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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

刺された○○○

作者: 鶴宮諭弦

久しぶりに投稿しました。

皆既月食を見ていてふと思いついたことを書きました。

○○○を自分の想像で当てはめ、話に入り込んでくれれば幸いです。

 刺された………刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された。


 腹部を包丁らしきもので一突き刺された。鈍い音とともに私の中に深く、深く入っていく。

 当たり前だが、刺された経験など無かった。漫画やドラマを見ているときに、どれくらい痛いのかなと考えたことはあるが、思いの外痛みはない。

 それよりも何故私は刺されたのかという疑問が頭の中を渦巻いている。

 犯人は分かっている。だから私が求めるものは動機だけだ。


 刺された………刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された刺された。


 心の底の底、誰にも知られたくない所を刺された。信じていた者に裏切られたと思うこと程辛いものはない。痛覚から送られる信号など無視が出来る程に目には見えない部分が痛い。

 相手からしてみたら裏切りでも何でも無いのかも、もしかしたらその行為自体が相手にとっての好意の示し方なのかもしれない。もしそうならば、この状況も少しは私にとって救いになり、絶望的とは呼べないかもしれない。

 しかし、この行動自体を理解することは出来ない。あくまでそうであって欲しいという動機は見つかった。この際、相手の真意はどうでも良い。脳は状況ゆえに正常に働かず薄れ行く意識の中の私が納得できるものが欲しい。

 真実とはかけ離れた、虚構に満ちたものだとしても、私自身が満足出来ればそれでいい。

 ゆえに、包丁らしきものをゆっくりと私の中から取りだし、前に倒れ込む私を見つめながら、口元をとても愉快そうに、そして嬉しそうにしながらも、目元は笑っていない相手を見上げながら考える。

死ぬからなのか、走馬燈のように直前のことを思い出す。

 夜一人で部屋にいた私の元へと訪れた相手はインターフォンに取り付けられたカメラとマイクで会話した限りでは何も変わった様子は無かった。違和感も何も覚えなかった。

 いつも通りの声、いつも通りの瞳、いつも通りの明るい笑顔。全てがいつも通りだった。

 私は何の躊躇いもなく扉を開けた。むしろ誰よりも信頼と信用している相手だ、こんなありふれた日常の中で疑う方がおかしい。

 だが、今回はそのおかしい方が大切だった。

 中に入って扉を閉めた相手は、私と向かい合いお互いに軽く微笑んだ直後、まるでお土産でも取り出すが如く自然にバックの中から包丁らしきものを取りだし、刺してきた。そして、刺されたことを認識した時には既に床一面に私の血が広がっていた。

 分からない、私に対する好意の表れだとしても何故こんな方法だったのかが分からない。

 既に脳に血は回らなくなり、気を抜いた瞬間に意識が飛び、魂が身体から手を離しそうだ。だから、私は最後の力を振り絞り、相手に何故と目で訴えかけた。相手はそれを理解してくれたのか、

「好き……………………………………」

 長々と言っているが、今の私には最初の一言しか聞こえなかった。

 しかし、最初の一言を聞けて良かった。それは私が聞きたかった一言なのだから。

 そして、言い終わった相手は何故か絶望的な表情を浮かべた。浮かべたからこそ分かった。何故こんな方法で好意を示してきたのか。

 私も好きだからこそ一度は、いや何度も思ったことがある。好きな相手を独り占めしたいと。でも、本能で考えても理性が抑制してしまう。

 それでも強すぎ想いは止められないし、歯止めが効かない。

 つまり、相手は私に対しての想いが私より強かっただけの話だ。でも、独り占めして気づいてしまったのだ。

 独り占め先に何も無いことに、だから悲しんだ、後悔した、先のことを不安に思った。だからあんな表情を浮かべたのだ。

 なら、私にできることは一つしかない。肺に上手く空気が届かない、しかし、この言葉だけは伝えたかった。

「私も好き………○○○」

 私の言葉を聞いた、相手の瞳から涙が溢れ出て、真下にいた私の頬に落ちてきた。

 私はその涙の温もりを感じながら、静かに目を閉じた。


どうでしたでしょうか?

楽しめたでしょうか?

○○○の中には何が入りましたか?

好きな人? 大切な人? 家族? 何にしても楽しめたなら嬉しいです。

また、何か出来たら勢いで投稿するかもしれませんがどうぞよろしくお願いします。

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