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主力不在のホワイト領

俺は今日王都へと旅立つ。


早朝にもかかわらずたくさんの人が見送りの為集まる。


前ブラック学園入試で同行した騎士が迎えに来る。


出発しようとしたその時、異変が起こる。


大量の馬車がホワイト領に止まったのだ。


数えると100台の馬車。


明らかに異様な光景だった。


男が前に出る。

顔はぼこぼこでまるで何度も殴られたように腫れる。

白髪が多く、弱ったように動きに覇気が無い。


「わたくしブラック領執事のカイと申します。どうかお願いです。何も言わずにこの難民達を受け入れて頂きたいのです。そして、ホワイト学園の精鋭をブラック学園に引き抜く許可を頂きたいのです。」


執事カイは土下座した。

「どうかお願いします。」


周りがざわつく。


俺は執事の顔がぼこぼこになっているのが気になった。

きゅうはぐっすり寝ている。早朝はなかなか起きない。

俺はストレージからポーションを取り出す。


「まずポーションを飲んでくれ。」


「そのような気遣いは無用でございます。」


「まず顔を直そうか。ポーションを飲んでくれ。」


「どうかその愛を難民に向けて頂ければ幸いです。」


「今ここで飲むか、このポーションを叩き割るか選んでくれ。話が進まないから早く飲んでくれ!」


執事は無言でポーションを飲んだ。

体が楽になったようで風呂に入った時のように声を漏らす。

「おおおおお。」


「では話し合いをいたしましょう。」


リコ・騎士・ゲンさん・俺・執事カイだけでギルドの会議室へと向かう。


見送りのメンバーは解散する。


「さて、ここならたくさん独り言が言えますわね。」

リコはカイに笑顔を向ける。


カイはリコに礼をする。


「これは私の独り言ですが・・・・・・」





なるほど、

・テイカーが俺との決闘を画策している。

・テイカーのレベルアップの為、罪人の処刑・経験値の実の大量購入・宝剣の持ち出し・ボスの止めを刺すだけの経験値稼ぎ。

・約5000の難民がホワイト領に集まる。

・ホワイト学園の引き抜きの画策


「よくもまあこんなに、ひどいことが出来ましたわね。独り言ですわよ。」


騎士とゲンさんは泣いていた。


「今影響あるのは、難民の受け入れとホワイト学園の引き抜きだな。これ、リコが王都に行ったらまずいんじゃないか?王都に出向くの中止したい?」


「一日遅らせるまでは出来るがそれ以上は無理だ。すまない。」

騎士が謝る。


「いや、一日じゃ解決できないぞ。」


「ハルト、1日まで。それ以上は無理なのでしょう。まず難民ですが受け入れるしかありませんわね。一日で出来る限りのことをして、後は手紙で何とかするしかありませんわ。」


「ホワイト学園の引き抜きはどうする?」


「ハルトならどういたしますの?」


「俺なら、そのまま生徒に言うぞ。条件が良く分からないけどな。」


「条件は、近接戦闘職のレベル15以上が受け入れ対象となります。レベルにより引き抜き金額が変わり、レベル20なら2億で引き抜きます。」


「1レベル上がるごとに1000万上がっていくのか?」


「その通りです。」


「分かりました。生徒にそのまま伝えますわ。」


「カイ殿、裏で王家に働きかけてみよう。」

騎士が短く言った。


こうして、リコとカイは学園、俺は難民の料理、ゲンさんは大工の仕事に戻った。

騎士は難民を見て回りメモを取っていた。


ホワイト学園の四天王を含めた15名がその日ブラック学園への転入に応じ、カイとともに馬車へと乗り込む。


俺はカイにサンドイッチを渡す。

ブラック学園への転入者にはもちろん渡さない。


「今頂いてもよろしいですかな?」


「ああ、大丈夫だぞ。」


カイは、サンドイッチを食べると、ボロボロと涙を流した。


カイは俺達にお礼を言い帰っていく。


俺とゲンさんはその夜ぐっすり眠ったが、リコは徹夜だったようだ。


次の日の朝、俺達は王都を目指して旅立った。

リコは馬車で眠り、ゲンさんは景色を眺めながらあくびをする。

きゅうはマイペースに眠る。



俺は、騎士の元に近づく。


「名前は何っていうんだ?」


「ジークだ。」


「そうか。カイは、助かると思うか?」


「分からんが、王なら、助けられるかもしれん。」


「可能性ありか。うん、ありがとう。」


俺が離れようとすると、意外にもジークが声をかけてきた。

「ハルト、何もできず、すまん。」


「大丈夫だ。」









リコ・ハルト・ゲンさんの不在の穴は大きく、難民の受け入れに苦戦した。



エステルとメイは新たな目標を得ていた。

上級へのランクアップである。

ランクアップの条件は、職業スキルすべてをレベル5以上にすることだ。




エステル 女

レベル22

職業 中級木こり 

ノーマルスキル

健康        レベル10

回復力アップ    レベル10  

職業スキル

斧         レベル5

採取        レベル4

木材加工      レベル4

テイム       レベル2



メイ 女

レベル18

職業 中級メイド

ノーマルスキル

睡眠学習      レベル10

ショートスリーパー レベル10

職業スキル

短剣        レベル4

メイド       レベル5

操作魔法      レベル3

生活魔法      レベル5




エステルは、ビックピヨのテイムを行い、テイムのレベルアップを目指した。

ビックピヨ、騎乗可能で、食べさせる餌も少なくて済む為、安価な乗り物として一定の需要がある。


「待ちなさーい!」


「ぴよ~!」


逃げるビックピヨを追いかけ、テイムを試みる。


「テイム!テイム!」


「ぴよ~。」

ビックピヨのテイムに成功し、エステルにすりすりする。


「よーしよし。いい子ね。」


こうしてエステルはテイムのレベルを上げる。

大量にテイムされたビックピヨにより、物流の効率を上げていく。






メイは掃除の仕事を積極的にこなす。

操作魔法でほうきや雑巾などを自動で動かし、掃除を素早く終わらせる。


「メイちゃんが居ると掃除が早く終わって助かるだよ。」


「いえいえ、私も修行が出来て助かっていますよ。」


メイは睡眠学習の能力によりスキルレベルの上昇スピードは高い。

しかし課題もあった。レベルの低さである。

キュキュクラブの中で最もレベルが低い。

盗賊の襲撃ではゲスに負けた。

他のみんなともどんどん差を付けられている。


「早く上級になってレベルを上げます!」



テイカーの異常な行動で窮地に陥るホワイト領と、目を付けられるハルト。

ハルトとテイカー、対決の時は近い。



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