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【祝45000PV】転生悪役令嬢イザベラ、婚約破棄も魔法も筋肉で粉砕します!  作者: 月待ルフラン【第1回Nola原作大賞早期受賞】
第三章:悪役令嬢イザベラ、王国の危機も筋力で踏み潰しますわ!
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第十一話:置き土産のトレーニングメニュー

「王都へ向かう…今すぐ、ですの?」


セレスティーナ様の、その、どこか縋るような、それでいて、わずかな希望に満ちた問いかけに、わたくしは、力強く頷きました。


「ええ、そうですわ!兄様が、そして、父上が、わたくしの帰りを、今か今かと、待ちわびておいでですもの!」


わたくしは、出発の準備を始めるべく、部屋を後にしようとして、ふと、足を止めました。

そうですわ。この、わたくしがいなくなった後、この白氷城の、か弱き乙女たちを、誰が守るというのでしょう。


(いけませんわ、いけません!わたくしとしたことが、この、愛すべき教え子たちのことを、忘れてしまうところでしたわ!)


わたくしは、踵を返すと、セレスティーナ様と、その背後に控えるリリアの前に、再び、仁王立ちになりました。


「セレスティーナ様、そしてリリア。わたくしが、この城を去るからといって、日々の鍛錬を、怠ってはなりませんことよ」


わたくしは、近くにあった机から、羊皮紙とインクを、失敬いたしますと、そこに、流れるような筆致で、何かを書きつけ始めました。それは、わたくしが、この白氷城での滞在中に培った、知識と経験の、全てを注ぎ込んだ、究極のトレーニングメニュー。


「これは、わたくしからの、友情の証。そして、あなた方の、心と肉体を、さらなる高みへと導くための、道標ロードマップですわ」


わたくしは、心を込めて書き上げたその羊皮紙を、セレスティーナ様へと、恭しく、手渡しました。

彼女は、恐る恐る、といった様子で、それを受け取ると、その内容に、目を落とします。


【イザベラ式・白氷城特別トレーニングメニュー】

・早朝の部(心肺機能強化):

城壁逆立ち歩行…五周(悪天候時は、玉座の間にて、天井逆さ歩行に切り替えること)

・午前の部(上半身強化):

氷筍つらら懸垂…三百回(リリアは、セレスティーナ様を背負って行うこと)

・午後の部(下半身及び実戦応用):

雪だるま(巨大)投げ合い…城が半壊するまで(雪がない季節は、代わりに、城の石像を投げ合うこと)

夜間の部(精神統一):

・滝に打たれながら瞑想…一晩中(滝が凍結している場合は、氷塊を頭上から落とし続けること)

【リリア専用・感情筋強化追加メニュー】

・悲しみの涙を流すために:大胸筋上部集中トレーニング(インクライン・ダンベルプレス)…号泣するまで

・喜びの笑みを浮かべるために:広背筋集中トレーニング(デッドリフト)…満面の笑みになるまで

・正しき怒りを感じるために:僧帽筋集中トレーニング(シュラッグ)…怒髪天を衝くまで


その、あまりに過酷で、非現実的なメニューの数々を、セレスティーナ様は、ただ、黙って、見つめておりました。その美しい顔からは、もはや、何の感情も読み取ることはできません。


「まあ、ご安心なさいな。これは、あくまで、初級者向けのメニューですわ。いずれ、あなた方も、この程度は、準備運動にしか感じなくなる日が、参りますことよ」


わたくしが、優しくフォローを入れて差し上げますと、セレスティーナ様は、その羊皮紙を、まるで、この世の終わりのような顔で、ゆっくりと、しかし、確かに、受け取りました。

その隣で、リリアが、なぜか、その、光のない瞳を、キラキラと輝かせているように見えたのは、きっと、気のせいではないでしょう。


ふふん。わたくしの、この、完璧な置き土産に、二人とも、感動で、言葉も出ないようですわね!

ご覧いただきありがとうございました。感想や評価、ブックマークで応援いただけますと幸いです。また、世界観を共有する作品もあるので、そちらもご覧いただけるとお楽しみいただけるかと存じます。HTMLリンクも貼ってあります。

次回は基本的に20時過ぎ、または不定期で公開予定です。

活動報告やX(旧Twitter)でも制作裏話等を更新しています。

作者マイページ:https://mypage.syosetu.com/1166591/

Xアカウント:@tukimatirefrain

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