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だいじなものは (会社の主任 と 新人から四年間ずっと異動なしの部下)
そろそろランチに行くかと主任に声をかけられ、はいと返事をして打ち込み速度を速める。ちょうどきりのいいところまで作業を進め、しっかり保存を確認してからPCを閉じた。
声の主を見やれば、そちらはデスクを片づけ、引き出しに施錠しているところだった。
「主任、昼休みでも鍵をかけるんですね」
「ん? まあ、顧客名簿なんかの重要書類が多いからな。大事なものは、きちんとしまっておきたいタイプなんだ。知ってるだろう?」
「あー、確かにそんな感じですね」
他の同期たちが異動していく中、自分は新人でこの主任の下についたまま四年が経つ。社内では最も付き合いの長い人物だから、言われてみればそういうところがあるなと納得できた。
「……もしくは、離さず手元に置く。他に荒らされないかと気が気じゃないからな」
「大事なものを、ですか? 主任ってそんなに心配性でしたっけ? でもまあ、それがいちばん安心かもしれないですね」
「だろう。あとは、逃がさないようにするだけだ」
「ふふ、書類は逃げたりしませんよ」
主任の冗談に小さく笑って返せば、こちらへ向けられた目がゆっくりと細められた。
手元に置いて逃がさないようにしているのは、もちろん書類ではない(^^)




