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31話 ささやかな復讐と細かな報告

 気がつけば、両親の事故死から1年が経過していた。

 命日に、事故現場まで2人で行って来た。

 途中道路工事と、事故渋滞が重なり大渋滞になった為、現場に到着したのは夕方暗くなってからだった。

 元々人通りも車の通りも少ない場所なのだが、帰宅時間も過ぎていた関係で静かに献花や線香があげられた。

 俺達が来た時点で、献花などの跡は全く無かった。

 つまり、親戚一同はもとより、加害者も献花にすら訪れていないと言う事だ。

 以前も言ったが、この加害者はかすり傷だけなのだが、通夜はもちろん葬式、初七日、49日も全く顔を出していない。

 全ての対応は、加入していた保険会社が対応し、葬儀時の香典も保険会社から出されていた。

 そんな訳で、俺達は加害者の顔すら知らなかったりする。

 俺たち的には、正直どうでも良かった。両親を失った失望感が大きすぎて、恨みの感情が入る余地が無かったんだよ。

 その後、ある程度落ち着いてくると、家が無くなると言う事態に対処する事に必死でそれどころでは無かった。

 そんな訳で、やっと落ち着いて加害者に対して考えることが出来るようになったと言う事だ。

 無論、この現場に献花があれば、そこまで考えなかったかも知れない。だが、現実は『無かった』訳だ。

 一応、加害者の名前は知っていた。何故か警察は教えてくれなかったんだが、借金の取り立てに来ていた親戚がその名を言っていたので俺達も知ることとなった。

 地元都市銀行の社員で、父親も同銀行のお偉いさんと言う立場らしい。

 親戚達は「金持ってるから、搾り取れるだろう」などと言って両親の借金分以上を取ろうと画策したようだ。結果は、保険屋にけんもほろろに対応されたらしい。そこら辺は俺達の知ったことでは無い。

 そんな罵倒飛び交う中で、加害者の住む家が話題になった。場所・外観共に変わった所で、見に行けば直ぐに分かる所らいし。

 某団地の一番奥にあって、門や塀が西洋のお城風になっている大邸宅と言う事だ。確かに分かりやすい。

 帰りがけに、俺達はその大邸宅を見に行った。

 その時点では、さほど他意は無かったんだよ。『そう言えば、加害者の家って知ってたっけ、見に行ってみるか?』程度のモノだった。

 献花が無かったことで加害者のことを思い出し、それにしたがってて家の話を思い出して、軽いいら立ちだけで行動したに過ぎなかった。

 だが、実際その場に言ってみると、その家の前にある無駄に広い駐車場には路上にはみ出すようにして6台の改造スポーツカーが止まっていて、門から見える庭で、加害者と思われる年齢の男女がビール片手にバーベキューパーティーをしていた。

 完全に日が落ちた状態で、別途照明設備を持ち込んでのパーティーらしい。

 しばらく呆然としていた俺達の側を、同一団地内の住人らしき者がウォーキングしながら近づいてきた。

 碧は車から降りると、その年配の男性に話しかけた後、両眉を上げた状態で戻ってきて、「アレが、あの加害者だってさ」とだけ言って黙り込んだ。

 その後、家に帰るまでの3時間、碧は全く喋らなかった。俺も無言だった。ぺんぺんとデボを家に残してきて良かったと思ったよ。

 こんな負の感情を彼らに見せたくないからね。

「魔法がダンジョン外で使えるなら、MP全部使ってファイアー・ストーム叩き込んでやったのに」

 家が見える段になって、初めて口を開いた碧の言葉がソレだった。

 正直俺の気持ちも同じようなのもだったよ。

 ただ、じゃあ復讐しようか、とは考えない。なぜなら、絶対バレるし、その事については俺達が間違いなく『加害者』となる訳だからだ。

 経緯はともかく、自分たちが『加害者』と成るのはイヤだ。あの男と同じか、それ以下の立場に落ちることになる。そう考えると絶対にしたくない。

 だから、ぐっと自分の中に押さえ込む。

 だが、碧はそうはいかなかったらしい。

 その日から3日後、電車であの街まで行き、彼の家のが有る団地中の家のポストと、彼の勤める都市銀行に作製したチラシを突っ込んで来たのだという。

「これよ」

 そう言って俺に見せたチラシは、B5サイズにパソコンで作製しプリンター出力したモノをカラーコピーしたモノだった。

 ソレは、事故の経緯、その後の加害者の対応、そして命日であるその日に走り屋仲間を集めてバーベキューパーティーをやっていたと言う事実だけを書いたモノだった。

 いつの間にか撮ったのか、両親の遺影、パーティーの写真、改造スポーツカーが停まってる写真、献花のない事故現場写真まで載せられている。

 そのチラシに書かれている文章には、事実以外は全く書かれていなかった。

 執筆者の感情はもとより、読む者への問いかけすらもない、ただ事実だけを時系列で箇条書きにしたモノだった。

 俺からすると、そうで有るが故に、その行間に『怨』の感情がにじみ出ている気がして成らない。

「まあ、こんなのばら撒いても、大したダメージは受けないと思うけどね。でも、これぐらいでもやらないと気が済まなかったんだよ」

 俯きながら、ぼそぼそと碧は呟く。かなり色々な感情が混ざり合っているようだ。

 虚しさや、罪悪感などもあるんだろう。それでもやらずにはおけなかった、と言う事のようだ。

 実際、碧の言うように、あの加害者へは大したダメージには成らないだろう。これ位いでダメージを受けるようなヤツが、被害者の命日に事故の原因である車の仲間を募ってパーティーなどやれるはずが無い。

 だが、結婚など話が出た際、最近は相手方の親族が興信所等を使って、近所の者達に対象者の話を聞くことが増えてきているという。

 そんな際には、碧の放り込んだチラシが効果を発揮するかも知れない。

 特に、なまじ金持ちの家で有るが故に、相手方もそうで有る可能性が高く、そうで有れば興信所等を使用する確率も格段に上がる訳だ。

 まあ、実際にはどう成るかは不明だけど、そうなる可能性があると思うことで溜飲を下げられるというものだ。

 その後、碧の精神状態が元に戻るまで4日程掛かった。

 ダンジョン内では、オーバーキルの連続だったよ。モンスター達には悪いが、良い気晴らしに成ってくれたと思ってる。

 そして、やっと日常が帰ってきた。


 そう言えば、ぺんぺんは結局成長していないんだよ。子猫サイズのままだ。

 やっぱり、『実はモンスター説』の信憑性が高くなってきたと思う。

 同じ意味で、デボもモンスターである可能性が高い訳だ。

 あの後、何度となく野良猫や野良犬と接したが、やっぱり言葉など分からず、間違っても文字など読めない。

 間違いなく、2人は普通の動物では無い事は確かだって事だ。そして、共通点はダンジョンの側で見つけたって事だ。

 てな訳で、現状は『2人はモンスター』説が濃厚なんだよ。

 ただ、そうで有れば有りがたい事も有る。それはデボの寿命だ。

 通常、野生のスズメの寿命は2~3年程らし。飼えばもう少し伸びるようだけど、圧倒的に短すぎる。

 だが、デボが別の生き物であれば、それ以上生きる可能性もあると言う事だ。

 無論、モンスターの寿命が1年程度だと言う可能性もある訳で、一概に喜んで良い訳ではないんだけどね。

 今は、何であっても良いので、長生きしてくれれば良いとだけ思っている。モンスターだろうが、異次元生物だろうが、ミュータントだろうが構わない。

 完全に『家族』と成っている。

 よく、ペットを『家族』と称するのをTV等で見るけど、(うち)の場合は完全に『家族』だ。

 言葉が通じて、仕事(狩り)を一緒にしている。人間と区別する必要性を感じない。違いは、ただ喋れないだけだ。

 だから、俺達の言う『家族』は、御為ごかしの『家族』では無く、ホントの意味での『家族』なんだよ。


 レベル12~15程の帯域に『ファイアー・ボア』と言うモンスターが居る。

 『ファイアー』と付くが別段火属性だとかでは無く、単に毛皮が赤く、逆立った背中の毛が炎の様に見えることから名付けられただけだったりする。

 このファイアー・ボアだが、『肉』をドロップする。しかも、バラ、ロース、ヒレと言った部位別でだ。

 一応この『肉』は幾つかの薬剤に錬成出来るのだが、まだ他の材料が無いので錬成出来ない。

 通常のドロップアイテムなら、保管して他の材料が入手出来るようになるまで待てば良いが、『肉』が日持ちする訳も無く、結果食べるしか無い訳だ。

 ……いえ、実際はそんなご託はど~でも良いので、有無を言わさず食べますとも。めっちゃ美味いんで。

 『スタミナ増強剤』?『土属性増強剤』?『中級解毒剤』? そんなのにするより食べるよ!

 生姜焼き、ステーキ、豚丼、豚ロース肉の竜田揚げ、肉どかっと入りポークカレー……肉祭りだよ。

 このドロップは、約2キロの『肉』がドロップするので、3日に1つ手に入れば食い切れない程の量になる。

 ハッキリ言って、このエリア帯に入ってからスーパーで豚肉は買わなくなった。

 買うのは鶏肉だけだ。唐揚げが好きなんで、コレは欠かせない。ちなみに牛肉は買わない。あんな無駄に高いモノは、貧乏人の敵だ。

 実際、黒毛和牛だ何だより、ファイアー・ボアのドロップ肉の方が美味い。と、他の冒険者は言ってる。

 俺達は、比較する対象の『黒毛和牛』だの『○○牛』なんて言うブランド牛なんて食べたことが無いんで分からない。

 ただ、ファイアー・ボアの肉はバカ美味なのは間違いない。飯を食べていて、グルメリポーターバリのリアクションをしたのはコレが初めてだった。

 碧と2人して、大騒ぎしたよ。その間、ぺんぺんとデボは2人で無言の争奪戦を繰り返していた。それだけ美味いんだよ。マジで。

 牛肉?はあ?なにそれ? って感じだよ。

 実は、この『肉』が手に入るまでは、家の冷蔵庫の冷凍室はスッカスカだったんだけど、今ではギッシリ入っている。肉、肉、肉だ。

 『コカトリス』も『肉』を落とすらしいんだが、今から楽しみだったりする。コカトリスの唐揚げ…多分ムチャクチャ美味い唐揚げになるはず。

 そんな感じで、食べられる品もわずかながらドロップするようになっている。

 どうせなら、野菜もドロップしてくれれば買わなくて済むのに、なんて考えてしまう。

 昔漫画で、主婦が連れ立って『肉』を取りにダンジョンへ入る話があったけど、まさか自分がそんな事をする事に成るとは思ってもいなかったよ。

「ど~せならさ、ドロップじゃなくって、モンスターが消えずに残ったら良いのにね。そしたら、肉取り放題でしょ。日本も肉の輸入なんてしなくて良くなるし、食糧危機なんて無くなるよ」

 碧のヤツがそんな事を言ってきた。

 まあ、確かに正論ではある。でも、畜産家は失業するよな。オーストラリアとか悲惨なことになるはず。アメリカやブラジルもかな。

 飼料用の穀物を育てている農家にも大打撃か。日本の受ける打撃は比較的少ないか?

 でも、そうなったら、『エネルギー保存の法則』はどこに行ったんだ、って話になる訳で、今以上におかしな事になる気もする。

 現在でも、ドロップ品やモンスターという質量はどこから来ているのかって問題になっているからね。

 仮に、異世界から来ているのだとすれば、この世界のエネルギー量が増大し行っている訳で、一定値を越えた段階で破滅的な事態が起こる可能性が有るわけだ。

 かと言って、入れ替わりで同一のエネルギーが異世界に移動していたとしたら、その移動に自分たちが巻き込まれる可能性が有る事に成る。

 色々訳の分からない考え方があるようだが、いかんせん『知力』8の俺には細かなことは分からない。気にしたら負けだ。

 あと、『スカル・キャンサー』と言うデカいカニ型モンスターが居るんだけど、コレが『カニの足』とか『カニの爪』なんてのをドロップしてくれないことを知った碧が暴れた、暴れた。

 俺的には、背中の甲羅にドクロマークがあるカニの肉が食いたいのか? と思うんだが、碧的には関係ないようだ。

 その晩は、冷凍のズワイガニの足を買ってきて喰わせてなだめたよ。面倒くさい妹だ。

 このまま進んで、ファイアー・ボアが出ないエリア帯に行っても、時折戻って『肉』のためだけにヤツらを狩っても良いと思っている。

 元々ダンジョン攻略が目的じゃないからね。食糧調達と言う事は、全く目的に反していない。正しい行いだよ。

 ちなみに、ゾンビのドロップアイテムで『腐肉』ってのがある。『腐』なんで当然腐っていて食えない。しかも臭い。

 だが、何故か『中級回復薬』の錬金素材として使えたりする。しかし、保存が利かないので、現在は放置している。

 半日経って、ダンジョンの自然復元力が作用して取り込まれて消えるまで、ずっと腐臭をまき散らし続ける厄介者だ。

 MPに余裕がある時は燃やしてしまうんだが、ゾンビ自体の弱点が火なんで、当然火魔法を使う訳でMPに余裕が無い事が大半だ。と言う事で、結果として放置率が多いんだよな…

 同じ『肉』でもこの肉は当分はいらない。


 いま活動しているエリアには、有名なモンスターの名を名付けられたモンスターがかなりいる。

 『グレムリン』『ミミック』『ノーム』『ミニ・トロール』『ガーゴイル』『ハーピー』『ゾンビ』だ。

 有名どころ目白押しだが、当然単に名前を付けられただけの別物で有る。

 しかし、その名を付けられるだけの理由が有るのも当然で、基本は外観が似ているって事だ。

 グレムリンはそう言われればそう見えなくもないって感じで、フクロウ顔の毛むくじゃらな子人だ。某映画のような可愛さは全く無い。

 ミミックとゾンビは紹介済みなんで省こう。

 ノームは、正直最初見た時は、顔色の悪い小さなおっさんかと思ったよ。顔立ちは完全に人間なんで、かなり躊躇してしまう。

 ただ、どんなに人間に似た顔をしても、モンスターはモンスターなので、殺せば黒い(もや)と成って消える。

 だが、それが分かっていても、人の顔をしているとどうしても躊躇する訳だ、()は。

 だが我が妹は、初回はともかく2回目からは全くためらわず、『縮地』で一気に近づいて『なんちゃって五月雨突き』で数匹纏めて顔面を刺し貫いている。

 このノームは、ボール系の魔法を使うモンスターなので、多少でも躊躇(ためら)えばその隙に魔法が飛んでくるんだよ。

 だから、碧の対処は全くもって正しい。正しいんだけど、色々と思うことも有る訳だ…… まあ、良いけどね。

 次はミニ・トロールだ。ミニが付いているように、ミニが付かないヤツが居るって事だ。

 このミニは、ミニとは言え2.5メートル程の身長を持つ無毛のオランウータンのようなモノで、棍棒を振り回して攻撃してくる。

 その上、『金剛』や『ブースト(パワー)』などと言う肉体強化系スキルを持ち、更に『自動再生』なんて言う傷が一定時間で勝手に治るスキルまで持っている。

 『ダンジョン管理機構』の資料的にはかなりやっかいなモンスターにカテゴライズされている。

 だが、俺達の場合は、このエリア帯よりも遙かに上のステータスを持った状態で対峙しているので、油断さえしなければ逆に楽な相手だったりする。なんせ、動作が鈍いのよ。

 ちなみに、棍棒持ちだが、『香木』はドロップしない。こいつの場合はそのまま『棍棒』がドロップする。

 堅くて良い木ではあるらしいのだが、かと言ってこれといった恒常的なニーズがある訳も無く、俺達は基本は放置している。

 まあ、帰る間際なら持ち帰って、風呂の薪にするけどね。

 この『棍棒』が錬成武器の柄に使えれば良いのだが、他の棍棒を錬成する際のベースにしか成らないようだ。この辺りは『錬金術』のゲーム的融通の利か無さを感じてしまう。

 そして、ガーゴイルだ。これは色んな意味でまさに『ガーゴイル』だ。石で出来たゴーレムとでも言えるモノで、外観はトカゲに翼が付いたような身体に、顔は翼竜の顔になっている。

 10人中9人はこのモンスターを見れば、『ガーゴイル』と名付けるだろうと言う姿だ。

 そして、このモンスターは『アメジスト』をドロップする。当然ドロップ率は低いんだけどね。それでもドロップすれば良い値になる。積極的に『盗む』したい所だが、魔法しか利かないモンスターなんで、大変なんだよ。

 基本ゴーレム(?)なので状態異常にも掛かってくれない。雷系魔法の麻痺も、デボの『超音波』の目眩、『怪音波』の幻惑も全く効果が無い。

 その上HPがゼロに成る寸前まで動いてくれるんで、落ち着いて『盗む』が実行出来ないんだよな。おかげで40匹以上壊してるけど、まだ1個も入手出来ていない。

 石の身体のくせに、空まで自由に飛びやがるから、余計やっかいだ。でも、やっかいだけど当たった時は大っきいので、見逃さず絶対に狩るけどね。なんとも業の深い話だよ。

 最後はハーピーだ。漫画やラノベ系小説だと可愛い女の子の顔が付いた鳥というのが定番だが、このダンジョンでその名が付けられたモノは微妙なヤツだ。

 顔は、言われてみれば人間にも見えなくは無いよね、って言うレベルで、間違っても女の子には全く見えない。

 おかげで俺的には、ノームに比べて気持ち的には楽だ。

 ただ、このモンスターは空を飛ぶことはもちろんとして、『衝撃波』と言うスキルを使ってくる。

 デボの使う『超音波』『怪音波』と名前は似てはいるが、こちらは状態異常系では無く、完全な攻撃型のスキルだ。

 名前の通りショックウエーブを発生させて、ダメージを与えるモノで、範囲攻撃スキルでもある。

 ただし、ダメージ自体は小さく、吹っ飛ばされることも無いので、ダメージを受けながら行動も出来るため、集団で同時に攻撃されない限り致命的な事態にはなりにくい。

 それでも、確実にダメージを受けてしまうので、イヤなモンスターでは有る。

 ちなみに、この『衝撃波』は『キラー・ビー』も使っていた。ドデカいハチのモンスターね。

 キラー・ビーは羽を動かすことで『衝撃波』を発生していたので、その間ホバーリング状態になり、事実上停止するので良い的になっていたので逆に助かっていたんだけど、ハーピーは口から発しているので停止することも無く、飛び回ってくれるとっても困ったちゃんだよ。

 その上でドロップも『爪』と『羽』で素材としてもあまり美味しくない。魔石もこのエリア帯では安くは無いけど高くもない売価だ。全体として良い所がないモンスターだな。

 とまあ、そんな感じのモンスターが居るエリア帯を中心に現在活動中って事さ。

 ドロップの狙い目は、ガーゴイルの『アメジスト』は別として、ノームが一番だったりする。

 ノームのドロップは『低級回復薬』と『ネックレス』で、『低級回復薬』は当然良い値で売れるし、『ネックレス』は弱いながらも魔法効果が有るので、是非欲しいんだよ。

 残念なことに、現在まで1つもドロップしてくれていない。

 個人的に、人間そっくりな顔をしたノームに対して『半殺し大作戦』は実行したくないので、その為に入手率が落ちていると言う事も有る。

 碧は「やろうよ!!」と言うのだが、なんとか勘弁してもらっている。

 だってさ、顔かたちが似ているって事は、声まで似ているって事なんだよ。実際、少し甲高いおっさんの声なんで、そんな声で悲鳴を上げられたひには、精神的に持ちません…

 そんな葛藤をしながら、今日も狩りに(いそ)しんでいる。しばらくは俺の精神の安寧は無さそうだ。

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