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キュキュクラブ不在のホワイト領

「リコ!やっと帰ってきた!」

受付嬢がリコに抱き着く。


「ご迷惑をおかけしましたわ。」


「良いのよ。今日はゆっくり休んでね。」


「皆さんはゆっくり休みましょう。わたくしは明日の朝までに資料をまとめますわ。」


「私も手伝いましょう。」


「カイ、それではお願いしますわ。」


朝になり、目を覚ますと、リコは机で眠っていた。

肩には毛布が掛けられる。

は!今日までに資料を作らねば!


「おはようございます。コーヒーを淹れてまいります。」


「カイ、ありがとうございます。わたくしは会議の時間までに資料をまとめますわ。」


「資料でしたら作ってあります。後はリコ様の確認をお願いします。」


「助かりますわ。」

リコがほっとした表情を浮かべる。

ゆっくりとコーヒーを啜りながら資料のチェックをする。

「うん、素晴らしい出来ですわ。さすがカイ。」


「早速皆を集めます。」


「本当に助かりますわ。」


ギルド員・騎士ジーク・ゲン・カイを集めてすぐに会議が始まる。


「ホワイト領の問題ですが、家が足りない・無職者が多い・食料が足りない、この3つですわ。」


ゲンさんが嬉しそうに腕を鳴らす。

「家なら俺がたくさん作るぜ!それと大工と木材加工スキル持ちは俺に預けな!育ててやるぜ!」


「では、すぐにでもお願いしますわ。」

ゲンはやることが決まればじっとしていられない。

リコは皆の性格を見抜き、伸ばすように指示を出す。


ゲンは嬉しそうに仕事へと向かう。


「無職者の問題ですが、私が資料を作成してもよろしいですか?」

カイが立候補する。


「お願いしますわ。ですが、この会議が終わったら、いったん休息を取って頂きたいのですわ。疲れが顔に出ております。皆からも休ませるよう進言がありましたわ。」


「かしこまりました。」


「食料問題ですが、騎士ジークに手伝いをお願いしたいのですわ。」

農地開拓はすぐに結果が出るわけではない。今すぐ出来ることは魔物の肉の供給量を増やすことなのだ。


「俺の剣レベルは6だ。剣の訓練も、魔物狩りも出来る。」


「ジークにはダンジョン合宿で剣の教育をしつつ皆を守り、レベル上げの手伝いをして欲しいのですわ。」


「了解した。」


こうして大きな3つの問題すべてに対策を取った。

ここにハルトが居ればもっと楽だった。

そう思いつつ仕事をする。


リコは前回の治安悪化を反省し、鑑定スキルで街のみんなをチェックして回る。

鑑定スキルで大まかな性格を知ることが出来るのだ。

これにより事前に悪人をあぶりだすことが出来た。


ゲンがホワイト領の建設を取り仕切るようになったことで、大工の教育速度は飛躍的に向上した。


カイも優秀で、計画の作成から人材の候補まで揃えてくる。

生き生きと仕事をし、うまく行かない部分が出ればすぐに修正案を出してきた。

すでにリコの右腕として周りからも一目置かれる存在となる。

更にリコが人材の鑑定結果をまとめ、カイが周りの人間の性格や領の特徴を把握するとカイの計画作成の質はさらに上がっていく。


ブラック領は逸材を手放したのだ。


ジークは最初だけは怖がられたものの、粘り強く何度も反復して訓練を繰り返し、何度同じことを聞いても丁寧に答えるまじめさが伝わり、今では護衛としても剣の先生としても優秀な結果を見せ始めた。


やっと難民受け入れの目途が立って来た。


しかし、まとまりつつあるホワイト領にシーフ家の魔の手が忍び寄る。





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