ダンジョン40階到達
カレーを作り、騎士団を見送った後、キュキュクラブはさらに上の階を目指す。
「エステル、メイ、今まで二人のレベル上げを優先していたけど、俺ときゅうのレベルも上げていくぞ。」
「暗黒時代に備えての魔物の間引きですか?」
「それもある。でも、あと少しできゅうのレベルが上がる!新しいスキルを覚えるし喋ることが出来るようになるんだ!きゅうが話を出来るんだ!すごいだろ!」
使い魔も魔物もレベル40で言語を使いこなすようになる。
ワクワクが止まらない。
「そっかー。」
「そうなんですね。」
喜ぶ俺をエステルとメイは少し引いて見ていた。
俺は先行して魔物に向かって駆け出す。
「スラッシュベアか!」
100体以上居るスラッシュベアに近づくが、スラッシュベアは腕を振り、斬撃を飛ばしてくる。
「遅い!」
俺はすべての斬撃を躱し、スラッシュベアを斬り刻んでいく。
「ちょ、ちょっと待ってよ!」
先行する俺にエステルが急いで駆け出す。
「きゅうを早くレベル40にしたいんでしょう。」
スラッシュベアは5体まで減っていた。
「5体残した!倒してくれ!」
こうしてどんどんペースを早めて魔物を狩り続ける。
そして、
「きゅうのレベルが40になったぞ!きゅう、何か話してくれないか」
「話せるよ。」
きゅうからかわいらしい声が聞こえる。
エステルとメイがきゅうに駆け寄る。
「きゅう、私の名前はわかる?」
「エステル。」
「私の名前は分かりますか?」
「メイ。分かるよ。」
「キャー!可愛い!」
「最高です!」
2人は話が出来るようになったとたんにきゅうで遊び始める。
俺は無言で魔物を回収するが、解せぬ!
俺、今まできゅうのレベルを上げれば話せるようになるって、熱く語ってきたよな?
エステルとメイはあんまり反応良くなかったと思うけど、きゅうが可愛く話し出したとたんにこれだ。
「2人とも俺がきゅうのレベル上げしてた時は反応が良くなかったよな?」
エステルとメイは俺の話を聞かず、きゅうに夢中だ。
「食べ物は何が好き?」
「クッキー。」
「今日は私とお風呂に入りましょう。」
「ハルトと入る。」
「えー?一緒に入りましょう。それかハルトと私、きゅうで入りましょう。」
「いいよ。」
「私は?私も一緒に入るよね?」
ダメだ、こうなったらこっちの話はもう聞かない。
きゅうも数日は離さないだろう。
きゅうのレベルは上げた。次は俺の職業を特級に上げたい。
『敏捷アップ』のレベル上げだな。
「俺は魔物を狩ってくるぞ!!」
俺は全力ダッシュで魔物狩りに向かう。
こうして魔物を狩りまくってどんどん上の階へと進んだ。
あっという間に39階にたどり着く。
「スラッシュベアのボスクラスが5体いるな。」
「逃げようよ。」
「私とエステルは、厳しいですよ。」
「俺ときゅうで行ってくる。きゅう、来てくれ。」
きゅうが俺の背中に飛び込む。
5体のボスが俺を扇状に包囲し、斬撃を飛ばす。
俺は全速力で攻撃を避け、斬りつける。
ボスクラスはしぶとい。
しかも今回のボスは39階、レベルが高いのだ。
数回の攻撃では倒せない。
とにかく足を止めず、攻撃を続ける。
1体にターゲットを絞り、集中的に攻撃を続ける。
ただ速く走り、素早く包丁で攻撃する。
俺にはそれ以外の攻撃方法が無い。
戦闘職の剣士なら、疾風剣やスラッシュのような技を使える。だが俺には技が無い。
だから俺は、素早く動き、包丁で攻撃する、それだけを繰り返してきた。
1体、2体とボスが倒れる。敏捷アップのレベルが上がるが、構わず攻撃を続ける。
3体、4体、ボスを倒すほどに俺の攻撃は激しくなる。
最後のボスに包丁を突き立てると音を立ててボスが倒れる。
「なんかいつもよりカッコ良かったよ!」
「はい、見とれてしまいました。」
こうして、40階へと到達する。
40階は20階と同じで、ワープして入り口に戻れる。
キュキュクラブはダンジョンの外にワープした。
「久しぶりに外に出たよ。」
「帰ってきた感じがします。」
その後、大量に物資を買い込み、俺はストレージのスキルを何度も使い、スキルのレベル上げを行う。
余った時間は、カレーとお菓子をひたすら作った。
エステルは、話せるようになったきゅうを騎士の女子友達に見せに行き、皆にお菓子を配る。
メイは俺の料理の受け渡しと、メイド作業を続ける。
俺は特級職になった。
ハルト 男
レベル 46
職業 特級料理人
ノーマルスキル
経験値上昇・超 レベル10
職業スキル
包丁 レベル8
料理 レベル8
ストレージ レベル7
感知 レベル7
敏捷アップ レベル7
敏捷アップ レベル7
みじん切り レベル1
疾風迅雷 レベル1
みじん切りは連続で敵を斬り刻む技、疾風迅雷は使用中に敏捷をアップさせるが、使用中は魔力を消費する。
これは、試してみないと今日は眠れないな!
「きゅう!来てくれ!ダンジョンの39階に行ってこよう!」
「いくよ。」
きゅうが俺に飛び込んでくる。
「え?もう夜ですよ?」
「でも行ってくる。」
俺はダンジョンに駆け出す。
ダンジョン39階
アサルトボアの群れか、ちょうどいい!
「みじん切り!」
包丁の連撃でアサルトボアがばらばらになる。
「これ素材がもったいないな。」
「疾風迅雷!」
俺の敏捷が少しだけアップした。
魔物を斬り刻みつつ、「みじん切り!」
こうして魔物を全滅させた。
分かってきたぞ。
みじん切りは必殺技的な能力だ。
そして疾風迅雷を使ったままみじん切りを使った方が攻撃が速くなる。
更に敏捷依存で威力が上がる。
疾風迅雷はレベル1で敏捷を10%上昇させる。
俺の敏捷アップ、2つの効果で敏捷が170%になり、さらにそこから疾風迅雷を使えば10%上昇か。
敏捷アップ・疾風迅雷どっちもレベルを上げたらもっと早く動ける気がする。
だが今は魔力があまり残っていない。今日は帰ろう。
明日からが楽しみだ!
次の日、キュキュクラブはダンジョン39階に来ていた。
「ハルトにどんどんレベルを離されていくね。」
「もう追いつける気がしません。」
「2人とも短期間で急速に強くなってるぞ。」
「ハルトのおかげだよ。」
「後、きゅうのスキルにも助かってますよ。」
きゅうは得意げになる。
お、早速魔物だな。
「疾風迅雷!」
どんどん倒せる!
「疾風迅雷!」
楽しくなってくるぞ。
「疾風迅雷!」
「ちょっと待ってよ!」
「疾風迅雷!」
「追いつけません!」
俺は魔力が無くなってくるまで全力で走り、魔物と闘う時は疾風迅雷のスキルを使い続けた。
ハルトは嬉しそうに走り回り、ひたすら自身ときゅうのレベルを上げた。
ダンジョンの外では事件が起きていたが、ハルトがその事を知るのは、ダンジョンの外に出た後の事である。
ステータス
メイ 女
レベル34
職業 上級メイド
ノーマルスキル
睡眠学習 レベル10
ショートスリーパー レベル10
職業スキル
短剣 レベル6
メイド レベル6
操作魔法 レベル5
生活魔法 レベル5
補助魔法 レベル5
リジェネ レベル3
エステル 女
レベル36
職業 上級木こり
ノーマルスキル
健康 レベル10
回復力アップ レベル10
職業スキル
斧 レベル5
採取 レベル5
木材加工 レベル5
テイム レベル5
筋力アップ レベル3
防御力アップ レベル3
ハルト 男
レベル 52
職業 特級料理人
ノーマルスキル
経験値上昇・超 レベル10
職業スキル
包丁 レベル8
料理 レベル8
ストレージ レベル7
感知 レベル7
敏捷アップ レベル8
敏捷アップ レベル8
みじん切り レベル2
疾風迅雷 レベル4
きゅう メス
レベル 47
スキル
経験値の祝福 レベル10
風魔法 レベル 4
水魔法 レベル 5
光魔法 レベル 2
土魔法 レベル 1
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