! 菓子折りの1つでも持ってくれば、歓待されたかな?」
「それよりもレブテメスプ……」
「やあ、オレ様の愛しかったユースアウィス! しばらく見ないうちにオレ様好みのロリロリした感じになってるじゃん!」
ユウが話を切り出そうとすると、レブテメスプが体勢を変えて、UFOから身を乗り出して、彼女の方をまじまじと見る。
「まあ、その割に、パートナーをそこのムツキに決めちゃったっていうもんだから、諦めるしかないけどさー。オレ様はそこのアニミダックみたいに未練がましく女々しく追い掛け回さないから、さ?」
レブテメスプがニヤニヤとしながら、視線をユウからアニミダックに映して嬉しそうにからかい始める。
「んだとっ? もっぺん言ってみろ……」
「ちょっと、話を逸らさないで! アニミダックも言い合いは後にして! ねえ、レブテメスプ……ムツキに何をしたの?」
「ん-、オレ様のこの姿を見て何か気付かないか? この若々しい肉体をね☆」
レブテメスプが舌をチロッと出して、両手をビシッと動かしておどけてみせる。
「……そういえば、レブテメスプも小さくなってない?」
「いや、明らかに幼くなっているだろ……元々、俺らはほぼ同じ感じで生み出されたんだ。まあ、多少、レブテメスプの方が身長は低かった気がするし、小太りだった気もするが。それに、髪もボサボサでヨレヨレの白衣姿って感じだったけどな。口調はちょっと違うが、今も前もムカつく感じだがな」
アニミダックは精一杯の悪態を吐く。その言葉を聞いて、レブテメスプがケタケタと笑い出した。
「あっはっはっは……そういうアニミダックはさっきも言ったけど、変わらないね。まあ、でも、その掃除夫姿はとってもよく似合っていると思うよー。とってもおかしいね☆」
「ちっ……俺の格好はどうでもいいだろうが!」
「たしかにね。どうでもいいことだった。どうも人が多いと話が脱線して困るね!」
レブテメスプは愉快そうにUFOの中で大笑いしながら転げ回った。
「なんだか独特の雰囲気だな……キャラが濃いというか……」
「大丈夫です。ムツキさんも十分にキャラが濃いですよ」
「サラフェ……それ、ハビーへのフォロー……なのか……?」
ムツキの呆然としながらも呟いた言葉をサラフェが丁寧に拾うも、方向が明後日の方向だったので、コイハが思わずツッコんだ。
また脱線しそうになって、ユウがキッと3人を睨む。さすがにこれ以上は彼女が激怒すると肌で感じ、全員が静かになった。
「えっと……で、ムツキを子どもにした理由だっけ?」
レブテメスプもさすがにふざけすぎたと思ったのか、ニヤニヤとした顔はそのままだが、セリフは真面目な方に寄せた。
「そう! ちゃんと答えてもらうけど、まず、ムツキをこんな風にしたのはレブテメスプで間違いないの?」
「もちろん! こんなことできるの、オレ様くらいしかいないでしょ! だからオレ様だと思ってアニミダックにあんな真似させたんでしょ?」
「どうやってこんなことしたの? お得意の発明?」
レブテメスプはユウの問いに嬉しさを隠さなかった。彼自身、言いたくてウズウズしていたようだ。UFOの中で再び立ち上がり、白衣の懐から不思議な形状と色味をした未来の光線銃のような何かを高々と掲げる。
「やっと聞いてくれたな! そうさ! こんなのは実に簡単な話だ! オレ様の最高頭脳を持ってして発明したレジュヴィネイティングビーム銃でチョチョイのチョイさ☆」
「そうなんだ! それでムツキを小さくしたの?」
ユウが興味ありげに訊ねるので、レブテメスプはさらに嬉しそうに満面の笑みで頭を全力で縦に振った後に口早に答え始めた。
「そう、そう、そうなんだよ! 最初は、オレ様が若くなりたいと思ったところが発端さ。子どもの頃はこんな感じで超絶イケメンだったオレ様だが、何があってか、大人になるとさっきアニミダックが言っていたように、低身長の小太りになってしまうからね! オレ様は自分の醜さに耐えられなかった。だから、若い頃の自分に戻れれば問題ないじゃないか☆ って考えたんだ。じゃあ、それが実現できるかどうかはどう分かったか? それが実現することはすぐに分かっていたさ。何故なら、ユースアウィスが自在に幼くなったり、大人になったりできたからな。つまり、何かしらの因子があって、それが働いていると推測したオレ様は研究の結果、ついに突き止めたんだ。その因子を活性化させることで、オレ様は若返ることができた! そう、長い眠りにつく前に、つまり、とっくの昔にね☆」
レブテメスプの急な早口での長いセリフに、彼をよく知るユウやアニミダック、ケット、キルバギリー以外は呆然とした顔つきで彼を見つめていた。
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