想像と現実 (街の学校で軍人になった幼馴染み と 故郷の娘さん)
お題「想像」
#三日月図書館
街で軍の養成学校に通っていた幼馴染みが、卒業して五年ぶりに帰郷する。
「どんなふうに成長してるのかなあ」
「けっこう鍛えられたんじゃない?」
幼馴染みは、どちらかというと細身の体型だった。
それが軍人になると言い出したときは村中でびっくりしたものだが。
「早く、会いたいなあ」
「あいつも心底そう思ってるわよ」
幼馴染みが街へ行ってしまってからも、頻繁に手紙を交わした。
会いたいと書けば、俺も、と返ってくるのに。なぜだか、幼馴染みが休暇の折に帰郷することはなかった。
「どうして、一度も帰らなかったのかな」
「……複雑な男心ってやつでしょ」
ふと気になって、ひとりごとに相づちを打ってくれている友人に顔を向ける。
「…………なんだか、ずいぶん詳しいね」
「えっ、やだ。私に嫉妬とかやめて。そんなの必要ないから。あいつの眼中にはあなたしかないから!」
友人はとても嫌そうに手を振った。
「ただいま」
そうして帰郷した幼馴染みは、少し照れくさそうに笑って再会の挨拶を口にした。
五年前はひょろっと細身だった体が、成長とともに鍛え上げられたおかげでがっしりとして。身のこなしには隙がなく、なんだか美しくさえある。そして極めつけは、ストイックな濃藍の軍服。
想像よりずっと格好よくなった幼馴染みに、ぼぼぼと赤くなる顔を両手で覆った。
幼馴染みと娘さんが仲良しなのは、村の共通認識。
軍人になって戻ったら結婚を申し込むんだろうなあと、みんな思ってる。
娘さんだけ知らない(^^)




