頷いちゃった (鳥っぽい人外 と 雑貨屋の人間)
雑貨屋で働いている。
同僚たちは普通の人間なのに、なぜかお客は獣だったり爬虫類だったり、透けていたりする。
そんなお客の言葉を自分は全く理解できないが、彼らは気のいいひとたちで、にこにこ笑って会計をしていれば問題はなかった。
その中でも目の前の彼は、常連といえるほどよく顔を出すお客だ。
今日は店に入るなり、まっすぐこちらへやって来た。
だが、なぜだか喋らないし動かない。
商品を手に取る様子もなくこちらへ来たので、会計をしてほしいわけでもないだろう。
どうしたのかなと、その姿を改めて見てみる。
彼はしゅるりとした白の冠羽を頭頂部でなびかせ、黒い立派なクチバシを持っているが、それ以外はだいたい人間と変わらない。たまに広げているその冠羽は、実は根元だけが黄色く染まっていると気づいたのはいつだったか。
そんなことを考えていたら、しばらく無言だった彼が、ぶわわっと立ち上がった冠羽を揺らしながら口を開いた。
「***、******」
相変わらず、何を言っているのかさっぱり分からない。
ただ、その内容が悪いことではない気がしたから、笑顔で頷いた。
すると相手は、ぱあっと表情を明るくして、手を振って去って行った。
よく分からないけれど、喜んでもらえてよかったなあと笑顔で見送った。
そこへ同僚が寄って来る。彼女は彼らの言葉を理解できる人間だ。
「ねえ、頷いちゃってよかったの? 付き合ってください、って言ってたよ」
よく分からないうちに、言葉の通じない相手と付き合うことになった(^^)




