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【祝45000PV】転生悪役令嬢イザベラ、婚約破棄も魔法も筋肉で粉砕します!  作者: 月待ルフラン【第1回Nola原作大賞早期受賞】
第二章:悪役令嬢イザベラ、メインクエストも筋力で踏み潰しますわ!
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第二十二話:ボーナスステージ①

わたくしたちの神速の行軍を阻むべく、敵が最初の罠を仕掛けてきたのは、ちょうど、険しい山岳地帯に差し掛かった頃でした。


「イザベラ様! 前方の街道が、何者かによって、巨大な岩で塞がれております!」


 斥候からの報告に、兵士たちの間に、わずかな緊張が走ります。

 わたくしは、馬を止めさせると、崖の上から、その現場を見下ろしました。

 なるほど、見事なものですわ。街道の、最も狭くなっている隘路あいろを狙い、山の上から、巨大な岩をいくつも転がり落としたのでしょう。これでは、馬車はもちろん、兵士が一人ずつ、慎重に進むことすら、困難です。


「ふふん。小賢しい手を。迂回ルートを探させなさい。多少、時間はかかりますが…」


 わたくしが、そう、副官に命じようとした、その時でした。

 わたくしの、その言葉を遮るように、後方から、兵士たちの、野太い声が上がったのです。


「イザベラ様! お待ちください!」

「我々に、あの岩を、撤去する許可を!」


 振り返ると、そこには、目をキラキラと輝かせ、まるで、最高の玩具を見つけた子供のような顔をした、「筋肉信者」たちが、ずらりと並んでおりました。


「なんですの、あなた方」

「イザベラ様! ご覧ください、あの、絶妙な角度の、岩の配置を!」

「ええ! まさに、我らの、大胸筋と、広背筋を、いじめるために、神が与えてくださった、最高の、トレーニング環境ではございませんか!」

「迂回など、とんでもない! 我々は、この『壁』を、乗り越えたいのです!」


 彼らの、その、あまりに熱く、そして、あまりに筋肉的な、願い。

 わたくしは、その光景に、満足げに、頷きました。

 ええ、ええ、そうですわ。わたくしの教えは、彼らの、魂の、隅々にまで、浸透している。


「許可しますわ」


 わたくしの、その一言に、兵士たちは、うおおおっ、と、歓喜の雄叫びを上げました。


 そこから、始まったのは、もはや、障害物撤去作業と呼べるものではありませんでした。

 それは、筋肉の、祭典。

 兵士たちは、鎧を脱ぎ捨てると、その、隆起した肉体を、惜しげもなく晒し、巨大な岩石へと、我先にと、殺到していく。


「そぉりゃっ! この、角度! 広背筋に、効くぅっ!」

「同志よ! そちらの岩は、どうだ! 上腕二頭筋は、喜んでいるか!」

「ああ! 最高だ! イザベラ様、万歳! ハイル・マッスル!」


 彼らは、まるで、遊ぶかのように、何トンもの重さがある岩石を、持ち上げ、投げ飛ばし、そして、時には、拳で、粉砕していく。

 その、あまりに、人間離れした光景を、崖の上から、呆然と、見下ろしている者たちがいました。

 罠を仕掛けた、律章復興派の、残党たちです。

 彼らは、自分たちの、完璧な作戦が、なぜか、敵の、謎のトレーニングによって、ものの数十分で、完全に、無力化されていく様を、ただ、震えながら、見つめることしかできませんでした。


 やがて、街道は、完全に、開かれました。

 兵士たちは、心地よい汗と、満足げな疲労感に包まれ、その顔は、達成感に満ち溢れています。


地形を利用した罠だったが、イザベラは「良い地形ですわね!格好のトレーニング場所です!」と、罠をものともせず、兵士たちと共に難なく突破する。

 わたくしは、そんな彼らに、高らかに、告げました。

「皆々様、ご苦労様でした。これより、ボーナスステージ、クリアですわ!」

ご覧いただきありがとうございました。感想や評価、ブックマークで応援いただけますと幸いです。また、世界観を共有する作品もあるので、そちらもご覧いただけるとお楽しみいただけるかと存じます。HTMLリンクも貼ってあります。

次回は基本的に20時過ぎ、または不定期で公開予定です。

活動報告やX(旧Twitter)でも制作裏話を更新しています。(Xアカウント:@tukimatirefrain)

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