表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ルージュの巻き込まれループ人生〜誰なの!?何度も死に戻ってるのは!〜  作者: 阿井りいあ
2章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

109/124

109 出し惜しみなんかしてられない!


「なんか、リビオの調子がおかしい」

「ふむ、たしかにおかしいね」


 体力温存のため、そして私がしっかり囮としての役割を果たすため、その場から動かず休み休み後方支援に徹していた私とベル先生は、同時にリビオの変化に気付いた。

 なんか急に動きがよくなったというか、魔王と互角に打ち合えているように見えるというか……気のせい?


「あんなに強かったっけ? 元々、かなり強かったのは知ってるけど……いやいやっ! 絶対にあれは異常じゃない!?」

「そうだね、異常だ」

「なんでそんな冷静なの、ベル先生っ!」


 絶対にリビオになにかが起きてる! それは確実なのにベル先生ってば冷静すぎるよ!

 それとも何? 私が大慌てだから冷静になれてるみたいなあれ?


「これでも心配してるよ。でもリビオはもう大人だ。自分で判断できるはず。見る限り本人も気付いた上で落ち着いているみたいだしね」

「でも……無理をするんじゃないかな。後で少しくらい体が動かなくてもいい、みたいに思ってそう」

「ルージュはリビオのことをよくわかってるね」

「リビオがわかりやすいんだよ……」


 魔法での身体強化だって、後々体に負担がくるもん。それも毎日少しずつ慣らして日々鍛錬していくことで負担は減らせるけど……あそこまで急激な変化はきっと後遺症もやばい。


「魔法がかけられてる形跡はないし、身に着けている装備の力だとしてもおかしい。急にブーストがかかったみたいだね。興味深い現象だ」

「興味深いで片付けられなくない?」

「どのみち考えたってわからないことが起きてる。見守るしかないね」

「それはそうだけど……」


 でもやっぱり、体が心配だよ。

 魔王との戦いは長引くだろうし、今からあんなに飛ばしていたらどこで力尽きるか……!


「それより朗報だよ、ルージュ。四天王の一人が倒された。ノアールが仕事したね」

「えっ、わかるの!?」

「まぁね、僕は——」

「天才だから、ね。わかったよ」

「冷たいな……」


 何度同じやり取りをしていると思ってるの。

 そんなことより!


「ノアールは大丈夫ってことだよね? 暗黒騎士になってないよね!?」

「もちろん。ルージュがまだここにいるのが証拠だよ」


 それはそうだけどさ……。突然の転移ほどトラウマが刺激されるものはないんだよ。ループの終わりと始まりに似てるんだもん。


 でも、よし。これで一歩進んだ。残る四天王はあと三人か。

 ジュンとクローディー、ラシダさんたちは今頃イフリートと戦ってるんだよね。


 そう考えると、心臓がどくどくとうるさくなっていく。みんな、大丈夫だよね? 無事でいるよね? 誰かを失うことになんてならないよね?


 不安で不安で仕方ない。っ、だめだ。そういうことは考えないって決めたのに。


「ルージュ」


 ふと、手に温かさを感じて顔を上げる。

 ベル先生が手を握ってくれたんだってわかって、自分の手がとても冷たくなっていたことにも気付いた。


「背負うのはルージュだけじゃない。みんなが背負ってるから」


 ……そうだ。私はつい自分だけで頭がいっぱいになっちゃう。


 戦場で戦っている人たちだけじゃない、戦略を立ててるオリドたちや、物資の調達をしてくれる人、戦いの無事を祈ってくれている人たちだってみんながやきもきしているに違いない。


 全員が無事でいられるとは限らない。でも、その重荷を私だけが背負おうだなんて烏滸がましいよね。

 みんなで背負う。誰になにがあっても、恨みっこなしだ。


「うん。ごめん、ありがとう。リビオが無茶しすぎないように、援護射撃しよう!」

「そうだね。やんちゃな息子にわかってもらわないと。僕らがどれだけ心配しているかって」


 視界が広がった気がする。よし、やれる。

 相変わらず攻撃がこっちに集中しているけど、慣れってこわいね。平気になってきた。


 よくも私を殺そうとしてくれたな、魔王。

 こっちだって、殺す気で仕掛けてやる。


 四天王が全員倒される前に倒してやる勢いで攻撃するんだからね!


 ベル先生と目を合わせてニヤッと笑い合うと、私たちは揃って大規模魔法の展開を始めた。


 ベル先生はわかりやすく炎の魔法を構築しているみたいだ。

 一方、私はそういう攻撃魔法は扱いが難しいので魔王の動きを止める時魔法を構築。


 これ、すっごい疲れるんだけどね。出し惜しみなんかしてられないと思って。それにやっぱり得意な魔法がなんだかんだで一番扱いやすいから。


 ノアール戦のことを考えて一応、魔力も体力も温存していたんだけど……その時はその時! なるようになる!


「っ、止まれっ!!」

「良いね、ルージュ」


 魔王の足元に魔法陣が現れ、ヤツの動きを止めることに成功した。

 け、ど……! 抵抗が激しいっ! 普通はこれで動きを止められるのに、時間の流れさえも魔王は抗おうとしてくる。こんなことできるヤツは初めてだよ!


 いや、よく考えなくてもループなんて厄介な呪いをかけた元凶なんだから、できるに決まってるか……。

 私の得意魔法はなにも効かないんじゃないかって自信がなくなりそう。


 でも、魔王の動きを数秒止めることができれば、他のみんなが一斉攻撃をしかけてくれるはず!


 ベル先生の大規模魔法が発動し、炎の渦が風を巻き込んで魔王へと迫る。

 ……他の人が巻き込まれませんように。


 ええい、抵抗するんじゃない。大人しくベル先生の攻撃を喰らいなさい!


 努力の甲斐あって、攻撃は魔王に直撃した。

 悲鳴のような叫び声が、鼓膜が破れんばかりに響く。


 効い、てる……っ!


 ベル先生だけじゃなく、戦っていたメンバーみんなの顔に喜色が滲んだ。


「この調子で追い込むぞ!!」

「おぉ!!!!」


 リビオの掛け声にみんなが応え、士気も上がる。


 よぉし、すっごく疲れるけどまだまだやるぞ! 私もみんなに負けてなんかいられないからね!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ