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ルージュの巻き込まれループ人生〜誰なの!?何度も死に戻ってるのは!〜  作者: 阿井りいあ
3章

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120 作戦会議ようやく開始


 一通りの説明を終えたところで、ベル先生がまとめてくれた。


「さて、僕らに残された時間は少ない。オリドとリビオの成人前だと思っていたほうがいいね」


 ローズはだいたいそのくらいに魔王の準備が整う、みたいな話をしていたけど、それより前に攻撃を仕掛けないと大規模な時戻しを発動しかねないもんね。

 

それを阻止するのが、私たちの大きな目的なんだから。


 私も含め、双子も揃って真剣に頷く。


「……成人を祝う盛大なパーティーも祭りへの参加も難しくなるかもしれないな」

「そんなのいいよ。もう祝ってもらった思い出があるし」

「そうだぞ、父さん! お祝いなんてしてる場合じゃないって!」

「まぁそうなんだけどね。ただ僕たちはよくても、カミーユが悲しむだろうな……」


 あー、なるほど。妻を溺愛しているベル先生にしてみれば、そこが一番大きいかもね。

 オリドとリビオも苦笑しながら何も言えなくなっている。


「それなら、私の時に一緒にお祝いしてよ」


 前回の人生で叶えられなかった約束を、今度こそ。


 私がそう言うと、みんなが目を丸くした後じわじわ笑顔になった。ぷっ、三人ともそっくり! 親子だね。


「名案だね。さすがはルージュ」

「僕も賛成!」

「よっし、楽しみが出来るとやる気も出るな!」


 前向きになれたのなら言ってよかったよ。もちろん私も楽しみだ。


「話を戻そう。まず、オリドは……やるべきことをすでに計算していそうだね?」

「もちろん。任せてよ、前みたいなことにはならないから」

「うーん、頼もしい」


 本当に頼もしいよ、オリド。前の人生で見たどこか自信がなさそうな、諦めの混じった目をしていたあの頃とは全然違う。

 今のオリドは無敵だって思えるね。軍や冒険者たちへの働きかけはお任せ出来そう。


「次にリビオだけど」

「俺だってわかってる。体力とか筋力は子どもの頃に戻っちゃったけど、勘は残ってるから。それに効率的な修行方法だって覚えてる!」

「そうだな。リビオにはひたすら強くなってもらおう。怪我をしてルージュやカミーユを泣かせるようなことのないように」

「絶対に泣かせない!!」


 本当にそこは頼むよ。あんな思いは二度とごめんだ。

 ……私も、みんなに同じ思いをさせちゃったわけだけど。


 それからリビオは、成人前に冒険者たちのリーダー的存在になると息巻いた。

 子どもに従うなんて嫌だっていう人も多そうだけど、大丈夫かな……?

 いや、冒険者サイドにはギルドマスターのイアルバンさんもいるし、リビオならやってくれるかもしれない。期待して見守ろう。


「最後にルージュ。一刻も早く魔力総量を調べてもらおう。場合によってはドゥニの研究もストップだ」

「え? あ、そっか。魔力が溢れて破裂さえしなければ、限界値ギリギリまで魔力を持っていたほうがいいもんね」

「そういうこと」


 うーん、ちょっと心苦しいね。前の人生でのドゥニは好きな研究がどんどん進んですごく楽しそうだったから。


「魔力を保存して置けるルージュ専用の魔杖は作ってもらうつもりだ。それから緊急帰還用に転移の魔道具を研究してもらいたいからね」

「サイードが作ってたみたいなやつだよね。あれ、他の緊急帰還用魔道具よりもずっと便利だった。起動が早くて」

「そうだね。あれよりもさらなる改良をして、誰もが持てるようにしておけば死傷者も減らせるだろう」


 問題はドゥニがやる気になってくれるかどうかだけど、その点については魔力を減らす例の研究に協力するという餌をちらつかせるのだそう。ドゥニの扱いに慣れているなぁ。


「その時は、私もまた実験台になるよ。魔王が倒された後なら、膨大な魔力なんていらないし」

「そうだね。じゃあ、それも餌にさせてもらおうかな」

「ふふっ。後はそれまでの年月、ドゥニが我慢出来るかな?」

「長命種の時間感覚は僕らと違うから。あっという間だろうよ」


 そうだ、ドゥニはエルフだったね。それなら問題ないか。


 私の魔力問題はそれでいいとして、次にもう一つやっておかなきゃいけないことがある。


「……聖剣の回収、しなきゃだよね」


 私の一言に、オリドとリビオがハッと息を呑む。

 聖剣を回収するということはつまり、ノアールやサイードのもとに行かなければならないということだから。


 そもそも、次のループでは真っ先にノアールのもとに来て、みたいな話をしていたような気がする。真っ先に来たのはベル先生だったけど。

 急にノアールが目の前に現れるようなことがあったらどうしよう。今のところそんな気配はないけど……ひとまず保留だ。


「もちろん回収には向かうよ。僕も一緒にね」

「それならちょっと安心かな」

「……なぁ、思ったんだけど」


 ベル先生と二人頷き合っていると、リビオが何かを思いついたように話に入ってきた。


「今回って、もう魔王はループする必要がないんだよな?」

「そうだね。おそらくこの人生で大きく時を戻すために必要な魔力が集まるんだと思う」


 だから今回でループはおしまいになる。魔王に勝つにしろ負けるにしろ、全ての決着がつくからね。

 私が答えると、リビオはやや興奮したように続けた。


「じゃあ、もうルージュが暗黒騎士を殺す必要はなくなるってこと!?」

「それは……あれ?」


 私が聖剣を使って自ら暗黒騎士を殺さなきゃいけないのは、このループの呪いを解くためだ。

 でも呪いをかけた張本人である魔王が倒されたのだとしたら、ループの呪いも解ける……?


「どう、なんだろう……?」


 呪いのことはよくわからない。しかも私が直接かけられているわけではないから、余計に。


 私とリビオは向かい合ったまま、揃って首を傾げた。


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― 新着の感想 ―
大概物騒な話してるはずなのに、最後の一行だけほっこり 『ウチの子供達は仲良くて可愛いなぁ』
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