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【完結】最強転生者のゆかいなスローライフ生活 ~最強なので戦いに巻き込まれるけれど、意地でモフモフとハーレム付きのスローライフにしがみつく!~  作者: 茉莉多 真遊人
第3部3章 毒蛇の王ニドの謀略と魔人族の始祖アニミダックとの闘い

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3-30. 待っていたが女神様だけ帰ってこない(2/2)

約2,000字でお届けします。

楽しんでもらえますと幸いです。

「ムツキさん、えっと、何か、ユウさんはたとえば、書置きとかを残していないのですか?」


 サラフェはムツキの杞憂を断ち切るためにそう訊ねた。


「……あ、ある。それはあるぞ! 数日戻らないかも、って書置きがあった!」


 それを聞いて、女の子全員が安心した。もちろん、心変わりがないわけではないだろう。しかし、以前から見ているユウのいつものベタ惚れっぷりを見るからに、他の男の線はほぼないという結論に行きつく。


「では、戻る気満々ですから、この生活も嫌になっていないですし、マスターのことも好きですよ」


 キルバギリーがムツキに優しく伝える。


「そ、そうか……」


「妾もそう思う」

「でしょうね」

「サラフェも思いますよ」

「だろうな」

「だねー」


 ムツキは全員からそう言われて安心したのか、ようやく冷静さを取り戻す。それと同時にコイハをぎゅっと抱きしめるだけじゃなく、モフモフを楽しみ始める。


「となると、ハビーが最初の方に言っていたケガや何かあった可能性があるってことか?」


「えー、そうかな? ユウは見た目こそ幼女だけど、神様なんでしょ? 【コール】ができなくなるくらいの何かに遭うことってあるのかな?」


 ムツキはメイリの言葉にふるふると首を横に振った。


「分からないな……ただ【バリア】も壊されている感じがない」


「ということは、ユウ様は攻撃を受けたわけじゃないのね」


 ムツキは自身が女の子たちに張った【バリア】がなくなったかどうかは分かる。リゥパはそれを聞いて、ユウにケガがなさそうで安心した。


「そう思うけど、【バリア】は万能じゃないんだ。状態異常や精神操作のような間接的なものは防げないこともある」


「とはいえ、そういった類は稀だろう? 前に旦那様に【パラライズ】を受けてから妾なりに調べてみたが、一般的に状態異常魔法や精神操作魔法というのはない。固有魔法や薬品の類ならあるようだが、さっきも言ったように稀だ」


 ナジュミネはムツキと最初に闘ったときのことを思い出す。【パラライズ】は麻痺の魔法だが、ムツキ以外が使えることはほぼない。ほぼない、というのは、似たようなものを固有魔法として持つ種族が存在するということである。


「ところで、【バリア】の、ムツキさん自身の魔力を察知することはできないのですか?」


 サラフェの問いに、ムツキは再び首を横に振った。


「俺の魔力検知能力は高くないんだ。【バリア】を掛けたから、なくなったかどうかは分かるけど、具体的にどこにあるとまでは……」


 ここでメイリが任せなさいと言わんばかりに自分の胸をポンと叩いて、胸が弾んだ。


「分かった! 僕とコイハ、クーちゃんたちでダーリンの魔力を検知してあげるよ! 黒狸も白狐も妖精族の犬さん系も魔力検知は得意な方だよ!」


 メイリがそう言うと、噂をすれば、といった状況でクーが眠たそうに階段を降りてくる。


「くぁー……なんだ、まだ、ユウがいないのか? 寝こけているだけじゃないだろうな?」


「クーちゃんは本当に顔に似合わず冷静だよね……ニコニコしてる顔しているのに……」


 クーはメイリよりも遥かに年上であるが、メイリは物怖じせずに軽口を叩く。クーはクーで歯に衣着せぬ言い方をするので、お互いに相性が良い。


「ったく、一言余計なタヌキだな……。まあ、慌てる理由もないからな。ユウを脅かせるのなんて、そうそういないからな。今、いるとすれば、主様、ケット、レヴィアくらいだが……」


 クーは一瞬、ディオクミス、アニミダック、タウガス、レブテメスプの4人、そして、もう1人を思い出すが、まさかな、と思うに至り、その名前を口にはしなかった。


「レヴィアはユウ様を脅かすような真似をしないニャ。この前の海でもユウ様やオイラ達をそっと見守ってくれていたニャ」


 ケットが猫たちと一緒にお茶を運んでくる。


「そうだ、レヴィアの所に行ってみよう! 何か知っているかも。【コール】の対象にいないから直接行くしかない!」


「竜王レヴィアですか。レヴィアは海にいるのですか」


 竜王レヴィア。呼び方の揺らぎも含めれば、リヴァイア、リヴィア、ヨルムンガンド、ミドガルズオルムなどと多くの別名を持つこの竜は、人族や魔人族から畏怖される存在だった。


 ちなみに、ユウからはレヴィアたんと呼ばれている。


「そうニャ。大きすぎて、陸上じゃ目立つニャ。あと、人見知りだから、あんまりゾロゾロ行くのは良くニャいニャ。それと……ニャジュミネさんは止めた方がいいニャ」


 ケットがムツキについていく気満々のナジュミネの方を見て、両手を突き出して止めるポーズをする。


「どうしてだ?」


「レヴィアの見た目は、とっても大きい……蛇ニャ」


 ケットがそう言った瞬間に、ナジュミネの全身がピンと真っ直ぐになって硬直した後に、彼女の額から冷や汗がだらだらと流れる。


 彼女は幼少の頃に蛇に噛まれたトラウマから蛇が大の苦手なのである。


「留守なら任せてもらおう!」


「蛇になると、切り替えが早いわね……多分、ムッちゃん以外、行かない方がいいんじゃない? 人見知りなんでしょ?」


「そうだな……」


 こうして、ムツキはユウを探しに、まずはレヴィアの所へ行くことになった。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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次回:3-Ex8. 外に出られないが少しずつ力を蓄えている

※本作は小刻みにほぼ毎日更新しています。

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