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【祝45000PV】転生悪役令嬢イザベラ、婚約破棄も魔法も筋肉で粉砕します!  作者: 月待ルフラン【第1回Nola原作大賞早期受賞】
第二章:悪役令嬢イザベラ、メインクエストも筋力で踏み潰しますわ!
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第十七話:王子様からの筋肉(愛)の差し入れ

 わたくしが、ツェルバルク軍の絶対的支配者として君臨し始めてから、一週間が過ぎました。

 兵士たちの目から、かつてのような反抗の色は、完全に消え失せていました。代わりに宿っているのは、畏敬と、そして、どこか諦観に満ちた光です。彼らは、ようやく、自分たちの指揮官が、人間という種族の限界を超えた存在であることを、理解したのでしょう。


 その日も、練兵場には、地獄のような光景が-広がっておりました。

「さあ!ラスト十回!声が小さいですわ!あなた方の腹筋は、そんなものではありませんでしょう!」

 わたくしの檄に、兵士たちは、涙と汗を流しながら、必死に体を起こします。


 そんな、地獄の調練の、まっただ中。

 鉄砦城の城門が、ゆっくりと開かれ、そこに、王家の紋章を掲げた、壮麗な馬車の一団が現れたのです。


「な、何事ですの?」


 わたくしが、いぶかしんでいると、一人の使者が、恭しく、わたくしの前に進み出ました。

「イザベラ・フォン・ツェルバルク様。エドワード王子殿下より、貴女様と、貴軍の兵士たちへ、差し入れにございます」


 使者が手を振ると、馬車の荷台から、次々と、巨大な木箱が運び出されていきます。

 その木箱が開けられた瞬間、わたくしは、自分の目を疑いました。

 そして、兵士たちからは、どよめきが上がります。


 そこに、山と積まれていたのは――


「こ、これは…プロテイン!? それも、王家御用達の、最高級品ですわ!」


 そうです。木箱の中身は、兵士全員に行き渡らせても、まだ余るほどの、大量のプロテインの袋だったのです。

 それだけではありません。

 別の木箱からは、王都の鍛冶師が、最新の人間工学に基づいて作り上げたという、ピカピカのトレーニング器具一式まで現れました。


 わたくしは、感動に、打ち震えておりました。


「あの王子…分かっていますわ! なんて、的確な差し入れなのでしょう!」


 戦場に赴く兵士たちにとって、最も重要なものは何か。それは、食料であり、武器であり、そして、何よりも、強靭な肉体を作り上げるための、良質なタンパク質!

 エドワード王子は、それを、完璧に理解してくださっていたのです。


 わたくしは、使者に向き直ると、満面の笑みで、言いました。

「殿下に、よろしくお伝えくださいまし。わたくしの知る、全ての殿方の中で、あなたが、最も、クレバーですわ、と!」


 わたくしが、上機嫌でそう宣言すると、それまで、疲労困憊で、屍のようだった兵士たちが、むくり、と起き上がりました。

 彼らの目に、再び、生命の光が宿ります。

 王家からの、異例の差し入れ。それは、自分たちの、この地獄の訓練が、王家からも、認められている、という、何よりの証。

 そして、何より、目の前には、あの、憧れの、高級プロテインが!


「うおおおおおっ!」


 一人の兵士が、雄叫びを上げました。

「やるぞ! やってやろうじゃねえか!」

「王子殿下も、俺たちの筋肉に、期待してくださっているんだ!」


 兵士たちの士気は、爆発的に、高まったのです。

 わたくしは、その光景に、満足げに頷きました。

「よろしい。では、訓練を再開しますわよ! 今飲んだプロテインを、無駄になさらないように!」


 その日、鉄砦城の練兵場には、これまでで、最も、活気に満ちた、兵士たちの鬨の声が、響き渡るのでした。

ご覧いただきありがとうございました。感想や評価、ブックマークで応援いただけますと幸いです。また、世界観を共有する作品もあるので、そちらもご覧いただけるとお楽しみいただけるかと存じます。HTMLリンクも貼ってあります。

次回は基本的に20時過ぎ、または不定期で公開予定です。

活動報告やX(旧Twitter)でも制作裏話を更新しています。(Xアカウント:@tukimatirefrain)

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