犬の使い魔様 (使い魔を借りた彼 と 魔術師の彼女)
同じ設定の小ネタが4つになったので、こちらにまとめました。
仕事で必要になって、魔術師の彼女から犬の使い魔を一匹借りた。
とても優秀な使い魔だと、彼女は太鼓判を押していたけれども。
「なあ、頼むよ」
「………………」
「いや、ぷいっと横を向かないでよ。お前、主人の言うことは何でも聞く優秀な使い魔なんだろう?」
「わん」
「主人は彼女だけだって? ええー?」
「わふっ」
「彼女のところに早く帰せ? その前に働いてくれ。……おい、睨むなって」
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仕事で必要になったという彼に、犬の使い魔を貸した。
手持ちの中でも特に優秀なのを選んだつもりだったけど。
「仕事をしなかったと、聞いたよ」
「…………わん」
「彼は主人ではないから、あれは仕事じゃない? あのね、私はお前に、彼を手伝えって言ったよね」
「…………わん」
「は? 恋人なのか? ち、ちがう! そういうのじゃ……、ただの友達!」
「わふ? ……わんわん!」
「え、やっぱり彼を手伝ってもいいって? なあに、へんな子ね。ふふっ」
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先日の仕事で全く働いてくれなかった借り物の使い魔が、再びやって来た。
「なんだよ、その得意げな顔」
「わふ」
「はあ? 手伝ってやる? 片思い野郎と違って自分は愛されてるからぁ?」
「わっふ」
「ぐっ、自慢げな鼻息。お前はいいよな、無条件で愛されてるんだもんな。……あ、そうか、俺も彼女の使い魔になれば愛してもらえるんじゃね?」
「がうっ」
「俺には無理、だって? よし、どっちが彼女の犬に相応しいか勝負だ!」
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「……俺は駄目な男です。使い魔様の足もとにも及びません」
「おかえりー……って、どうしたの?」
「わっふ」
「はあ、勝負? 犬として? こら、私の友達をからかったら駄目でしょ?」
「わふ」
「そうだよ、彼は友達なんだから……って、どうしてさらに落ち込むの!?」
「…………そう、俺は友達。使い魔にも勝てない、ただの友達。ははっ」
「わふん」
このあと、どん底まで落ち込んだ彼が奮起して、彼女に猛烈アタックを開始すると思います。
でも簡単には使い魔のお許しは出ません(^^)




