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【祝45000PV】転生悪役令嬢イザベラ、婚約破棄も魔法も筋肉で粉砕します!  作者: 月待ルフラン【第1回Nola原作大賞早期受賞】
第二章:悪役令嬢イザベラ、メインクエストも筋力で踏み潰しますわ!
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第十話:【緊急メインクエスト】発動

 御前試合での、あまりに完璧な勝利。

 その夜、わたくしは、王城の自室で、極上の満足感に浸っておりました。ライネスティア家の陰謀は、わたくしの筋肉の前には無力。兄ヴォルフ様の名誉は守られ、民衆からのわたくしへの評価は、うなぎ登り。


(ふふん。完璧なクエストクリアですわ。これで、経験値も、名声値も、大幅にアップしたはず。王都編の攻略も、順調そのものですわね!)


 わたくしは、褒賞としていただいた最高級のプロテインをシェイクしながら、上機嫌で一人祝杯をあげておりました。

 窓の外では、わたくしの勝利を祝う花火が、夜空を美しく彩っています。

 全てが、わたくしの、完璧なゲームプランの上で、進んでいる。そう、信じて疑わなかった、まさにその時でした。


 突如として、わたくしの脳内に、今まで聞いたこともない、無機質なシステムメッセージが、直接、響き渡ったのです。


【――均衡精霊より、緊急通信プライオリティ・メッセージ。強制イベントを開始します――】


「なっ…!?」


 わたくしが抗議する間もなく、世界から、音が消えました。

 部屋の景色が、まるでノイズの走った映像のように、ぐにゃりと歪む。そして、わたくしの意識は、否応なく、暗く、冷たい空間へと、引きずり込まれていったのです。


 それは、もはや、ただのイベントシーンではありませんでした。

 わたくしの脳裏に、直接、叩きつけられた、おぞましい映像の奔流。


「最悪のバッドエンドルートのデモムービー」が、強制的に、再生され始めたのです。


 舞台は、未来の、白氷城。

 空は、不吉な紫色に染まり、大地は、生命の色を失っている。

 そして、その、絶望的な世界の中心に、一人の、少女が立っていました。


 セレスティーナ・フォン・ヴァイスハルト。

 ですが、その姿は、わたくしが知る、あの気高い『氷の薔薇』ではありません。

 銀色の髪は、輝きを失って、灰色に濁り、その月白色の瞳からは、全ての光が消え失せている。彼女は、もはや、人間ではなく、ただ、歩く災厄。


周囲のエーテルとマナの全てを、その身に収奪し続ける、神格実体 。


 彼女が、ただ、そこに存在するだけで、世界が死んでいく。

 足元の草花は、一瞬で水分を失って黒い塵と化し、大地はひび割れ、城壁の石材から魔力マナが抜かれ、脆く崩れ落ちていく。


 そして、最もおぞましかったのは、人々への影響でした。

 彼女の周囲にいた兵士たちが、次々と膝から崩れ落ちる。彼らは、苦悶の表情で自らの胸をかきむしり、その体は急速に生命力を奪われ、まるで干からびるように萎んでいく。


周囲の生命体全てがマナを奪われ、衰弱死していく のです。悲鳴を上げる力すら、残されてはいない。


 それは、わたくしが、これまでプレイしてきた、どんなゲームの、どんな絶望的なエンディングよりも、遥かに、おぞましく、そして、救いのない光景でした。


 わたくしは、ただ、そのデモムービーを、見せつけられることしかできません。

 そして、映像は、わたくしにとって、最も、耐え難いシーンを、映し出したのです。

ご覧いただきありがとうございました。感想や評価、ブックマークで応援いただけますと幸いです。また、世界観を共有する作品もあるので、そちらもご覧いただけるとお楽しみいただけるかと存じます。HTMLリンクも貼ってあります。

次回は基本的に20時過ぎ、または不定期で公開予定です。

活動報告やX(旧Twitter)でも制作裏話を更新しています。(Xアカウント:@tukimatirefrain)

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