はいよろこんで (会社の後輩 と 先輩)
Twitterに上げた、以下の小ネタの続きです。
-------------------------------------
「この書類、お願いね」
「はいよろこんでー」
「……居酒屋?」
「やだな、先輩。最近の居酒屋はもうこの返事、使いませんよ」
「え、そうなの?」
「ほらあ。先輩は飲み会とかあんまり来ないから、知らないんですよ。今度、参加しましょう?」
「うーん、あんまり大勢で飲むのって、得意じゃないし」
「じゃ、俺とふたりならいいですよね。今夜行きましょう。いい店あるんで」
「うん。………………ん?」
-------------------------------------
居酒屋でよく聞く、はいよろこんで、という応答。それを口実に、気になっている先輩をデートに誘うことに成功した。
だが行先は居酒屋ではなく、行きつけのバーにした。
目的の応答が聞けなければ、それを理由にまた誘えるのではないかと考えて。
「先輩、けっこう飲めるんですね」
「うん。気楽に飲むお酒は好き」
ほろ酔いで頬を染めて笑う先輩はとんでもなく可愛かった。
これは危ない。本人にも注意を促しておかなければ。
「先輩はさ、女子大出身でしたよね。だから知らないんでしょうけど、男に誘われて簡単に頷いちゃ駄目ですよ」
下心を持って誘ったのは自分だがと内心で苦笑しながら、表面上は眉をひそめて言う。
すると、先輩がふふっと笑った。
「君こそ知らないでしょう。女子大ってねえ、他の大学からお誘いがたっくさんあるのよ。断り方も心得てる。その気もないのに、ふたりきりになんてならないわ」
「は…………?」
思いがけない言葉に、間抜けな声が出る。
「あはは、ヘンな顔ー」
「いや、あの、先輩っ。それって、」
もしやそういう意味なのかと慌てるこちらに対して、先輩は意味ありげに笑みを深めるだけで。
「ところでさ。ここだと、あの返事は聞けそうにないね」
「…………また、違う店に確認に行きましょうか。ふたりで」
「ふふっ。はい、よろこんで」
後輩が主導権を握っているかと思いきや、先輩も負けてなかったよ、という話。
このあとはどちらが先に告白するのでしょうかね~(^^)




