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厚い信頼 (連載「噴水広場のパン屋にて」から)

ユノ:妖精。王宮魔術師。

ミネル:人間。王宮魔術師。

ソール:人間。ミネルの恋人。

王宮魔術師の妖精ユノは、雑誌から人間の知識を得ることに熱心である。

人間の作る雑誌には、夏は恋の季節、など妖精には思いもよらないようなことが書かれているのだから、読み始めると止まらないのだ。



王宮の休憩室にて。

買ったばかりの新しい雑誌に、興味深い記事が載せられていた。


(恋の重症度? ふうん、男性を可愛いと思ってしまったら、それはもう相手にメロメロだということなのね。……じゃあ、ミネルはどうなのかしら)


雑誌から得た知識を確かめてみたくなったとき、ユノの同僚ミネルはとても良い参考事例になる。

ミネルは、恋人ソールととても良い恋をしているのだ。

妖精は恋の感情が大好きで、ユノにとってミネルの恋の感情はとびきり好ましかった。


「ねえ、ミネル。ソールさんのことを可愛いと思ったこと、あるかしら?」

「えー、なによいきなり。…………うーん、ある、かなあ」

「どんなとき?」

「……その、私のローブを無邪気に羽織ったのを見たとき、とか。ソールさんたら嬉しそうに笑っちゃってね、もう、爆発するかと思った」

「あらあら、仲良しね」


彼との思い出を語りながら、ミネルは素敵な恋の感情を見せてくれた。

ユノは微笑み、やはり雑誌は価値ある情報源だなと、その信頼をますます厚くした。


連載「噴水広場のパン屋にて」(https://book1.adouzi.eu.org/n4007gj/)からの小ネタでした。

人間の雑誌はユノのバイブルです。


(ちなみに、ミネルがソールを可愛いと思ったシーンは「小話:恋人がローブを羽織ったら(https://book1.adouzi.eu.org/n4007gj/13/)」にあります。宣伝^^)

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