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疾風の料理人

ゲスの合図とともに盗賊が街を襲撃する。


寄せ集めの盗賊の為皆好き勝手に街に乗り込み略奪していく。


「盗賊の奇襲だ!」


すぐに戦闘可能な者が応戦に当たる。


だが、主力は不在。


どんどん殺されていく。


リコとメイも必死で応戦する。


「あがあ!」

リコが横から腹を斬りつけられる。


メイは必至でリコを守りつつ後ろに下がらせた。


「今はこちらが優勢です!巻き返しましょう!」

メイの言葉に皆が勢いづく。


だが、ゲスが参戦したことで一気に劣勢に追い込まれる。


「あ、あれはゲスだ!」


「2億の賞金首か!」


ゲスは短剣を巧みに操り、あっという間に5人を斬り倒す。


「調子に乗るなよ雑魚どもが!俺は近衛騎士すら倒したゲスだ!お前ら非戦闘職どもなど相手にもならんわ!」


メイはケガをしたみんなを下がらせるため、ゲスと対峙し続けた。


「早く後ろに下がってください!」


「ほお、中々の度胸だ。それに見た目も良い!」

ゲスはぺろりと舌なめずりをした。

メイの全身を嘗め回すように見る。


メイは恐怖に震えた。


「お前は生かしておいてやる。持ち帰って奴隷として可愛がってやる!ありがたく思えよ!」


ゲスがメイに斬りかかる。


ゲスはメイをなぶるようにメイを追い詰めた。


服だけを切り裂くようにワザと致命傷を与えず、メイの服と皮膚が薄く斬られていく。


メイの服がボロボロになり、浅い傷が無数につく。


そこでメイに異変が起きる。


持っていたナイフを地面に落としたのだ。


ゲスは口角を釣り上げて舌なめずりをする。

「どうした?体が動かないか?」

ゲスのスキルで剣に状態異常を付与したのだ。


メイはその場に倒れる。


ゲスは周りを見渡すと舌打ちをした。


「邪魔な兵どもを早く倒せ!」


体が、動かない。


「ち!まったく、非戦闘職の雑魚どもが俺に勝てるわけがない。」

どんどん仲間が倒されていく。


ごめんなさい。


「あまちゃん共が、俺に勝てるわけねーんだよ!」


皆、ごめんなさい。


「お前ら非戦闘職の無能どもは俺たちに尽くすために居るんだよ!」


助けられなくてごめんなさい。


メイの瞳から涙が溢れる。


ゲスはメイの涙を見て満足げに高笑いをする。

「ぎゃはははははははは!」


そこで盗賊の首が飛ぶ。


何が起きた!

ゲスが周りを見渡すと盗賊が倒されている!


「何だ!?」


盗賊の首がごろんと落ちる。


そこには黒目黒髪の男が立っていた。


「ハルト!」

リコが後ろから叫ぶ。


「きゅう!メイを助けろ!」


「きゅう!」


黒髪の特攻にゲスは後ろへと下がる。

「あいつを殺せ!」


ハルトに突撃する盗賊の首がどんどん刎ねられていく。


「戦闘職のエースか!」


ゲスは自身のペンダントに魔力を込める。


ペンダントは上空に浮き上がり、太陽のようにまぶしい光を発する。


「これで500の仲間が集まってくる!お前をなぶり殺してやる!」


十数人の盗賊が現れるが、これ以上仲間が増える気配が無い。


「なぜ来ない!」


ハルトは口角を釣り上げた。


「まさかお前が殺したのか!」


ハルトは作業をするように危なげなく集まる盗賊を倒していく。


ゲスとその近くに居る盗賊以外を皆殺しにした。


「まあいい!俺とこの二人で多くの騎士を殺し、近衛騎士すらも手にかけてきた!」


ゲスと左右の2人は、ハルトを取り囲むように立ち回ろうとした。


その瞬間ハルトは2人の内1人に迫る。


盗賊は力を失いばたんと倒れる。


更にもう1人に目を向けると、ゲスの影になるように立ち回り、あっという間に斬り倒す。


「何だ?お前は何者だ?」


「俺はハルトだ。」


ハルトはリコに目で合図を送った。


リコはすぐに察した。

「今の内に、皆を避難させて治療するのです!」


「ふ、時間稼ぎか!言っておくが雑魚がいくら取り囲んだところで無駄だ!俺は上級クラスの戦闘職だ!」


ゲスがハルトに斬りかかる。


3度刃が打ち合った後、ゲスの喉に刃が飛び込む。

素早く首を逸らせて直撃を躱す。


「喉を切り落とせなかったか。」


なんだ?何が起きている?俺が首を落とされかけた?

喉から血が流れる感触を感じる。


ハルトはさらにゲスに斬りかかり、腹に横一線。


ゲスの腹から血が流れる。


ゲスは一瞬で判断する。


こいつは化け物だ!


素早く後ろに下がると、撤退する。


が、気づいた時にはすぐ後ろにハルトの姿。


ゲスは背中に十字の傷を負う。


ゲスは振り返りざまに斬りつるが、今度は逆に腕を斬られる。


「やはり切り落とせないか。ステータスが高いな。」

ゲスは足を斬られる。


ゲスは尻もちをつき、尿を漏らす。

「や、止めろ!やめてくれ、何でもする!助けてくれ!お、俺のストレージに財宝が入っている!出せる物なら何でも出す!」


「お前を殺せばストレージの物が出てくるな!」


「ひ、ひいい!や、止めてくれ。」


「お前は命乞いする人間の言う事を聞いてきたのか!!」


「た、助けてくれ!」


「殺すなら殺される覚悟を決めろよ!」

ハルトが大声で叫ぶ。


ハルトはゲスを斬り刻む。

ゲスの周りに財宝が大量にあふれ出す。


周りの者は皆ハルトとゲスの戦いを眺めていた。


リコが呟く。

「疾風の料理人。」


周りの冒険者が反応する。

「そうだ!疾風の料理人!ハルトは俺たちの英雄だ!」

周りの者が歓声を発する。


メイがハルトの胸に飛び込む。

号泣していた。


ハルトはメイにフードを着せ、体を隠す。


最後までお読み頂きありがとうございます!ここまで少しでも、ほんの少しでも面白いと思っていただけた方はブクマ、そして下の☆☆☆☆☆から評価をお願いします!

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― 新着の感想 ―
[気になる点] ホワイト領はあまりにハルトに頼りすぎじゃないかな?その歪みが今回の襲撃に繋がっていると思う
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