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ギルド襲撃

「ギルドが盗賊の襲撃を受けましたわ。」

リコの表情は暗い。


「被害は分かるか?」


「死者28名、74名が重軽症ですわ。ギルドのお金も盗まれました。約6800万ゴールドですわ。」


「建物への被害はあるか?」


「いえ、それはありませんわ。」


ギルドですぐに緊急会議が開かれるようだ。


周りを見て回る。


重傷を受け、治療を受けている冒険者。


孤児院暮らしが決まる子供。


放心状態で俯く人。


「ハルト、会議への参加をお願いしますわ!」


俺は会議に参加した。


俺は、難民の助けになればと思って魔物を狩った。


魔物の肉をみんなが食べてくれる。


投資したお金で家が建ち、難民が家に住める。


難民全員が悪いわけじゃない。


分かってる。


盗賊は許せない


許す必要は無い。


「盗賊・・・殺すか。」


全員の視線が俺に集まる。

声に出ていたようだ。


俺は会議が中断されるのもかまわず言葉を続けた。


「盗賊の場所や出没地点を教えてくれ、規模も分かれば知りたい。俺が行ってくる。」


「危険よ!」

受付嬢が叫ぶ。


「いえ、お願いします。規模は全部で1000人ほどと思われますが、今現在も増加中です。複数の盗賊集団が集まっているようです。盗賊の出没地点などは、地図を用意します。10分ほどお待ちいただきたいのですわ。」


受付嬢はリコに反論する。

「危険だわ!ハルト君が殺されるかもしれないのよ!」


「ハルト、レベルと包丁、感知のレベルをみんなに教えていただけませんか?」


「レベル32,包丁は6、感知4だ。」


周りがざわつく。


レベル32、レベルだけで言えば王都の近衛騎士でも十分通用する。

さらに包丁レベル6。武器レベル6は壁を突破した者として尊敬される。

非戦闘職とは言え、かなりの実力者なのだ。


「ハルトは今いるこのホワイト領の中で最強です!ギルドが襲撃された今、わたくし共に余裕はありませんの。ハルトに頼りますわ!」


こうして俺は、盗賊狩りへと向かった。








盗賊の隠れ家

洞窟内部


盗賊の笑い声が大きく響く

「げへへへ!ホワイト領はちょろいぜ!」


「ホワイト領に戦闘職が少ないってのは本当のようだな。」


「ああ、しかも俺達を殺さず、捕まえようとしやがる。とんだあまちゃん揃いだぜ。」


「しかも女が多い!攫って隣国に売りつけりゃ更に儲けられる!」


「今の内に早く稼がねーと盗賊仲間に奪われちまう!」


「ちげえねえ!ぎゃははははは!」


「・・・おい!見張りはどうした?」


「そういえば戻ってこねえな!またサボりか!」


「お前働かせて来い!」


「分かった。そんなに怒鳴るな。」

盗賊は外に出かけた。





10分後。

「やっと戻ってきたか!遅すぎるんだよ!、!!な、何だお前は!」


戻ってきた男は、出かけた者の首を持っており、首を盗賊の集団に投げつける。


気味が悪い。その男は気味が悪かった。

黒目黒髪にフードを被る。

珍しい髪と目の色。

子供、いや、青年か?

口角を釣り上げて不気味に笑い、こちらを睨む。

手には剣ではなく包丁が握られている。

俺達を食うつもりか!?

肩には真っ白いキュキュが乗り、俺達をじっと見つめる。


い、意味が分からねえ!

何だあの格好は!

何で包丁を握ってる?なぜ笑っている?なんだあの髪と目の色は?なぜキュキュを肩に乗せている?普通使い魔にするなら狼や騎乗系だろ?そして、なぜ俺の問いかけに答えない!?

こいつ人間か?


「お、お前は何者だ!!なんでここに居る!!」


黒髪の男は無言で包丁を二刀に構える。


そして無言で周りの首を跳ねていく。


「ば、化け物!殺せ!あいつを殺せ!」


洞窟内すべての盗賊が殺され、一撃で首を両断された。


「もう反応は無いな。」


『感知のレベルが4から5に上がりました。』


『中級料理人から上級料理人にランクアップしました。』


『新たな職業スキルが解放されます。』


『敏捷アップレベル1を取得しました。』


『敏捷アップレベル1を取得しました。』



「敏捷アップ2つか。」


「きゅう、回収が終わったら次に行くぞ!」


「きゅう!」






ハルトが出発してすぐに、盗賊の討伐隊が編成された。冒険者・兵士・学園生、とにかく戦闘が出来る者は出来るだけ参加し、盗賊の討伐が行われる。


盗賊たちは討伐隊・ハルト、2つの集団に一気に追い詰められた。


しかし、追い詰められたことで盗賊は一気に結束を強めた。

今までばらばらに暴れまわっていた盗賊たちは束ねられる。

さらに盗賊に甘いという噂を聞きつけホワイト領に流れてきた盗賊をもまとめ上げる。


このことで盗賊は、ハルトたちによって倒された残りが結束し、600にも及ぶ大集団に生まれ変わった。


盗賊を束ね、頂点に立った男の名は『ゲス』。

2億ゴールドの賞金をかけられた大盗賊である。


「ゲスの旦那、俺達を討伐するために討伐隊が集まってきますぜ。」


「今すぐこの拠点を捨てる。そして、討伐隊が居ないホワイト領を一気に襲う!」


「さすが旦那!手薄なホワイト領を狙うゲスな作戦だ!」


「げへへへ!もっと褒めろ!さらに無能の盗賊どもを100人残し、討伐隊を足止めさせ陽動に使う!」






討伐隊により、100の盗賊団は無事に討伐された。


「うーん、なんかあっけないよ。」

エステルが違和感に気づく。


「まあ、確かにあっけなかったな。」


「この盗賊たちっておとりにされてるんじゃない?」


明らかに弱すぎる敵!


「陽動・・・狙うは街か!間に合うか分からんが、すぐに帰還するぞ!」







ホワイト領の街


辺りは暗くなる。


「予想通り兵士が少ない!今から街を襲え!」


ホワイト領の街は危機に瀕していた。


最後までお読み頂きありがとうございます!ここまで少しでも、ほんの少しでも面白いと思っていただけた方はブクマ、そして下の☆☆☆☆☆から評価をお願いします!

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