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【祝45000PV】転生悪役令嬢イザベラ、婚約破棄も魔法も筋肉で粉砕します!  作者: 月待ルフラン【第1回Nola原作大賞早期受賞】
第一章:悪役令嬢イザベラ、ざまぁ婚約破棄を筋力で踏み潰しますわ!
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第四十五話:ヒロインの絶体絶命

「全軍、わたくしに続け!目標、正面の大型魔獣!一気に畳み掛けますわよ!」


わたくしは、敗走していく他の生徒たちを背に、チームの仲間へと檄を飛ばしました。さあ、ここからが本番。わたくしの、わたくしたちだけの、ボスレイドの始まりですわ!


わたくしは大地を蹴り、弾丸のようにグリフォンへと肉薄しました。狙うは、その逞しい前脚!まずは機動力を奪い、動きを止めるのが定石ですわ!


「うおおおおおっ!」


わたくしは、鍛え上げた全身のバネを使い、渾身の力を込めて大戦斧を横薙ぎに振るいました。並の魔獣であれば、その脚を骨ごと粉砕するほどの完璧な一撃。


ですが――!


ガギィィィン!という甲高い金属音と共に、わたくしの斧は、グリフォンの体表を覆う混沌のオーラによって、いともたやすく弾かれてしまいました。


「なっ…!?」


わたくしの一撃が、ほとんど通じていない。その事実に一瞬だけ驚愕するわたくしに、グリフォンは、まるで鬱陶しい虫を払うかのように、その巨大な鉤爪を振るいました。

 

一太刀切り結んだだけで、わかりました。

それは、直接わたくしを狙ったものではありませんでした。ですが、その一振りによって生じた暴風が、わたくしたちのチームを襲います。


「散開!」


わたくしの声に、リョーコ殿たちが素早く反応し、衝撃を散らすように飛びのきました。ですが、ただ一人、後方で支援に徹していたエリアーナだけが、その圧倒的な風圧に耐えきれず、きゃっ、という悲鳴と共に、その場に倒れ込んでしまったのです。


まずい、と思いましたわ。

グリフォンは、その冷酷な視線を、最も弱く、無防備な獲物――エリアーナへと向けました。


(守らなければ!)


わたくしが駆け出そうとした、その時。わたくしよりも速く、一つの人影がエリアーナの前へと飛び出しました。


「エリアーナ嬢!大丈夫か!」


エドワード王子殿下でした。彼は、完全に撤退してはいなかったのです。他の生徒の避難を助けていたのでしょう。彼は、震えるエリアーナを背中に庇い、グリフォンに向かって、その剣の切っ先をまっすぐに向けました。


「殿下…!」

「下がりなさい!ここは私が!」


ああ、なんてことでしょう。乙女ゲームで幾度となく見た、ヒーローがヒロインを守る、王道のイベントシーン。ですが、相手が悪すぎますわ!


グリフォンは、目の前に現れた新たな獲物をせせら笑うかのように、その口を大きく開きました。そして、放たれたのは炎でもなければ、氷でもない。空間そのものを震わせる、混沌の咆哮。


轟音と共に、王子とエリアーナの背後にあった遺跡のがれきの山が崩れ落ち、彼らの退路を完全に塞いでしまいました。

逃げ場を失い、孤立する二人。そして、ゆっくりと、しかし確実に、その距離を詰めていく伝説の魔獣。


それは、絶体絶命という言葉が、あまりにも生ぬるく聞こえるほどの、破滅的な光景でした。


わたくしの「保護対象」であるヒロインと、このゲームの最重要攻略対象である王子様が、同時に消滅しかねない。


それは、すなわち――最悪の「ゲームオーバー」を意味していました。


わたくしの脳から、先ほどまでの高揚感が、急速に消え失せていきます。代わりに、背筋を、氷のような、冷たい怒りが駆け上りました。


(…許しませんわ)


わたくしのパーティーメンバーに手を出したこと。

そして、このわたくしの完璧なゲームプランを、台無しにしようとしていること。


(絶対に、許しませんわよ、このクソ鳥…!)


わたくしは、大戦斧を握る手に、今度こそ、本当の「意志」を込めたのでした。

ご覧いただきありがとうございました。感想や評価、ブックマークで応援いただけますと幸いです。また、世界観を共有する作品もあるので、そちらもご覧いただけるとお楽しみいただけるかと存じます。HTMLリンクも貼ってあります。

次回は基本的に20時過ぎ、または不定期で公開予定です。

活動報告やX(旧Twitter)でも制作裏話を更新しています。(Xアカウント:@tukimatirefrain)

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