彼の手 (ドライバーの彼 と 助手席の彼女)
彼の運転する車に乗って出かけた帰り道。幹線道路の交差点で赤信号につかまった。
「あー、ここの信号、長いんだよなあ」
それなりの待ち時間を予想して、彼の左手がハンドルからシフトレバーへと下りてきた。
そうすると、自分の座る助手席へと近づくことになる。
少しだけ考えて、すぐ隣へとやってきたその手へ、そっと指を置いた。
どうした、というように彼がこちらへ視線を向けたのが分かったが、気に留めず続ける。
(かたい、)
手首から手の甲への筋をなぞって指を滑らせてみる。
自分とは違う大人の男性の手に、なにやら体の奥がうずいた。その感覚に振り回されないようにぐっと指先へ力を入れれば、微かに脈動が感じられるようだった。
すると、さすがにそこで我慢できなくなったのか、彼が口を開いた。
「あの、お嬢さん? なにしてるの?」
「んー。あなたの手、好きだなと思って」
そうか、自分はこの手が好ましいのだなと、口に出してから気づいた。
分かってしまえばもう遠慮する必要はないので、今度は上から覆いかぶさるように、手を重ねてみた。
もちろん大きさでは敵わないから、そのまま彼の指の間に自分の指を差し入れ、握りこむ。
「……いや、嬉しいけどさ。そろそろ青になるから、続きはあとにしてくれる?」
「もっと触りたいな」
「家に着いたら、好きなだけどうぞ」
Twitterでフォロワーさんと盛り上がった、好きな男性の部位の話から。
筋張った腕は色気むんむんだと思います。




