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【祝45000PV】転生悪役令嬢イザベラ、婚約破棄も魔法も筋肉で粉砕します!  作者: 月待ルフラン【第1回Nola原作大賞早期受賞】
第二章:悪役令嬢イザベラ、メインクエストも筋力で踏み潰しますわ!
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第十六話:反発と畏敬

 地獄の軍隊調練が始まってから、数日が過ぎました。

 当初、兵士たちの間には、不満と、反発の空気が渦巻いておりました。


「やってられるか! あれは、訓練じゃない、ただの拷問だ!」

「なぜ、俺たちが、あんな小娘の、気まぐれに付き合わされなきゃならんのだ!」


 これまで、実戦と、剣の腕だけを信じてきた、屈強な男たち。彼らにとって、わたくしが課す、基礎体力向上のみに特化した、あまりに地味で、過酷なトレーニングは、理解の範疇を超えていたのでしょう。

 兵士たちの士気は、日に日に、低下していきました。


 ですが、わたくしは、そんな彼らの不満など、一切、意に介しませんでした。

 わたくしは、ただ、黙って、行動で、範を示し続けたのです。


 兵士たちに、腹筋千回を命じれば、わたくしは、その隣で、三千回の腹筋をこなす。

 兵士たちに、城壁を十周走らせれば、わたくしは、彼らの倍の重さの鎧を身につけ、二十周を走り切る。

 兵士たちが、悲鳴を上げ、地面に倒れ伏していく中、わたくしは、ただ一人、涼しい顔で、汗一つかかずに、全てのメニューを、彼らの、三倍以上の強度で、完璧にこなしてみせる。


 その、あまりに、人間離れした光景を、毎日、毎日、見せつけられるうちに。

 兵士たちの間に渦巻いていた、反発の空気は、徐々に、別の感情へと、変わっていきました。


 ある日の午後。その日の最後のメニュー、巨大な丸太を担いでのスクワット五百回を終え、兵士たちが、屍のように、練兵場に転がっていた時のことでした。

 わたくしは、息一つ乱すことなく、壇上に立つと、静かに、告げました。


「本日の訓練は、これで終了ですわ。皆々様、ご苦労様でした」


 ですが、わたくしは、その場を立ち去りませんでした。

 兵士たちが見つめる中、わたくしは、彼らが、十人がかりで、ようやく持ち上げていた、訓練用の、巨大な岩石(推定重量5トンア)の前へと、一人、進み出たのです。


「わたくしは、これから、自主トレーニングを始めますので、お気になさらず」


 そう言うと、わたくしは、その巨大な岩石を、まるで、小石でも拾い上げるかのように、軽々と、頭上へと、持ち上げてみせました。

 そして、それを、ダンベル代わりに、片手で、上下させ始めたのです。


 練兵場に、完全な、沈黙が落ちました。

 兵士たちは、もはや、声も出ない。ただ、目の前で繰り広げられる、神話の生き物のような、圧倒的な「力」の奔流を、呆然と、見つめるだけでした。


 反発は、畏敬へと。

 侮蔑は、恐怖と、そして、かすかな憧れへと。

 彼らの心の中で、何かが、確実に、変わり始めた瞬間でした。

ご覧いただきありがとうございました。感想や評価、ブックマークで応援いただけますと幸いです。また、世界観を共有する作品もあるので、そちらもご覧いただけるとお楽しみいただけるかと存じます。HTMLリンクも貼ってあります。

次回は基本的に20時過ぎ、または不定期で公開予定です。

活動報告やX(旧Twitter)でも制作裏話を更新しています。(Xアカウント:@tukimatirefrain)

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